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想い出 (古川 緑波)

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フランス語と来ては、まるで分らない。それが食い気のために一心不乱、何とかして通じさせようと思って、覚えた。 氷は、グラスっていうんだっけ。 ええと、それから、パンは何だっけな? 英語では、ブレッドだが、フランス語では? と、あわてたが、何のことフランス語でも、パンは、パンだった。

本場のフランス料理ってものを、M・M汽船の食堂で覚えたことは、或いは僕にとって、生涯の不幸だったかも知れない。 だって、フェリックス・ルセルをはじめとして、それから僕が、神戸へ行く度に通った船は、クイン・ドウメル、アラミス等々と数多いが、皆それは、戦争のはじまり頃のことなのだ。 やがて、フランスの船へ食べに行くことなど、まかり成らない御時世にもなったし第一もう、M・Mの船なんか、日本へ来なくなってしまったのだもの。 そして、わが国の食糧事情という奴が、もうセッパ詰って来て、洋食の如きも、殆んど姿を消すに至ったのだもの。 うまい御馳走を、ちょいと味わわせて貰った、その後が、めちゃくちゃな食いものの時代になったのだから、たまらない。






著者は戦争前の時期にフランス料理を食べたいがために必死にフランス語を覚えたみたいで、
本当に何か自分のやりたいことを見つけたら本当に一心不乱に取り組めるものなのだろうなぁと思いました。
「一心不乱」っていう熟語が印象に残りました。

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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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