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ぼくの小鳥ちゃん(江國香織)

bokunokotori.jpg

雪の町の匂いがした

ふりむくと、窓枠に小鳥ちゃんがおっこちてきた。不時着。

不満そうにぴちゅぴちゅ鳴いて

「ふうん、そうなの」
小鳥ちゃんは、さもばかにしたように言う

「そうはおもわないわ。あたしの好きなたべものはそういうのじゃないもの」
「もっとなめらかで、とろっとして、ラム酒の匂いがするの」
「ラム酒がかかってるの」

できるだけたくさんときどきにする

小鳥ちゃんの寝息は小さくてウエハースみたいにかるい。
寝息に合わせ、小鳥ちゃんの小さくてあたたかなからだはごくかすかに上下して、そのたびに掛け布団がわずかながらもちあがる。

散歩にでてるすでないかぎり、むろん小鳥ちゃんはデートにもついてくる。
「とうぜんでしょ」小鳥ちゃんはいう。
「あたしはあなたの小鳥ちゃんなんだから」

「身も心もかけねなしにからっぽっていうかんじ」
それで、ぼくらはその夜、かけねなしにおいしい中華料理をたべにいった

---あなたはうけいれすぎるのよ。
小鳥ちゃんはぼくの目をみずにそう言った。
----いけないことかな。
------ときどきとても淋しくなるの。

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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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