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こうすれば必ず人は動く : デール・カーネギー

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幻の書。


・間違いを犯したら、速やかに、十分にそれを認めること。それが一番賢明

・どんなに人が間違っていると思えても、人を悪しざまに非難してはならない。

・シュワッブは人を非難することに何の価値も認めませんでした。

・人を誉める名人

・その人自身の過ちに気付かせなければならないならば、その人の感情を傷つけない
 ように、上手に、思いやりをもって行うこと。
 その人の面目が保たれるようにすること。

・赤ん坊というのは、大きな音と空中を落ちていく感覚という2種類の恐怖心しか
 持っていない

・できるでしょうかって?誰がそれを妨げていますか?自分だけでしょう。

・自分を内気で引っ込み思案な人間だと思うことをやめること。
 失敗などありえないというふうに振舞うこと。
 一番大事なのは、あなた自身が自分をどう思っているかということ。
 勇気があるように振舞えば、次第に勇気が自分のものになっていく

他人もあなたと同様に自分のことしか考えていません。

・自分が相手のことを怖いと思ったらそのとおりのことを相手に言うことは効果的。
 (その人が本当に大切な存在なので)お会いするだけで膝がガクガクする)と言えば、
 相手は誉め言葉と受け取る

・人間性のもっとも深いところにある動機は、認められたいという強い願望。
 相手のことについて話をすれば、その人は何時間でも話を聞いてくれる

・お世辞は利己的で不誠実なもの。うまくいくわけがない。
 自分のことを忘れて無私の気持ちで相手に対する興味・関心を抱けば、友人を作ろう
 などと考えなくても、友人ができるということ
 その結果、おそらく収入も増えるでしょう。なぜなら、ビジネスというものは
 最終的に自分の気に入った相手と行うものだから。

面接の直後、その面接担当マネージャーに面接の時間をとってもらったことに対して、
 礼状を出すのは良い。ほとんどの人はこういうことはしない。


・仕事ができると思っています、なんていう人を雇うような工場長はいませんよ。

・友人をつくるためのあなたにとっての最初のルールは、自分のことを考えるのを
 やめて、相手のことを考えるようにするということ

・自分の問題ばかり考えてお客様の問題を考えようとしないセールスパーソンが多い

お客様への手紙に書くこと
 ご利用いただいて本当にありがとうございます。
 サービスさせていただけて、うれしく存じます。
 また、おいでいただけることを楽しみにお待ちしております。

・ビジネスや職業の種類にかかわりなく、成功に占める高度な知識がカバーする割合は
 およそ15%であり、85%は人柄と人を扱う脳力次第

・私たちは、自分が正しいとわかっているとき、相手が間違っていることを示したい
 という衝動に駆られる。相手が間違っているとは、決して言わないこと

・人前で誉める

・誰かに苦情を言いたいときは、まず相手に何か誉めるところがないか考える

・もし心からお礼と感謝を表す習慣を身につけられれば、皆さん、もっと幸せになって、
 もっと友人も増え、そして多くの人々が収入を増やすこともできるようになる

・ビジネスで成功するいちばんの方法は、人からいくら取ることができるかということ
 をいつも考えるのではなく、人にどれだけのことをしてあげられるかを考えること

・世の中に何かを与えよう、そのためにはどうしたらいいのかを見つけ出そうと
 試みてください。自分の中に何か他の人が求めるものがないか、それを発見して、
 その他の人の求めるものに誰よりもよくこたえていこうとしてみてください。
 それが成功の秘訣であり、すべて。


・人間性のもっとも深い部分にある衝動、それは自分が重要な人物であるという認識を
 得たいという欲求。例外なく、誰でも。


・プレッシャーがあるほうが、より大きな成果があがり、さらに疲労感も少ない

・いつでも、相手の利益はなんだろうかと考えて話をする

・自分のもっとも恐れていることを実行すること。
 恐怖心を打ち負かさないと、恐怖心があなたを打ち負かす


・人の名前は魔法。覚えるルールは
 1.名前を覚えたいと心のそこから願う
 2.その人と名前に、明瞭で生き生きとした印象を作り上げる
 3.連想
 4.反復。(クラウディアさん!クラウディアさん!クラウディアさん!)

・いったん自己愛に陥ったならば、大抵の場合、一生涯続くロマンスが始まる

・「人に好かれたいと思うならば、自分がいかに頭がいいかを吹聴したり、
 過去の栄光を喧伝してまわってはならない」

 
・自分をさげすむ者は、人もまた彼をさげすむ






流行らないガソリンスタンドの店主がお客様に感謝だけを綴った手紙を送ったところ、大繁盛するようになったストーリーが
一番印象に残っている。
感謝がいかに人の心を動かすかが明確にわかる本だと思う。

基本的にカーネギーの「人を動かす」とかなり似通っているが、こちらのほうが実用的だと思う。

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「色彩と心理」おもしろ事典―“色”が人を動かす! : 松岡武

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色が与える印象・効果から上手な色選び・色あわせまで



・一般的に色の持つ温かさは、色相では、赤、橙、黄、緑、紫、黒、青という順

・色の重さは順に、黒、青、赤、紫、橙、緑、黄、白
 白よりも黒のほうが2倍重く感じられる

・色の重さは色相より明度のほうが重要

・茶室は明度の異なる茶で統一されている。
 天井が一番明るく、下になるほど暗い色になる。

・赤はものを実際より大きく見せる膨張色(目の前にぐっと迫って来る効果もある「進出色」)。
 暖色系、高明度は膨張色。
 寒色と暗い色は収縮色(後ろに引き下がる色「後退色」)。

