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恋愛とは何か-初めて人を愛する日のために- : 遠藤周作

恋愛とは何か


まるで恋愛の教科書。そしてとってもわかりやすい。
身に染み込んできた。



・エロス→肉体的な愛 アガペ→精神的な愛

・貴方が肉体の欲望をそれほど感じないのは、貴方がまだ、若い女性だからです。
 けれども青年は生理的にこの官能に早く目覚めさせられ、それに苦しんでいる

・あの娘の唇はバラよりも優しく、その口は蜜蝋(みつろう)よりも甘い

・本当の心のくるしみをいやしてくれるのは
 歌でも話でもなく、人を魅する力でも薬でもなく、ただ抱擁と接吻、裸で一緒に眠る
 こと

・人間とはたんに心や精神だけで出来上がっているのではなく、また肉体によっても成
 り立っているのだという至極、自明な簡単な事実

・一点の染みもなく晴れ渡ったギリシアの青空のように澄み切った眼で性を眺めること
 ができた彼ら、蜜蜂が花々の蜜を吸うのと同じような自然さで抱擁したり裸になれた 
 彼ら。だが、ぼくらはもうダフニスやクロエの季節に戻ることはできない

・人間の考え出す肉の刺激には限界がある。
 この肉や性のもつ本来の悲哀を、所謂、肉体主義者たちはほとんど考えようとしない。

・本当に2人が愛し合っているならば心だけでなく肉体を捧げあいたいという気持ちに
 なるのは当然ではないでしょうか。

・男性は恋愛中、女性よりも性急に禁断の木の実をたべたがるもの

・男性にくらべて日本の女性はまだまだ理性や知恵で自分の進退をきめるよりは、
 自分の生理や肉体に引きずられ易い。日本の女性は純潔や肉体を与えるまでは
 なかなかシッカリとはしてますが、一度、身を許してしまうと驚くほど精神がモロく、
 弱くなってしまうのです。

・肉体を恋している男性に与えることが不潔でもなく不誠実でもないにせよ、
 あまり早く与えることは恋愛の知恵がなさすぎます。

・恋愛とは一言でいえば愛している人のすべてを所有したいという欲望

・あの洋服を一枚一枚、剥いでいくとき、男の心理には愛する者の秘密に次第に触れて
 いくという悦びがあるのです。その女性が衣服によって他の男たちや社会の人々に隠
 している彼女だけの秘密、孤独、絶対にゆずらずに守ってきたもの - それを自分 
 だけが今、所有できるのだという悦びがある。

・サディズムとは、まともな形では愛せず、暴力をふるったり苛めたりせずにはいられ
 ぬ衝動。言い換えれば相手を全く支配しようとする気持ちのあらわれ

・マゾヒズムとはこれとは逆に、相手から全く支配されたい、思い通りにされてみたい
 という願望

・あなたの恋人にたいする所有欲は本能的に限りがない

・肉の交わりをしたあとの悲しさの中には「まだ、相手のすべてを所有できなかった」
 という愛の寂しさがいつもかくれている。この寂しさは逆にいえば人間の愛欲の貪ら
 んを示していると言える。

・医学的に言っても男性の情欲が最も頂点にのぼるのは17,8歳から22,3歳までだ
 という説がある。

・男は愛してもいない女性にだって情欲を感じます。情欲は本質的に、彼にとって心の
 愛とは無関係な場所で起こるのです。

・男にとって浮気とは別に精神的愛情とは関係のないこと。浮気は決して良いものでは
 ないが、仮に夫が一夜の浮気をしたところで、それは妻を愛さなくなったからだとは
 言えない。

・女性は愛してもいない男と肉の交わりはしたくない

・普通のお嬢さんであるならば、純潔を守るにはそれほど苦労しないと申してもよろし
 いでしょう。

・若い女性の場合は精神的に愛していない男性に肉体の欲望を感ずることはまず、あり
 ますまい。

・肉の交わりのとき、若い女性は男性とちがって肉体的な苦痛をある程度うける場合が
 多い。また彼女はほとんど、男によってその肉欲を目覚めさせられるという立場にあ
 る以上、精神的にも劣等者の立場にある。したがって彼女は自分の精神的愛情を感じ
 た人にだけ、この苦痛や犠牲を忍ぶことができるが、それ以外の人にはただ、嫌悪感
 と憎しみしかおぼえないのだ。

・男性にとって肉の欲望を充たすことは一時的な行為で、自分の将来や運命にそれほど
 大きな影響を与えはしませんが、女性にとって体を与えることは運命や将来に随分、 
 ひびくものなのです。

・女性は愛する人以外には肉欲に対して潔白感をもつのは当然のこと。一種の自己防衛
 本能。

・両者のちがいを認めて、その能力やありかたをたがいに尊重し、尊敬しあうことが本
 当の意味での男女の性の同権なのです。

・女性はエロスの世界を通して完成される
 性の世界から、女性が母性になれるという厳粛な事実。男性にとってエロスはこのよ
 うな完成のための大きな役割を果たしてはいません。

