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とっておき作品集 : 江國香織

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処女小説、絵本、短編小説、家族の記録=ぜいたく。
著者の人間性が分かるような作品。




・上映中はノースモーキング、ノードリンイング、ノーセックスです

・この巨大な国で、一人っきりでいられるほど、どちらも強くなかったのだ

・rice(米)というとlice(しらみ)に聞こえる

・私はここで過去を持たず、過去を持たないということは、結局何も持っていない
 ということだった

・恋をするたびにいつも真剣になれたらどんなにいいだろう。

・スパニッシュは愛国心と仲間意識がけたはずれに強い

・まわりから孤立すればするほど、彼らは2人きりで純化されていくようだった

・彼女の美しさはどこか植物的だった。はかなげで、ピュアだ。
 水がなければ、すぐに枯れてしまう。

・ギネスブックにのるほどの長いキス

・いつも母国語ではない言葉でコミュニケートしているのだ
 愛をささやくのも、すべて英語なのだ。何て、不安定なことだろう。

・薄い薄い笑顔。一枚はがしたら少しも笑っていないにちがいない笑顔。

・私ね、世の中に、悲しい結婚式があるなんてこと、この間まで知らなかったわ

・「部屋いっぱいに夢がたちこめているの。だからその空気に水をさす人が必要なの」

・姉は、悲しいときや辛いときには泣いたことがない。衝撃を受けたときにだけ、
 泣くのだ。







処女小説「409ラトクリフ」は純な愛が描かれている。

恋をするたびにいつも真剣で、いわゆるゾッコンになる登場人物は、
とてもピュアだな、と思った。
愛すことで、ようやく生きながらえられるような。
正直、うらやましいな、と思う。そんな人間になれるのだろうか。




この本のハイライトは著者の父が残した江國香織の記録。
生まれたときから6歳ごろまで綴られているが、これがまた楽しい。

著者がいかに幼少期から感性豊かであったか、物語っているよう。
そして父・滋氏の文才を確実に引き継いでいる。

こういう親が残す子どもの成長の記録、みたいなものを普段は読まないので、
感動すらしてしまった。

子どもに限らず、人の成長を見ることができるのは、本当に楽しいことなんだと思う。



残念ながら自分は子どもを持つことが容易ではない人種なので、
悲しい気持ちにもなったりした。

モンテロッソのピンクの壁 : 江國 香織

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行動力。意志。




江國さんと絵本作家でイラストレーターである荒井良二さんのコラボ作品。
いつもながらにみずみずしい文体に、カラフルであったかい荒井さんの絵はまさにシナジー。



物語は、一匹の猫、ハスカップが夢に見ていたピンク色の壁があるところへ旅をする、というもの。
簡単な内容だが、大事なことはちゃんと伝えている。


「ああ、いかなくちゃ。」という台詞が良い。
行きたいんじゃなくて、行かされるんじゃなくて、力強い衝動。




・何かを手に入れるためには何かをあきらめなきゃいけないってことくらい、
 私はよく知っている。

・彼の音楽と人々の求めている音楽が、どうもちがうものらしいからでした
 (これも、芸術家にはよくあることです)。

・音楽師は(いかにも若者らしい潔癖さで)、悲しみを売り物にするのは絶対にいやだと
 思っていました。喜びだけを奏でたいと、切実に願っていたのです。




ハスカップのように勇敢に自分もなれるのだろうか。
絵が非常に素敵。
ハスカップがとってもかわいいです。

いくつもの週末 : 江國香織

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著者の結婚生活エッセイ。甘い。



・私の日常はおもに、仕事と、お風呂と、夫とでできている。

・いちばん気持ちがいいのは朝の公園だ。まだ誰も吸っていない酸素にみちている。

・全然ちがってもかまわない、と思ってきたし、ちがう方が健全だとも思っているのだけれど、
 それでもときどき、一緒ならよかったのに、と思う。なにもかも一緒ならよかったのに。

