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ほんとうの私を求めて : 遠藤周作

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自分を探す教科書。



・我々の心の奥の奥にはいろいろな記憶が混沌としてひそんでいるそうだが、
 そのひとつに母の子宮のなかにいた記憶があるのだそう

・夢は無意識のなかで平生おさえつけているものや欲望のあらわれ

・人間は、誰でも、他人に知られれば死んだほうがましだと思うような暗い秘密
 をもっている

・人間誰でもそうした立場にあわせて自分の顔をつくるものです。

・お面になれきってしまうほうが、生き方が楽だから

・母であったり妻であったり学生であったりするお面をつけているあなたは
 本当のあなたではないのか。問題はそこにある。
 答えはイエス。お面をつけたあなたはニセのあなたではなく、やっぱり本当のあなた。
 だがそれはあなただが、あなたの一部にすぎない。決してあなたの全部ではない。

・人の知らぬあなたの影の面。そこにはなんとなく罪のにおいがするときがある。

・なぜイヤか。世間のモラルとその思い出とかが矛盾するから。

・日本の主婦の大半はあなたのお母さんと同じように、子供が生まれると、
 自分のなかにある女、妻、母の三要素のなかから母の音を第一にかなでようとします。
 そしてその次に妻の音をわずかに鳴らし、女の音はまるでそれが出してはならぬもの
 のように抑えようとする。
 男のほうは結婚して、子供の父親となっても、父であるという意識が彼の心の第一の
 場所をしめません。日本の大半の男は、自分が男だという気持ちを生涯捨てさること
 ができない。


・日本の主婦 1位 母 2位 妻 3位 女
 日本の亭主 1位 男 2位 父 3位 夫

・パパと亭主を呼ぶのは日本の妻の無言の欲求。あるいは無意識。日本の妻だけの特徴
 である。外国では妻は決して亭主のことをパパなんて呼ばない。
 外国の女房は、日本の主婦と違って結婚生活のなかで母子関係より夫婦関係のほうを
 大事に考えているからだろう。 

・仏教の唯識論(ゆいしきろん)で、人間の心の深層ーつまり心のなかにいろいろなものがたまっている無意識のことをアラヤ識と
 よんでいる。アラヤというのは溜まっている場所という意味。
 ヒマラヤとはヒマ(雪)の溜まっている場所(アラヤ)という意味。

・我々には仲間の誰か一人を適視することで他の者の結束を再確認しようという気持ち
 がある。

・「してはならぬこと」「みせてはならぬこと」だと考えているあなたの部分は実はあ
 なたの潜在的な欲望であることが多い

・生活と人生はちがう。生活でものを言うのは社会に協調するための顔です。また社会
 的な道徳。人生ではこのマスクが抑え付けたものが中心になる。

・楽しいグループに入ることで夫以外の複数の男性と友人として交際することはこれか
 らの既婚女性には絶対によいこと。結婚生活のどうにもならぬ単調さを救う。

・誰が考えたって性欲それ自体は決して悪いものではない。
 それを彼がどういう形で発散したかの手段と結果が問題になるだけ

・人生や人間は2分法で割り切れず、その中間か、もしくは対立した2つのものを併合
 している状態だってある。人生ではできるだけ2分法の考えを捨てて、3分法の考え
 を採用すべき

・社会の共同生活に順応すればするほど、自分の個性を失う。自分の特色、自分の個性といったものは多くの場合、抑えつけた感情や欲望のなかにある

・社会や世間に順応して満足している男の顔を想像してみてください。それは無難で安
 全な生き方かもしれませんが、個性ある生気にみちた何かが欠けています。
 一方、世間体や世の常識を無視して自分の感情のままに生きる人は他人を傷つけ、社 
 会的非難をうけますが、やはり、その人だと思わざるをえない。

・自分が抑えこんでいる感情ー性欲、レズ的感情、嫉妬、恨みーそれをひたすらに悪い
 ものだと思っていないか。それをやめよう。

・抑圧したものに適当な捌け口を与えること。賢い生き方のひとつ。

・仏教では前生での我々の行いが業となって今生での「生まれ方」「生き方」に深い影
 響を与える

・自信のないとき、女は美しくなくなる。

・我々は自信を自分のアラヤ識に吹き込めばよい。
 たとえば毎朝、鏡をみて、「美しくなる。美しくなる。」と心で言う。
 日常でアラヤ識、無意識の活用を知っている者と知らぬ者とでは、そこで人生が分か
 れるかもしれない。

