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琵琶湖 (横光 利一)

biwako.jpg

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私にもこの湖は見る度に、沼のやうにだんだん生色を無くしていくのを感じる。

琵琶湖の色は年々歳々死んで行くやうに見えるが、あれはたしかに死につつあるに相違ない、

奥の院の夏の土の色の美しさと静けさは、あまり人々の知らないことだと思ふ。あそこの土の色の美しさには、むかしの都の色が残つてゐる。すべて一度前に、極度に繁栄した土地には、どことなく人の足で踏み馴らされた脂肪のやうな、なごやかな色が漂つてゐるものだが、私の見た土では、神奈川の金沢とか、鎌倉とかには、衰へ切つてしまつてゐるとはいへ、幕府のあつた殷盛な表情が、石垣や樹の切株や、道路の平担な自然さに今も明瞭に現はれてゐる。

坂本で感心をするなら大津の疏水から三井寺へ行くべきであると私は云つたのだが、

一夏を都会で過ごすと、その一年を物足らなく誰も思ふらしいが、私はさうではない。夏の美しさや楽しさは、昼よりも夜であるから、田舎にゐては、夜が来ると早くから寝なければならぬので、夏の過ぎることばかりが待ち遠しい。

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新しいモノの見方。
土の美しさ、って今まで気にしたことなかったからとてもおもしろかったし、
夏の楽しさは夜だと断定しているのも、おもしろいと思った。たしかにそうかも。


これからは出合う土もちゃんと見てみよう。


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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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