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私を抱いてそしてキスして-エイズ患者と過ごした1年の壮絶記録- : 家田荘子

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著者とエイズ患者(主に二人、ジミーとジーナ)との記録



・エイズウイルスが引き起こすAIDSという病気は、正しくはAcquired Immune
Deficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)という。
 体内に入ると体内の免疫機構が破壊され、感染後7年以内に、ARCという、
 いわゆるエイズ初期症状が顕れる確立が50%以上、その中からエイズ患者になる
 確立が50%以上と言われている。感染後10年で見ると、さらにその数値は上がる。
 平均するとエイズ発病後は、余命3年前後といわれている。
体内にエイズウイルスが侵入すると、2-8週間で抗体変化がはじまる。
以下のいくつかの症状が現れる可能性が高い。
  ・38度以上の高熱 ・多発汗 ・リンパ節腫脹 ・激しい下痢
これらの症状は平均10日で回復してしまうため、ほとんどの感染者が気付かないまま、
普段と変わらない生活を続けてしまう。多くの感染者は、ただの無症候性キャリアとして、一生を送る。が、中には早くて6ヶ月、遅くて10年で、ARC(エイズ関連症候群)を呈するものが現れてくる。よく現れる症状は以下のものがある。
 ・持続性全身性リンパ節腫脹 ・38度以上の発熱 ・2ヶ月に5kg以上の減重
 ・原因不明の下痢 ・シーツがグッショリ濡れるほどの発汗
 ・倦怠感の持続 ・発疹 ・苦しい咳 ・呼吸が短くなる ・口の中や喉に白いカビ

・延命効果のある薬として、もっともポピュラーなAZT(アジトチミジン)


・ちょうどエイズ花盛りのころだった。在日米軍人がエイズ陽性の場合、1週間以内に
 米軍に強制送還されていたのだが、そういう事実を報道せずに、芸能人やマスコミ
 関係者が、一部のテレビや雑誌などを通じて根拠のない報道をしていた。

・1987年のことだった。神戸でエイズと診断された女性が死亡し、日本で初めての
 エイズパニックが起こった。

・「エイズ感染者や患者を隔離したり、嫌悪してはいけないって、頭では解っている
  のに、やっぱり同じ便座に座ることとか、食事を分け合うこととかが、怖い」

・P・W・A(people who has AIDS)エイズ感染者と患者の総称

・「自分はゲイだ。そしてエイズだ。生きること、そのためには、病気とまっこうから
  戦えるような状況が必要だと気がついた。それは政府の援助であり、周りの理解
  だった。」

・1990年7月、米国C・D・C(コントロール・ディジーズ・センター)の統計によると、
 これまでに米国内で、エイズと診断された患者の総数は、143,286名(内87,644名
 死亡)。1年間で4960名も患者が増加し、そして、ほぼ同じ一年間に、2万人近く
 のエイズ患者が死亡している。

・「ベイビー、実は俺、エイズなんだけど」

・「正直に言うわ、私は、エイズに感染しているの。サヨナラを今、言うか
  言わないかは、あなた次第よ」

・ラバー(ゲイは、恋人のことをそう呼ぶ)

・うつりにくいというのが、エイズの大きな特徴である。

・「That's what friend are for」エイズ救援歌。

・エイズが怖くない人なんていやしない。

・忘れてはならないのは、エイズのハイリスクに、もしゲイが入っていなかったら、
 米国内のエイズ救護団体は、これほどまでに短期間で、めざましい成長をしなかった
 だろうということ。ゲイたちが、ゲイであること、P・W・Aであることを隠さずに
 エイズに立ち向かったおかげで、私たちも守られているのである。

・エイズは血液から感染する。
 くしゃみ、唾、涙、咳からは感染しない。軽いキスで感染しない。
 蚊で感染しない。

・もし家族の中で感染者が出た場合、感染から万全に家族を守るためには、どうすれば
 よいか?
 患者は浴槽に浸からず、シャワーを使用する
 タオル、かみそり、歯ブラシを共有しない
 バス、トイレを清潔に保つ
 傷ついたら、必ずバンドエイドなどで保護する
 エイズ患者のために、家族内で風邪を引いたものが出たら、遠ざける。
 ただの風邪でも、抵抗力の弱っている患者にとっては致命傷になりかねない

・痛いんだよ、ものすごく。足の奥の奥が火箸で焼かれたみたいにさ。
 その上、この全身の痒いこと。膿を持ったブツブツが、疼くみたいに痒くって
 たまんないよ。仕方ないから掻いて掻いて、血の出るまで掻いて傷つけて、
 その痛みで痒みを忘れられるまで掻き続けるしか方法がないんだよね。

・私、ろくでなしだった。もう頭ン中、血液を提供してくれたあのゲイへの恨みで
 いっぱいだったの。入院したての頃ね、ゲイの医者が回診に来たの。私ったら、
 思い出したらもう頭に血が上っちゃって、
 「あんたらが、この病気、うつしまくったんじゃないのよ!」

・ジーナ。私ってさ。エイズって判って以来、まったく存在していないモノとして
 扱われるの、この意味判る?