・雨には消炎作用があると思う。だから、もしも感情の起伏ーたとえば恋愛ーがある種の炎症だとしたら、
 雨は危険だ、といえるかも

・朝の男は少し冷淡

・いつも週末みたいな人生ならいいのに、と心から思う。でもほんとうは知っているのだ。
 いつも週末だったら、私たちはまちがいなく木っ端微塵だ。

・いつも同じ人とごはんを食べるというのは素敵なことだ。
 ごはんの数だけ生活が積み重なっていく。

・ひとをたすけるよりは圧倒的にひとにたすけられてきた。
 でも、だからこそ依存は恐怖だった

・蜜のように幸福

・片方が寛容を備えているのなら、もう一方は情熱を備えていなくては

・結婚は動く歩道のようなもので、じっとしていると前進してしまう。
 どことも知れない、たぶんいきたくもない場所に。

・さびしさだけがいつも新鮮

・贈り物というのは相手を拘束するような気がしてできなかった。
 身につけるものはとくに。

・けんかのいいところは、仲直りができるところ

・生活というのは、味わうもの。Relish。そんなふうに暮らしたい。






著者独特の視点で好感が持てる内容。

早く起きた日ぐらい散歩してみるのも悪くないか、と思った。
だって、誰も吸っていない酸素、たくさん吸ってみたいもの。

真昼なのに昏い(くらい)部屋 : 江國香織

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読んでよかった。心からそう思える本。




・植物はその家の人々の心を和ませるだけじゃなく、道行く人の目もたのしませなければならないもの

・毎日の水やりはたしかに手間ですが、だからこそ生活に秩序が生まれます。

・動作や性急さが、彼にある種の活気というか、未熟な魅力を与えているかのよう

・時代遅れの自由人生活。

・色彩が鮮やかに潤み、酸素も植物の生気も濃く、人々の表情の素朴なそういった国々

・日本語で、奥さんのことを家内って言ったりするの、ご存知でしょう?

・ほんとうに、この家はいつ来ても生活のにおいがするのです。
 カレーとか、ジャムとか、床磨き剤とか。

・自分の住んでいる小さな街のなかに、確かに「遠く」があること

・植物は、だれのものでもない。

・そのつめたさが美弥子さんの生命の清潔さであるよう

・利恵子さんは、結婚の神聖さを信じています。

・きちんと向かい合おうとすれば、ときには衝突も避けられない

・家はよそよそしいままでした。家に、嫌われた?

・ほら、やっぱり私は世界の外にでてしまった

・水みたいに新鮮で、おそろしいほど直接的で、心臓にまで流れ込むようなそれだった

・自分の周りに確固たる世界があると思い込むのは錯覚

・自分たちの身体が、迷子になった三歳児のようにおろおろしているとしたら

・冬仕度





子どもを持たないが幸せな美弥子さんと夫のひろちゃん。
そして、美弥子さんにひどく惹かれる外国人のジョーンズさん。


この本の進み方が美しい。 
「現代版童話」みたいな印象。第3者からの丁寧な語りが入るからかな。
すごく新しい、と思った。
まるで人形劇を見ているような気分になった。


美弥子さんの清らかさは異常だと思う。ジョーンズさんも。
ひろちゃん、が唯一この世界の中で人間らしかった。

表紙の装丁も素敵。

きらきらひかる

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高校3年生の頃読んだ作品。


でも、専門学校2年生のときにも読んで、


そして、昨日一気に読みました。



何度読んでもその時期によって、
本から伝わってくる感覚が違うから、飽きずに読めてるんだと思います。






内容は、恋愛小説。


でも、妻はアル中、夫はゲイで恋人がいる。

全部、理解しての結婚だったが。。。



ただ、一緒にいたい、今の生活でいいのに、
周りがそれを許さない。そんな、日常。



江國さんが描く登場人物はいつだって、普通のようで、普通じゃない。

どんな日常の風景も、より新鮮で、より美しい。










今回読んで印象に残ったのが、



「睦月たちって銀のライオンみたいだって、時々思うのよ」

(魔法のライオン。
群れを離れて、どこかに自分たちだけの共同体をつくって暮らしている。
草食で、早死に。もともと生命力が弱い上にあんまり食べないから、暑さとか寒さとか、
そういうことで。
ライオンたちは岩の上にいて、風になびくたてがみは、白っていうより
まるで銀のように美しい)


と笑子さん(妻)が言った言葉。



確かに同性愛者の人ってそんな感じなのかも、と思った。







素敵な小説です。

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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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