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エイズと闘った少年の記録 : ライアン・ホワイト

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生まれてすぐに血友病を患い、それによってエイズに幼くして感染して生きた
ライアン・ホワイトさんの闘い。
ライアンさん自身とアン・マリー・カニンガムさん著。訳は加藤耕一氏。




・裁判で「学校側が悪い」という判決がくだって、やっとぼくが学校に戻ってからも、
 ずいぶんたくさんの人が、ぼくにいなくなってもらいたがっていた。

・ぼくの大好きな先生が、テレビでぼくに学校にいてほしくないっていったんだ

・先生たちはぼくにやっかい者のレッテルをはりました。ぼくの母は、
 母親の資格がないといわれました。

・ぼくらがレストランにいくと、みんな立ち上がって、ぼくのそばから離れていき
 ました。教会にいっても、だれもぼくと握手をしようとはしませんでした。

・生まれてすぐに医者はぼくが重い血友病だと診断した。皮膚がちょっと傷つくと、
 血が止まらない。血友病は遺伝する病気で、だいたい1万人に一人、それもふつうは
 男の子だけにしかあらわれないそう。

・血友病の赤ん坊の面倒をみるくらい大変なことはない。
 転んでひざやひじを打って内出血してもダメ。大量の血液が関節にたまってしまう。

・ふつう血液の中には、出血したときに血をかたまらせる成分(因子)がある。この成分
 が足りないのが血友病。ファクターⅧはその血液を固まらせる成分を集めてつくられ
 ている。

・1982年のこと。エイズという新しい病気が発見された。

・1984年の夏は、2年ぐらいまえから、エイズについていろいろ書かれるようになっ
 ていた。ちょうどその年の春、エイズはウイルスの血液感染によってうつることが解
 明された。

・まだ、だれもエイズについてくわしいことは知らなかったし、小児科のエイズなんて
 珍しいケースだった

・「あなたはエイズだったのよ」
 ぼくはママをみつめた。何もかも凍りついてしまったみたいな感じだった。
 「ローラは知ってるの?」
 ぼくははママに聞いた。ローラが看護婦室で、泣くのを必死にこらえながら、インタ
 ーコムで聞いていた

・すこしだけエイズの症状があらわれる人には「ARC(エイズ関連症候群)」と診断され
 る。いろいろな症状があらわれるようになると「AIDS」。
 エイズになると、ふつうの人がかかるような風邪やインフルエンザにはかからない。

・エイズは食欲を減退させる。味覚と嗅覚がおかしくなって、いちばん好きなもので
 さえいやな臭いがしたりする。

・看護婦さんのなかにはぼくの世話を拒否する人もいた

・もしエイズに感染していれば、絶対に3ヶ月以内に陽性反応が出る。

・病気で外に出られないときは、手紙がくるとすごく嬉しいんだ。

・誰一人として、僕の次にはトイレを使おうとしなかった。

・新しい州のガイドラインが作られたにもかかわらず、ウェスタンではすぐつぎの日、
 ぼくを学校に入れないための投票をおこなった。そうしたら、50人もの先生が、
 ぼくが学校に戻るのを拒否するために、夏休みを早めに切り上げて投票にきた。
 ミッチ・ジョンソンとかいうおばさんは、学校側を支持するための署名運動を
 はじめた。「自分の子どもは自分で守らなくてはいけませんわ。」

・アンドレアの学校一日目も、おもしろいものではなかった。
 「おまえの兄貴が、ほんとうはなんでエイズになったか知ってるぞ」なんていった。
 やつらは、友達のヒースのことまで、ホモだなんていったらしい。

・エイズの場合、どんな熱でもまずいことの前兆なんだ。

・ぼくは入院中、世界中の人から5000通くらいの手紙をもらった。
 ほかにもぼくを応援してくれる人たちがいた。ホモ・セクシャルの人たちには
 エイズ患者が多いので、ニューヨークとサンフランシスコで組織を作っていて、
 いつも、テスト中で実用化されていない新しい薬を調べていた。そういう団体が
 ママに電話してきて、いろいろアドバイスしてくれた

・抗議集会に出ている人たちはみんな「健康な学校を!エイズはいらない!」なんて
 いうバカげたプラカードをもっていた。

・ママへの風当たりはすごく強かった。
 べつにだれかが何かいうっていうわけじゃあないんだ。ただママのことをじっと
 みているんだって。コンビニに行くと、店員はママに2メートルくらい離れたところ
 からママの手のひらにおつりを投げ込んだ

・よくラジオに出ているジェリー・ファーウェルという牧師は
 「エイズはホモという罪に対する罰である」なんていった。

・おじいちゃんの調べたところによると、アメリカの血友病患者のおよそ70%は、
 ファクターからエイズに感染しているんだって。

・「ぼくたちゲイのコミュニティーはばらばらにされてしまった。この病気のせいで
  ね。」

・でも、学校にいっても、家にいるのと同じくらいぼくはひとりぼっちだった。

・ヴォーガンさんは、ぼくらがエイズの子どもたちにいい前例をつくったといっていた。
 ぼくらはこれから、エイズの子どもたちに、「きみたちはふつうの生活をおくれるん
 だよ」っていうことができるんだ

