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うどんのお化け (古川 緑波)

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戦時、代用食として、焼うどんなどというものを、食わされた。然し、焼うどんてものを、僕が、生れて初めて食ったのは、関西で、それは戦争はるか以前のことだった。うどんと言っても、たしかヒモカワだった。挽肉を掛けて、炒麺のように、軽く炒めたものである。

うどんと言えば、関西の鍋やきうどんを思い出す。薄く切った牛肉が入っているのが、馬鹿に嬉しい。東京の鍋やきとは、全く趣きを異にしている。

「何んなんだい?」「ええ、ネタを全部ブチ込んじゃうんです。おかめも、きつねも、たぬきも――」「ハハア、それが、お化けか」 何と、お化けとは! 然し僕は、可笑しくなっちまった。うどん食いにも、通はあるもんだな、と。 で、そのお化けを、次の日早速試みたが、こいつは、正に、お化けで、味もヘンテコなものであった。

更に、驚いたのは、出前持ち氏の次の言葉である。「随分いろんなこと註文する方がありましてねえ。ええ、お化けっての知ってますか?」 僕は、たちまち面白くなっちまって、「お化け? へーエ、うどんに、そんなのがあるのかい?」「あるんです」

さて、うどんの話であるが、撮影所の近くにある、そば屋へ、毎日註文するとなると、さて、何うどんにしようかと、迷う。おかめ、卵とじ、鴨南蛮、鍋焼――と、昔風なのからカレーうどん、きつねうどん(油揚げの入った奴。無論関西から来たもの)或いは、又、たぬきというのもある。これは、何かと思ったら(昔は、あんかけを、たぬきに称していたようだが)揚げカスを、載っけた奴であった。それなら、つい先頃まで、ハイカラうどんと称していた筈である。


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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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