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桜桃 (太宰 治)

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ヤケ酒というのは、自分の思っていることを主張できない、もどっかしさ、いまいましさで飲む酒の事である。
いつでも、自分の思っていることをハッキリ主張できるひとは、ヤケ酒なんか飲まない。(女に酒飲みの少いのは、この理由からである)

妻のほうはとにかく、夫のほうは、たたけばたたくほど、いくらでもホコリの出そうな男なのである。

母も、いったい、無口なほうである。しかし、言うことに、いつも、つめたい自信を持っていた。(この母に限らず、どこの女も、たいていそんなものであるが)

子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。 桜桃が出た。 私の家では、子供たちに、ぜいたくなものを食べさせない。子供たちは、桜桃など、見た事も無いかもしれない。食べさせたら、よろこぶだろう。
父が持って帰ったら、よろこぶだろう。蔓を糸でつないで、首にかけると、桜桃は、珊瑚の首飾りのように見えるだろう。 しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、食べては種を吐き、食べては種を吐き、そうして心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。


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とてもおもしろかったのは、父の心の葛藤とでもいおうか、父として、親としての子への感情を垣間見れたこと。
子どもを一番に考えようとするも、自分をたびたび甘やかして肯定してしまうお父さんって多いのではないだろうか。
上の赤字で太字のラストの一文が、すごく心に引っかかったのでありました。

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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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