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茸の香 (薄田 泣菫)

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香気にしてからが然うで、石花菜を食べるのは、海の匂を味はひ、香魚を食べるのは淡水の匂を味はふので、今恁うして茸を食べるのは、軈てまた山の匂を味はふのである。山も此頃のは、下湿りのした冷たい土の香である。

茸を噛むと秋の香が齦に沁むやうな気持がする。味覚の発達した今の人の物を喰べるのは、其の持前の味以外に色を食べ香気を食べまた趣致を食べるので、早い談話が蔓茘枝を嗜くといふ人はあくどい其色をも食べるので。海鼠を好むといふ人は、俗離れのした其の趣をも食べるのである。

吸物の蓋を取ると走りの松蕈で、芳ばしい匂がぷんと鼻に応へる。給持の役僧は『如何だ』といつた風に眼で笑つて、





日本の祖父母の住む山の匂いを思い出せる一冊でした。
雨で濡れた山のしんなりとした空気の安心感。
すごく懐かしいと思いました。


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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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