・だれかがぼくのロッカーを壊して、ノートのそこらじゅうに「おかま」とか「ホモ」
 とか書いてあった。

・1987年、ぼくは16歳になった。

・「一生セックスできないっていうのはどんな気持ち?」
 ぼくがいちばん嫌いな質問だった。

・1989年の秋、ぼくはヘルニア(脱腸)になってしまった。
 10月には、二日つづけて学校に行くことすらできないほど疲れ切ってしまった。

・退院しても、ぼくは体調がおかしくて、シャワーを浴びて服を着るだけで服を着る
 だけで疲れきってしまうような感じだった

・89年12月になって18歳になったころには、ぼくはかなり悲惨なかっこうになって
 いた。耳が聞こえたり聞こえなくなったりした。鼻血も出たんで毎日ファクターを
 使わなくちゃならなかった。

・1990年になると、ぼくはシャンプーするだけで疲れきってしまって息が切れるよう
 になった。体をふいたり服を着たりするエネルギーをたくわえるために、しばらく
 タイルによりかかって休まなくちゃいけないほどだった。
 のどはものすごく痛くて、空気が冷たいとほとんど息もできないほどだった。

・「死ぬことばっかり考えてしまうんだ」
 「車の本を読んでいるときだけ、忘れられるんだよ。寝るときも、もう2度と
  起きられないんじゃないか、なんて考えて、こわくなってしまって眠れない。」

・ライアンの容態悪化のニュースが広まるにつれ、国中、世界中から、何千通もの
 手紙や電報、プレゼントなどが病院にはあふれた。

・ライアンは1990年4月8日、午前7時11分、息をひきとった。
 ジニーは最後にライアンにキスをして、ライアンの守りの天使のライトを消した。
 アンドレアは長い間、彼を抱きしめていた。ライアンをひとりぼっちにさせたくなか
 ったのだ。

・葬儀でプロバスコ牧師は、ライアンの言葉を引用して、「エイズ患者を救い、
 エイズを「汚いものを表す言葉ではなく、ただの病気」にするために、すべての
 みなさんに努力しつづけていただきたい」と話をむすんだ。


ーHIVについてー
・「免疫」のために主に働いているのは、血液のなかにあるリンパ球です。たとえ
 微生物が病気を引き起こしても、ほとんどの場合は白血球やリンパ球がその微生物を
 退治してしまいます。さらに、リンパ球はそのことを覚えていて、つぎに同じ微生物
 が侵入してきてもすばやく働くために、今度は病気にさえならない。
 しかし、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)という名前のエイズのウイルスは、リンパ球を
 攻撃します。
 HIVが体に侵入してもすぐにエイズになりません。平均すると8年以上かかります。
 HIVは感染している人の血液と精液から出てきます。
 セックスすると、精液と粘膜とが直接接触する。
 また、感染しているお母さんから胎盤をとおして胎児にうつったり、母乳から
 赤ちゃんにうつったりします。
 HIVはたいそう弱いウイルスのため、くしゃみや、せきからうつることはない。
 直接にしろ間接にしろ、エイズに無関係の人はいない。




読んでいて、時代を呪いたくなった。
無知からくる、エイズ患者に対する一方的な差別。
怖いものには蓋をする人間の本能。







エイズ。


とっても弱いウイルスのはずなのに、未だに世界中のたくさんの人を苦しめ続けている。



ぼくが生まれたのは1987年。ライアンさんが16歳のころ。
それがなんだか悔しく思えたのは、ゲイとしての自分がエイズの歴史に最初から関わっていられなかったからだと思う。
87年に生まれ、今までのんのんとエイズとは無関係だと思って暮らしてきたから、
なお更なんだか申し訳なくなった。こんなにも強く生きた人のことを知らずに生きていたのだから。


解説にあった
”直接にしろ間接にしろ、エイズに無関係の人はいない。”
という言葉が一番身に染みた。

全くそのとおりだと思う。
そのとおりなのに、未だに予防法やエイズに感染している人たちとの接し方について知識が浸透していないのは、
なんでなんだろうか。
それは「自分は関係がない。」と多くの人が思っているからに違いないと思う。
それじゃ浸透するはずもない。





自分でも何か小さいことでもいいから、できればいいなと思う。やらなくちゃ。





こういう本を読むと、金子みすずさんの
「みんなちがってみんないい。」の意味を再確認する。

この言葉は多分もっともっとぼくが思っている以上に深くて、
一番底まで理解するにはもう少し時間がかかると思っている。


世界中の人が同性愛者を差別する日がなくなればいいのになぁ。


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Hiro

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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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