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Lonely Complex (唯川恵)

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結婚さえすれば、今胸に抱いている不満も不安もすべてが解決される。だって、OLから主婦になるのだって一種の転職でしょう。

こだわっていたのは、初任給と待遇、そして安定した企業かどうかということ。就職するということと、一生の仕事を選ぶ、ということは私の中ではまったく別物でした

恋がなくても、あなたの価値は変わりはしないのです

いい女になるには、いい恋がなければダメでしょうか。いいえ、私は関係ないと言い切ります。
恋によって”いい女”にしてもらうほど、女はヤワじゃありません。


恋は対等。同じ目の位置で相手と見つめ合うべきもの。自分だけが気を遣うなんて、それはもう恋とは呼べない。

恋をしたい、と口では言っているくせに、自分の中にもう恋愛する情熱がなくなっているのではないか
確かに、以前はストンと恋に落ちていたような気がします。

自己をアピールするってことは、みっともないことでも恥ずかしいことでもないんだから。
それをやることで、これぞという男が手に入れば万々歳じゃないですか。

釣った魚にも餌はいっぱいあげる。出し惜しみなんかしない。そこが男たちと違うところ。
(男はすぐやらなくなるでしょう。それって腹が立つと思いませんか)

シワさえも魅力的に見せるほど生き様が魅力的でなければならない

30歳に近づいた頃から、痛切に欲していたもの。「巣」
安心して寛げる自分自身の家族が欲しい

お見合い
いやぁ、日本には本当にありがたいものがあります。


お互い自分の都合を先にして、時間が空いたら会ってもいい。それが恋人同士のすること?
ない時間でもできるだけ都合をつけて会おうとする、できないなら声だけでも聞きたい、それが恋人同士じゃないの?

寂しさは影。
明るい光を浴びれば浴びるほど、色濃くくっきり浮かび上がってくる

私の寂しさは私だけのもの。
だったら自分でドアを開けて、王子様も幸福も、自分で探しに表に飛び出すしかありません。

私はここにいます。あなたには私が必要なのではないですかと、自分の足を一歩前に進めるのです。
私は寂しさというのは、とても高等な感情だと思っています。寂しさを知っていなければ、強くなれない。

妊娠カレンダー(小川洋子)

彼は、こんな分かりきったありふれたセリフを、いかにも親切そうに喋る癖があった

そこだけ時間の流れから沈殿したみたいにひそやかなの

二人は傷ついた小鳥のように寄り添い

演技しているようなきれいな泣き方

つわりはずぶ濡れのブラウスのように、じっとり彼女に貼り付いている

甘ったるいおもちゃみたいな言葉「クロワッサン」

「やまぶき色の果肉がガラスの破片みたいに何枚も何枚も薄く重なり合って、シャリシャリ音がする枇杷のシャーベット。枇杷のシャーベットが食べたいの」
「駄目。今じゃなきゃ駄目なの。頭の中が枇杷で一杯なの。息が苦しいくらい。このままじゃ眠れないわ」
「枇杷じゃなきゃ意味がないわ。枇杷の柔らかくてもろい皮とか、金色の産毛とか、淡い香りとかを求めてるの。わたしの中の妊娠が求めてるの。」

わたしは、破壊された姉の赤ん坊に会うために、新生児室に向かって歩き出した

向田邦子の遺言(向田和子)

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万一の場合、次のようにしてください、で始まる文書

「あなたには小料理屋をやってほしいの。女同士でも気軽に入れて飲み食いできる店って、案外少ないから、いけると思う。あなたは料理が上手だから、あなたの手持ちの料理でとりあえず始めても、やれるんじゃないかしら。お金は私が出すから、場所もいい、人気もいいところで、やりましょ。」

そもそも通帳というものを持っていないのだから貯金のしようもなかったのだ。3代目の江戸っ子で、ゼニは持たない主義であった。サラリーが安いこともあって、半端に貯金するくらいなら、自分自身にもとでをかけたほうがあとになって得なのよ。と、利いた風なことを言って、遊ぶほうに忙しかったのだ

おひろめ
蓮根のきんぴらや肉じゃがをおかずにいっぱい飲んで、おしまいにひと口カレーで仕上げをするー
ついでにお惣菜のおみやげを持って帰れるー
そんな店をつくりました、店は小造りですが味は手作り 雰囲気とお値段は極くお手軽になっております
ぜひ一度おはこび下さいまし


どの庭には何の木があり、何月頃にはどんな花をつけ、どんな匂いがするか、7年の間に覚えこみ、これが私のささやかな四季であった。

ありったけ泣いた

感動も何もない人生の青写真を作って、その通りに生きようという人間は、姉が最も軽蔑していた

あの麦藁手の茶碗でお茶漬けを食べたらおいしそうだな

鉛筆一本の細々とした稼ぎ

一日の24時間は速かったり、遅かったり、そのときによって違って感じられる。長い一生において、どんな人の時間でも、あるときは速く、あるときは遅く流れるのだ。だから、どこかで帳尻合わせができている。そのときどきで、あわてず、ゆっくり、見極めながら生きればいい。この歳になって初めて、気付いたことである。


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向田邦子さんは本当に生き方が素敵。家族想いで、「潔い」人だと感じました。
潔い人、ってやっぱり魅力的で、自分もこんな人に少しでも近づけたらいいなと思います。

そしたら、もっと人生たのしくなりそうです。

愛の試み(福永武彦)

