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快楽の動詞 : 山田詠美

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文学とセックスの関係を笑いのめす小説集。




・純文学には性的快楽の絶頂を表す描写もない
 「いく」などというそんな平易な言葉では誰も表現していなかった

・「いく」は「私は恋人と寝床に入り幸福のきわみにまでのぼりつめ涙する」と
 同義語だったなんてー!!

・私は死ぬ。相手を自分に向かせたがる自意識過剰な人間の脅迫の台詞には最適

・死ぬという言葉を性行為の最中で口に出すような熟練した男女がいたかどうか

・文学はいらないと思う人は多いだろう。そういう人々は、本能に理由を
 つけない。正直である。そして退屈。

・その手の会話というのは、何故こうも陳腐。甘いささやきと本人たちが思うのは、
 単なるほそぼそ声にしかすぎない。それが「いく」と「死ぬ」で完結している

・快楽と幸福は、時に同じ意味を持つが、そのつながりを引き立たせるのは、死を認識
 したとき

・私は、ずるのない言葉が好きだ。正直な快楽の言葉は大切にしたい。
 死ぬでもいくでもいいじゃないか。けれど、そこに、さりげない媚が加わるのは
 趣味ではない。

・英語では「いく」ではなく、comeと言う。来るのである。
 日本語の場合は、お互いが「いく」のだから、二人とも、同じ方向を
 向いている訳。英語のセックスは向かい合い、日本語の性は同じ方向を向きながら
 する、すなわち永遠の後背位。

・人間が異性を好ましく思うとき、ほめ言葉は常に陳腐の羅列。どんなに
 複雑な魅力を持った男性も、「すきっと、さわやか」には適わない。

・ことわりなしに自分の真意を汲み取らせようとすること。これが自己主張でなくて
 何だろうか。相手の時間と感覚をしばし自分のために使わせる、日本語とは、
 ある種、傍若無人な言葉。

・人は何故、恋愛の最中に否定ばかりしてしまうのであろうか。

・日本語ほど否定をもって肯定する言語はないと思う。

・「いやよ、いやよも好きのうち」=男性の性的願望を言葉にしたもの
 日本男性が否定語によって欲情し理性を奪われてしまうのを責任転嫁して、
 自らの根拠を見つけ出そうとした隠喩

・親密な相手と汚れを交換することは、相乗効果を生み、ますます貴重な汚れを
 作り出す。

・ロマンやエロスは臭気に弱い。機知という名の臭気である。

・お洒落と駄洒落は雲泥の差
 洒落のダンディズム化は凡人のなせる技ではない

・駄洒落の駄を処刑

・ユーモアとは、いつでも独自なのである
 ユーモアはあらぬ方向に進んでしまう自堕落な美女

・駄洒落が学業なら、ユーモアはアート

・駄洒落は、ロマンとエロスの天敵

・避妊の方法としての駄洒落は、コンドームより確実だ。エイズの予防にも。

・知性は、奪うだけでなく与えることもしなくては。

・作家の美食もすぎると、ただ意地汚いだけなのに気付かないから、文体にも
 コレステロールがたまり続けてる訳よ。

・かぎかっこに監禁されちゃう

・もてない人間は、偶然というものを信じすぎているのではないか。
 起こりえない偶然だからこそ饒舌に語り尽くそうとしているのではないか。

・偶然と空虚って似ていますよね。
 ぼくなんて、いつも駅で、素敵な女性と出会わないかななんて思ってますけど、
 素敵な女性がぼくに目を止めてくれることなどないんです。
 彼らがシャンペンを飲んで女の人と寝ちゃってるのは、彼らがそれを
 望んで努力しているからと思うんです。

・怠惰をバブルがはじけたと呼んで貧乏を憂えている。

・ぼくは、ポルノによって、セックスをしたいとは思わずにオナニーをしたいと
 願ったのです。変ですよね。終わった後、ぼくは、ほんの少し自分のことが
 嫌いになりました。

・私は、オナニーが好きだ。何故なら、それは自分で選択できる行為だからさ。
 セックスじゃそれはできない。感動巨編になってしまう。

・セックスをすると他人ではなくなるのか。

・卑猥って重要な要素だわ、体を刺激するには。

・押し殺した声に徐々に色を付けていく。

・ただ欲しいという欲望を瞳に浮かべるとき、どうしていつも少年や少女の傲慢さを
 取り戻すのか。

・セックスにおいて擬音をつくりだすものは何か。液体。汗、唾液、体液である。

・「いくつに見えますぅ?」本気で彼女の年齢を知りたい人など、誰もいない。

・ウィットが無意識に係わるものであるのに対して、ユーモアは超自我が自我に
 与える慰安であるbyフロスト

・文学とは様々な作品が生み出すひとつの伝統の「場」のこと
 ひとつの作品が伝統と関係するその関係の仕方が文学。







きっと書いててすごい楽しかったんだろう。そんな内容。

著者の感性、というかモノの見方はとってもおもしろい。
「なるほど」って思える部分がいくつもあった。


セックス中に聞こえる言葉って、本当に陳腐。

でも、それでいいと思うし、それがいいんだとも思う。
だって、セックスに文学要素が加わったら、すごいクドくて、
かえって冷めて見えて聴こえてしまうと思う。

だから「イク」とか「死ぬ」にすべての想いが凝縮されてるのかな。
日本人だけかな?笑







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