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交尾 (梶井 基次郎)

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・それから彼らは交尾した。爽やかな清流のなかで。
 ――しかし少なくとも彼らの痴情の美しさは水を渡るときの可憐さに如かなかった。
 世にも美しいものを見た気持で、しばらく私は瀬を揺がす河鹿の声のなかに没していた。

・科学の教えるところによると、この地球にはじめて声を持つ生物が産まれたのは石炭紀の両棲類だということである。
 だからこれがこの地球に響いた最初の生の合唱だと思うといくらか壮烈な気がしないでもない。
 実際それは聞く者の心を震わせ、胸をわくわくさせ、ついには涙を催させるような種類の音楽である。

・その伝播は微妙で、絶えず湧き起り絶えず揺れ動く一つのまぼろしを見るようである。

・この互いに絡み合っている二匹の白猫は私をして肆な男女の痴態を幻想させる。
 それから涯しのない快楽を私は抽き出すことが出来る






著者の感覚の鋭い部分がよく出ている短編だと思います。
(あまり梶井さんのことを知らないのだけど)

河鹿(かじか)の鳴く声からこんなに鮮やかに思想を膨らませることができるのは、ただただ見事なのでした。


ちなみにどんな声なんだろうと調べると、本当に美しい声でびっくりしました。
こんなカエルもいるんですねぇ。趣があります。


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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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