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駄パンその他 (古川 緑波)

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文藝春秋九月号に、ジョージ・ルイカー氏の「日本料理は女房の味」が、ある。この中では、 ……所謂料亭と名のつく様な場所では、高級料亭である程、それに正比例して、中身は益々少く、容器は増々大きくなる様である。…… という観察を、面白いと思った。

近ごろ――と言って、これは一体、何時ごろから売っていたものなのだろう――カレーパンだの、コロッケパンというものがある。少くとも、これは僕らの若き日には、見たことがない。見た目からして、駄パンである。(駄菓子の駄の字なり)

トーストに味噌汁ってのは、合わないようでいて、まことに、よく合う。それも、豚肉や牛肉を入れたりして、味噌のポタージュと言ったものにしないで、純日本式の、いつものがいい。身は、豆腐、大根、葱、里いも――何でもいい。 あんまり同好の士は、ないようであるが、一度試みていただきたい。 トーストのバターの味と、味噌の味が混り合って、何とも言えなく清々しい、日本の朝の感じを出して呉れるから。

戦前の、富士屋ホテルは、パンの種類が揃っていて、ボーイの運ぶ銀盆を眺めて、「さて、どのパンにしようか」と迷う時の幸福を忘れない。

ボーイが、持って来る銀盆に、五六種のパンが載っているのを見るとウワーと声を出したくなるほど嬉しい

レストオランで、パンのうまいのは、割に少い。

そういう受け入れ態勢を、自分で用意することは、料理人に対する礼であろう。料理人も亦、芸術家なのだから、芸術家に対するエチケットを心得るべきである。

「腹の減った時に不味いものはない」とは永遠の真理である。 Hunger is the best Sauce.

偏食はよくないと思うが、食慾が起らないものを無理に食べさす必要はないのではないかと思っている。食物を外にすてる方が不経済か、胃腑の中にすてる方が不経済か、僕にはわからない。…… と言って居られるのは、大変面白い言い方だと思った。全く、嫌いな物を食べることは、胃腑の中へ捨てるようなものだろう。






「料理人も亦、芸術家」という言葉がすごく印象的でした。
だから、お店で運ばれてきた料理は絵画を見るのと同じように、目で見て心で感じて、そして舌で味わうことをしなければいけないんだな、と。単純にバクバク食べてきた自分を大反省なのでした。

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Hiro

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