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一体愛という言葉の語源には、 agape と eros との2つの言葉がある。アガペーは兄弟愛であり、エロースは欲望としての愛。
前者は静的、後者は動的。

孤独。それは弱さでもなんでもなく、生きることの本質的な地盤

絶望的な作品の真の効用は、読者がそれを追体験することによって、そのような種類の絶望を乗り越えさせる点にある。それは免疫ということに似ている。

赤ん坊の持つ孤独は人を微笑させる。

人が一般に自分の孤独に気がつくのは、自分の心に何ものかが欠け落ちているのを知るとき

ひとつの愛に夢中になった者には、それ以外の愛は眼に映らない

赤ん坊がひとり無心にたわむれているのは、その内部に自然に湧きだした愛が充足しているから

僕らは子どもの時に傷つけられた経験を何度も重ね、次第に孤独を意識しはじめる。エゴの不満足の状態

子どもが泣くように大人は泣くことができない。

恋を恋する

しかしどこに彼のための、ただ一人の、運命を約束した恋人がいるのだろうか。彼は多くの異性に会い、その一人ひとりに無意識の計算をし、ああでもないこうでもないと考える。小さな結晶作用が生まれては死ぬ。

愛し始めた人間は、客観的な時間とはまったく別の次元の中で、彼自身の時間を生き始める。

愛は二人が時間を合わせようとする努力の中にあり、しかも内部の時計はしばしば狂いやすいから、愛しあうことは一般に難しい

青春の緒(いとぐち)

初恋はおおむね、淡淡しく終わりやすい。それはこの経験が、まだ若々しい魂に孤独を認識させ、愛の可能性を示し、一時的に孤独から脱出する方法を教えることに、その使命を持っているから

花車(きゃしゃ)な肩

孤独は年齢とともに一層研ぎ澄まされていくだろう
しかし愛は単に可能性としてあるだけ

バルザック「人間喜劇」・・・「情熱は人類の全部である。情熱がなければ、宗教も、歴史も、小説も、芸術も、無益なものとなるだろう。」

スタンダール「恋愛論」・・・愛の発生について。7つの時期。
1.見とれる
2.キスをしたりされたりしたらどんなにいいだろうと考える
3.希望
4.愛が生まれる
5.最初の結晶作用
6.疑惑が生じる
7.第二の結晶作用


あやまりやすいのは、結婚という肉体の所有によって、相手の魂までも所有したように考えること。愛の完成が結婚ではんく、愛というものは二人の間に進行中なのだ

愛とはなんだろうか?それは相手の魂を、また相手の孤独を所有しようとする試み。

自らの孤独を恐れ、その空虚に耐え切れずにぜひともそれを埋めようとするが、それは自分自身後からではどうにもならないものだ。
愛は常に他者のためにあるので、自己のための力ではどうにもならない

「あいつの考えている人間は、現実のぼくじゃなくて、あいつの理想の男性としてのぼくなんだ。」

愛されることによって、自己の孤独を忘れ、傷跡を癒しながら、一方では相手を愛そうとする。いかにも虫のいい願い。

愛されることより愛することは百倍も尊いし、愛の本質はあくまで愛すること

憐憫、あるいは同情というものは、対象を愛している故に起こるものだが、そこには明らかにエゴの無意識の優越感があり、相手の孤独に対する余分のおせっかいがある。

嫉妬は、すべての孤独を自分一人で所有したいエゴイムスの表現。そこには愛することと同時に、愛されたい欲求が混じっていることを忘れてはならぬ

精神的な快楽は繰り返されることによって快楽として洗練され得るが、肉体的な快楽は繰り返されることによって効果を減じる
しかし精神的であれ肉体的であれ、人が愛に於いて求めるものは、まず快楽

愛がただ快楽のみを目的としている場合は、その快楽を純粋ならしめるために、愛は急激に燃焼しなければならない。すなわち、その快楽が錯覚

現代人は、奇妙に、愛を純粋な行為ー理知や精神のまったく干渉し得ない魂の行為として、認識することができない

愛はあふれだすもの

自己の孤独を顧みることはあっても、その孤独を埋めるために相手の愛を利用しようと考えてはならない。


自己の傷を癒やす前に、まず相手の孤独を癒やしてやろうと考えることが、愛を非利己的なものに高めて行くはず

自己の孤独の意識によって常に少しずつ愛の炎を冷まされながら、火の消えぬように保ち続けないといけない

お互いに人間らしい間違いをしばしば犯しても、なお許し合い、理解し合い、希望し合いながら、同じ道を歩んでいくものだ。相手が完璧でないことを知り、それ故に、一層深く愛する事ができるというのでないと

お互いに自己の理性的な判断を主張し合い、愛という共通の場の範囲内で、二人がその愛を正しく成長させるための方法を、遠慮すること無く論じ合う必要があると言いたいのだ

しかし自己の孤独を恐れることなく見つめ得る人間にとって、生は必ずや無限の可能性を含んでいるはずだ


美しい犬 (林 芙美子)

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ばけつをさげたおかみさんは、「まア、ペットがこんなところにいるよ。」といって泣き出してしまった。おかみさんは、主人の家を忘れないやさしいペットをみて、ほんとに、すまないことをしたと思った。

ペットは泣きたくなるほどさびしかった。

終戰になって、ペットの好きな人がだれもいなくなってしまうと、ペットははじめての冬を、ほんとに哀れなかっこうで暮らさなければならなかった。 疎開の人たちもまだ、あっちこっちの別莊に殘ってはいたけれど、ペットを飼ってくれるような、親切なひとは一人もいなかった。



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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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