・エイズで何が辛いか?いつも一人で居なくちゃいけないってことよ。

・私が家族を訪れるとね。皆、異様にニコニコしてるの。
 ソファに座るでしょ。なぜか私の周りだけふたり分以上空いてんのよ。

・米国女性にとってマニキュアは、必須エチケットだ。顔と同様、手入れを怠る訳には
 いかない。おしゃれしていない爪をしているということは、下着で街を歩いてる
 ようなものだ。

・「エイズにかかっていたって、まだ人間だよ。一人ぼっちは、嫌さ。」

・エイズウイルスによって微菌に対する抵抗力が弱まっているため、私たちにとっては
 何でもないニキビまでが、すぐに化膿して大きく腫れ上がる

・民間の医療保険会社からエイズという理由で一方的に契約をキャンセルされ、医療費
 全額を自分で払わなくてはいけなくなり、エイズ貧乏になってしまったのだ。

・発病後の平均生存期間2年

・もし僕がエイズ患者だったら、ほかのたくさんのエイズ患者みたいに、一人ぼっち
 になりたくない。そばに誰か居て欲しいと思う。

・このしみ一つないきれいな肌の奥にHIVが流れているなんて信じられない

・この私の手のひらを伝わる体温のもとーー血液が、ジーナを毎日のように泣かせる。
 エイズを知らなかった時代に、出血多量から救うために輸血を受けた。8年経って
 これが命を奪おうとしている。こんな悲惨なことってあるだろうか。

・鱗のように吹き出物で埋まった、ジーナのか細く長い足

・ジーナの知り合いのエイズ患者が抜歯したとき、歯医者が強い薬を与えなかったため、
 菌が侵入し、死亡したのはまだ記憶に新しい出来事だった。

・One day at a time つまり今日しかない。過去も明日もない。

・エイズの奴。何でもかんでも邪魔ばっかり。神様が平等に与えてくれた、
 人を愛するってことまでも。

・ステラはジョディの首を絞めて殺した

・誕生したばかりのときは、たとえばまだただのエイズ感染児だったとしても、
 発病するのに5年以上かかる大人と比べて、乳児は6ヶ月以内と短いのが普通。

・ねぇ。どうして私でなきゃいけないのさ。こんなに沢山の人が、こーんなに
 いろんな人間がいるっていうのに。なんで私なのさ。なんで私だけがエイズに
 かからなきゃいけないのよ。

・私が入院して危篤になったとき、ココ、ドクターに何て言われたと思う?
 「君はどういうふうに死にたいかね。」って言われたんだ。

・だけど私、まだ生きてるよ。私、だけど、もっと生きたい。

・HIV自体が脳を冒して頭がおかしくなるんじゃない。HIV陽性という要因が、
 精神を直撃して、頭をおかしくするんだ。

・1ヶ月の薬代にも満たない国からの金では、少しも助けになっていないのである。

・ヤジ馬たちは、少しずつ、少しずつ後ろずさりしながら、それでも怖いもの、
 汚いもの、珍しいもの見たさのまなざしを、投げかけてくる。

・ボランティアワークをやって、見返りを期待するくらいなら、最初っから、
 何もしないほうがマシだ!

・「ココ、人を愛するって、私は、大きく分けて3つあると思うの。まず愛とは、
  その人の身に起こっていることもすべて含めて受け入れること・・・。
  つまり、たまたまその愛する人が、エイズだったとしたら、エイズであることま
  で受け入れて愛することね。
  二つ目は理解すること。純粋にその病気の人を愛しているならば、なぜ病気なの
  か、どれほどの病気なのか、理解しようと努めるでしょ?それでその人の痛みも
  心も、より解ってあげられる。これも愛。
  最後はやっぱり信じることね。もし、愛する人が死ぬことを本望と考えているなら
  、その人のために逝かせてあげるのも愛。でも、もし私みたいに生きたいと
  希望したら、それを支えてあげるという信念。これが愛じゃないかしら」

・ココ、ジミーは君のこと、とってもとっても愛していたんだよ。ありがとう。
 もう一度、ありがとう。






初版が1990年。もう20年以上前になる。
時代はいつでも移り変わってる。
でも、エイズに関して何かが変わったとは、まだ言えないんじゃないかと思う。

僕自身、エイズについて正直なところはっきりと症状を知らなかった。
25歳で、ゲイで、それである。
身近な存在にゲイの人がいると気付かないのと同じように、
身近にエイズ患者の存在がいない僕にとっては、エイズというのはまだどこか別の国の病気みたいな
イメージがあった。



でも、まったく違った。





エイズっていう病気がどれだけ悲惨なものなのか、この本はうそ偽りなく物語っている。

体中の痒み、自ら皮膚を傷つけ、吹出物だらけになる辛さ、貫くような痛み、
そして、もっとも大きなもの。人間関係。


本によると、僕が生まれた頃、1987年のときには、エイズと聞くと人々は恐怖を感じ、
患者を避け、傷つけた。ヒトとして扱わず、もはやモノだったのだということがよく解る。
残酷なまでにヒトじゃなかった。


無知が、人を殺す。
そう思わざるを得なかった。


病気だろうが病気でなかろうが、エイズだろうが、エイズでなかろうが、人は、人。
そんなことを強く思わされた。





また、生んだ子ども(ジュディ)がエイズと発覚し、その母親(ステラ)もHIVに怯える人生を
送る話がとても印象に残った。

最終的に彼女は、度重なる医療費や精神的ストレスから、ジュディの首を絞めて殺し、
スーパーのレジ袋に入れて放置するのだけど、これがとても辛い。

愛する子どもを幸せにできない不幸せ。
想像を絶するものだった。


でも、今もなおそんな母親と子どもが多いのは、知っている。







また、モノの見方が変わったように思う。

もちろん20年前と今は違う。
でも、エイズについて知らない人は、あまりに多すぎると思う。

何かできることをしないと。
地球を変えないといけないと思う。自分の力で。







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読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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