・情熱(本能的)はだれでも持てる状態。愛とはだれもが持てるとは限らない。
 それは忍耐と努力とによって創り上げていく行為。

・情熱とは苦悩によって燃え上がる。
 「安定は情熱を殺し、不安は情熱をかきたてる」

・安心し、安定してしまった恋人たちは動揺する筈がない。けれどもまだ結合しない恋
 人たちは互いに相手の愛情を確かめあうため、不安感をいだいたり、苦しんだり、時
 には嫉妬さえするものです。
 この不安や苦しみや嫉妬が、かえって相手にたいする執着を強め、情熱の火を注ぐ

・枯枝さえも花のついた枝に見えるように、相手を美化して考える。
 恋愛の心理、これが結晶作用。

・恋愛にマスクはつきもの。恋人たちは自分の顔に実物以上のマスクをかぶります。

・女性にとっては自分の現在に満足しきっている夫ほどイライラさせるものはないよう

・相手にたいする陶酔や美化がなければ恋愛というものは成立しない。

・恋愛はちょうど一本の細い綱の上を渡る行為に似ている。

・朝ごとに勤労奉仕に工場へ向かうとき、前夜の空襲で死んだ死体の上をまたいで歩い
 た世代。死さえにも無感動になれねば生きていけなかった。

・純潔主義と肉欲肯定主義

・始めて恋愛をする年頃の中にはふしぎに自分より年下の人には興味を持たない青年が
いる。---恋人のなかに彼の母や姉のイメージを無意識に探している

・女性は自分を引っ張ってくれるような男性を恋人の中に求めている。しかし若い男性
 はとてもその要求に答えることはできない。母親や姉のようなイメージを相手に探そ
 うとする。若い恋人たちの破局は、大部分この心理的な矛盾から起きる。

・若い恋人たちは、二人でできる何か1つの目標を、恋愛中たえずつくったほうがよい。
 つまり、ひとつの目標をめがけて二人が歩いている、進んでいるという連帯感があな
 たたち2人を若さのもつ不安から救ってくれます。著者はこの方法が若い恋人たちに
 は一番、適した愛の技術だと考える。

・愛というものは相手の中に発見することではなくて、相手と共に創り上げていくもの

・金銭欲のための金銭欲はまず、男性にはないといってよい。彼がいつもお金が欲しい
 と考えるのは、それが自分の力量、能力、社会的地位、名誉など - つまり男の本
 能である闘争心や征服欲の適当な目標となるから。

・見栄は虚栄心と同様、「うわべを飾る」気持ちに違いないが、一種の強がり。他人に
 見られることを意識しながら、他人を栄えさすという意味で見栄だと言える。他人に
 サービスするという気持ちが含まれる。
 虚栄心とは普通、社会的な地位や物質的な優越感を他人に誇示する心情。非常に利己
 的で個人的エゴイズム。

・男の心の中には女性にくらべて何時までも未成熟な、小児的な、そして非現実的なも 
 のがある。女性のほうが、はるかに大人であり、リアリストである場合が多い。

・デートをしているとき、いつも考えておかねばならぬことは「あなたを小出しにす
 る」ということ。

・「未知なものにたいする征服感と好奇心」が本能。
 現在、彼があなたにたいして持っている情熱の40%は、あなたがまだ未知であり新
 鮮だから起こってきている。男性の中には未知なもの、神秘なもの、謎のものを知り
 尽くしたい、探究したい、征服したいという本能的な欲望がある。

・男性にとってもっとも悲観なものの一つは、デイトのたびに彼女から「奢ってくれる
 のが当然」という態度を露骨に示されるとき

・極端にいえば、苦悩と不安があればこそ恋愛は続き、胸のしびれるような快楽がある

・人間の馴れという弱点。どんな幸福でも、人間は馴れるものであり、馴れてしまえばその幸福も快楽も悦びも色あせてしまう

・相手から裏切られる心配もないから、相手との結びつきにまず自惚れを感じだしたから、お互いツマらなく思いはじめる倦怠期

・安定は恋愛を殺し、不安は恋愛を生かす。馬鹿馬鹿しいほど簡単なのに、
 多くの恋人たちはそれに気付いていない。




この本の初版は昭和47年。自分が生まれるよりもずっと前から、
このような本があることに驚かされる。今読んでも、全く古さを感じさせられない内容には、
やはり万人に共通し、共感させられる恋愛がテーマだからか。
それとも遠藤周作という天才の文によるものか。



個人的に、道徳か国語の教科書にこの本を取り上げるべきであると思う。
それくらい読む価値があるし、幼少期に多少でもこの本に書いてあることが記憶にあれば、
現代人の恋愛の仕方も変わっていたのではないかと思うのです。

しかしながら、恋は盲目とはよく言ったもので、
ひとたび恋に落ちてしまえば、教訓だったりするものも、役に立たないのかもしれない。
真っ暗闇のなか、一人で恋に立ち向かうのはすごく勇気のいること。
そんなときこんな本がそばにあると、少し落ち着くのかもしれない。

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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