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指の戯れ : 山田詠美

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愛の復讐劇。


・私はいつも同じ種族の男を選んでいた。

・リロイは華やかな友人たちの背後で、テーブルや椅子と保護色になって座っていた。

・東北弁のようなずるずると引きずる発音の仕方は聴き取るのは困難だが、
 とても性的に私の皮膚を撫でるのだった。

・私の肌はまるで澄んだスープのように彼の口に滑り込む。私は彼の
 皮膚が快楽に泡立つごとに深い満足感を味わった。

・彼の体は夜に混じって夜よりも黒くなる。

・顔全体に「悲しみ」という覆いが被さるのだった。

・彼はきっと私をこんなふうに心地良くするために生まれて来たのだ。

・私の体は確かに欲情していたが、私の心は少しも欲情していなかった。
 ファッキン(ろくでなし)なファック

・美しさと甘えだけを武器にする、この界隈によく見かける種類の女

・私の唇に選びぬかれたキスをした。

・男の匂いを嗅ぐと反射的にシャツのボタンを外すおしゃべりな私の指

・彼の顎鬚は、昔は刈り忘れた芝のように私を刺すだけであったのに、今はサンドペーパーのように私の頬を削り取る。

・私の皮膚は鍵盤になる。

・私は汗をかき目覚めた後、全身が甘く濡れているのを感じるのだった。

・その女は鍵盤じゃない!鍵盤じゃないのよリロイ!

・彼は私を憎んでいる。そして私を愛している。

・彼は私の口に自分の憎しみを押し込んだ。




ルイ子は、田舎じみたリロイ・ジョーンズを奴隷のようにもて遊んだ。
その後、捨てた。

それから少し経って、リロイはルイ子の前に帰ってきた。天才ジャズ・ピアニストとして。
今度はルイ子がリロイに恋焦がれてしまう。
手に入らないものは、手に入れないと気が済まないように、
リロイの愛が欲しい一心で。




山田詠美さんの官能的な比喩は、とってもおもしろい。

性に奔放なルイ子の気持ちもわかるが、やはりリロイの復讐めいた思いに感情移入できる。
自分を突然捨てた女を見返そうと、名声を手に入れて戻ってきた男。
田舎くさい格好から、センスのよい服装へ。何もかも完璧に。

復讐心というものは、醜いが、人を強く変える感情でもあるんだと思った。

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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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