・信頼できる医師とあまり好感のもてぬ医師とでは同じ治療をしても治癒率のちがうこ
 とはよく知られている事実。病気というのは、たんに肉体だけにかかわるものではな
 くて、心にも関係している。

・女の最大の技巧はうそをつくことであり、女の最大の関心ごとは見せかけと美しさ

・女は混沌の中に生き、男はその混沌に耐えられず、なんとか形をつけよう、形を与えようとするのが、男女の基本的な関係

・男は頭と口だけで嘘をつくが、女は全身で嘘をつく

・殺し文句で一番効果があるのは、彼女に人生を感じさせるような台詞

・女性は男性とちがい常に生活よりも人生を大切にするよう。
 男が関心のあるのは人生よりも運命

・純潔の美、を生かそうとするよりは、女の美、を作り出そうとする傾向

・まア、聞いてください。

・カトリックの洗礼式のときには、洗礼をうける者は一生、父代わりになってくれる人
 をきめねばならぬ。これを代父と呼ぶ。

・東京という万事がフラストレーションを起こす都会

・一流の芸術家が世に出るには、ほかの多くの芸術家が、その足元で滅んでいる

・日本の兵隊は息を引き取るときに「天皇陛下万歳」と言う代わりに「お母さん」とい
 って死んでいった。宗教のない日本人の心に母は人生観や人間観のうえで大きな影響
 を与えている

・娘たちは愛を生かすために看護の勉強をした。

・現実世界では挫折しても人生の次元では収穫があるということは救い

・文章に芯がある。コクがある。

・米一粒も眼の色を変えてほしがった戦争中のことを思い出し

・豪奢な紙を使った会社のパンフレットや別荘、車などの案内

・外国のデパートで買い物をしても日本のそれのように立派な包装紙で包み、しかも
 手提げの紙袋までくれるようなことはほとんどない。外国の本屋で本を買った人は日
 本のそれのように文庫本にまで紙カバーをつけてくれることはまったくないことを知
 っているだろう。

・鼻紙だってそう。向こうの連中はハンカチで鼻をかむ。紙を無駄にしないため。
 ケッペキな日本人はハンカチで鼻をかむのをきたないという考えがある

・本当の洒落とは頭から足までゼイタクな服地の洋服、高級ネクタイをつけることでは
 あるまい。

・東京というのは生活する場所で、生きる場所ではない。

・息子がある日、オリビア・ニュートン・ジョンという名を知っているかと聞いた。
 ニュートンなら地球の引力を発見した人だろうと答えると、軽蔑の眼をむけられた。

・息子がいると家のなかが臭くなる。

・我々日本人はこれからもセカセカ蟻のように働きつづけるにちがいない。
 大木の下でゆっくり茶を飲み、のんびり山でも見ていれば、心の中で怠けている
 ような痛みを感じ、あわてて茶碗をおいて仕事場に駆けつけるだろう。

・人間は死ぬものじゃない。自殺するんです。喫煙、深酒、徹夜マージャン。

・ツアーの日本人客に75歳のお婆さんがまじっていて、杖を片手に懸命にあちこちを廻った。その婆さまに何が一番面白かったかと訊ねると、
「わたしゃね、腰がまがっているから、地面しか見えなかった」

・その関心の強さに、私はけっしてもう若いとはいえないこの作家の心の、みずみずし
 い若さを、少年のような清冽なあこがれを見るおもいがあります。





非常に納得させられる部分が多い。


特に、日本人の男と女の違い。

男は常に「夫や父」という立場より「男」という面が優位に立つのにかわって、
女は子どもができると「母」になり、「妻」や「女」といった面が隠れてしまうこと。
的確に的を得ている。


また、様々な本が無意識の感情について触れているが、この本では仏教の唯識論と重ね合わせ、
無意識の重要さについて触れていた。


そして、顔(マスク)。
自分自身、仕事をしているときと、こうして一人で過ごす時間では、まったく人が違うといって
いいかもしれない。
それは、どちらが本当の自分なのか、ではなく、どちらも自分の一部なんだと説いている。
自分のすべてではないから、そう受け容れられる。
過去、なんで仕事をしているときの自分は、こんなにも違うんだろうと考えたことがあったが、
合点があった。その仕事に向いた顔に、人間は近づくようにしているんだなぁ。



前半は、教科書的な内容で非常に勉強になった。
著者の言いたかったことが集約されているよう。

だが、後半は普通のエッセイのようになっていて、個人的にはがっかりだった。


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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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