・狭い部屋を広く快適な空間にするには、進出色を使わない、壁やカーテンの色も
 後退色で統一すること、そして上に軽く、したに重い色を使うこと

・灰色の背景の中で、黄色は大変目立つ。
 黒に配する白や黄、灰色に配する黄、黄緑は目立つ。
 バックが白だと逆に明視度は最低になる。黒と白、黒と黄色の組み合わせが一番目立つ。

・赤は明視度が高いから、危険箇所は赤で塗られることが多い。

・昼間は目立った赤が、夕暮れ時になると見えにくくかすんだ色になり、
 反対に青や青緑が明るく浮き出て見えてくることをプルキニエ現象という
 だから雨の夕暮れなどには、子どもにライトブルーのレインコートを着せると安全

・白内障は、もとの色と黄色を混ぜたものが網膜に映し出される。
 そのため普通の人に比べ外界が暗く見えるだけでなく、青色などはくすんで
 黒っぽくなってしまうし、黄色は、水晶体の黄色と相殺され白っぽく映る

老人たちの出歩きやすい環境を作るには、白内障の老人には、青は黒っぽく、
 黄色は白っぽく見えてしまうことを知っておく


・暖色系の部屋だとそこにいる時間が実際より長く感じられ、寒色系の部屋だと
 短く感じられる。デートの待ち合わせ場所は、寒色系の喫茶店などが良いかも


・1分間でも余計にいたいと思う休憩室や娯楽室はぜひ暖色系の部屋であってほしい。
 逆に電車やバスは、暖色系を避けるべき


・自律神経のうちの副交感神経を刺激し、胃腸の働きを活発にして食欲を増進させる赤。
 青は、自律神経のうちの交感神経を刺激する。交感神経は、体を非常事態に対応して、
 戦闘態勢にするもの。これが活発になるのは危急存亡の場合。こんなときにのんびり
 うまいものを食べるわけにはいかないので、青はレストランにとって避けるべき色。
 赤は食欲もりもりの状態にし、気持ちをゆったりさせ、性欲も盛んにする。しかし
 「青」は飲食などの平和的願望を抑えてしまう。

・やわらかい色は、従業員のモラルを高めるとともに、疲労軽減にも効果がある。
 ベージュは人の心をなごやかにしてくれるだけでなく、筋肉の緊張度をやわらげる
 もっとも良い色。


・赤には手足の傷を促進し、緑青には遅延させるはたらきがあると指摘される

・形は知性にはたらきかけ、色は感情にはたらきかけるといわれるが、
 感情までゆり動かす彩色画のほうが、人に強烈な印象を与える。

・「リゲイン」というドリンク剤が爆発的に売れたのは、箱の黄色と黒の
 組み合わせが生んだ「たくましさ」のイメージ

・えび茶色は、強固な仲間意識を持たせる不思議な力がある。プルシアンブルーも同じ。

・赤系統や黄色の服を着たくなるのは「陽気、自己主張、攻撃、気まぐれ」な気分
 青、グリーン系統の服を着たくなるのは「安定、勤勉、平和、充実」
 茶系統は「古風、慎重」な気分のとき


・室内の色彩設計は、心の健康を左右する大事な条件になる。
 室内の色彩設計と並んで大事なのは照明設計であり、同じ明るさでも
 青っぽい蛍光灯の下にいると、人はさっぱりした気分になり、活動的になる。
 反対に黄色っぽい白熱灯のもとでは、暖かく落ち着いた気分になり、心もリラックス
 してくる。

・会議室の色が寒色系だと、長い会議も短く感じられる。しかし会議は短ければよいと
 いうものでもないので、理想的なのは、会議室の色が明るく暖かみのあるピンクや
 クリーム、ベージュの色で、照明も暖かみのある白熱灯であること。これで参加者の
 気後れもなくなり、発言意欲も高まる。時間が長く感じられるという欠点を補って
 あまりまる成果を期待できる

・決まりきったことをただ伝達する会議は寒色系。
 重大な事柄を慎重にかつ徹底的に審議する会議は暖色系の会議室を使う。


・寒々とした作業場は暖色系の色で、暑苦しい部屋は寒色系の色で体感温度を快適に

・人を突き放すような感じを与える白衣。
 親しみや希望を持たせるあわいピンクやクリームなどがふさわしい


・手術室は執刀するドクターの眼の疲労防止を考えて周囲を青緑にしている

・中国では死者を送る場合は白。白は悲哀、むなしさ、不吉を意味する色。
 韓国では逆に白は高貴、栄光の色。
 西欧では、赤、とりわけ濃い赤は黒と同様に悪魔のシンボル。
 黄色は、インド、中国、マレーシアでは、ロイヤル・カラー。
 シンガポールでは、黄色は労働者が着る衣服の色。
 ブラジルでは、黄色は絶望の色。
 白は日本では汚れなき清浄さ

・どこの国でも唯一好かれているのは青

・ピンク、オレンジが若さの象徴であり、灰色は人生のたそがれの色。挫折の色。

日本人の色から受ける印象一覧
1.白
 心理学的には純粋、真実を表す。若い女性に好まれる。
 活動性と力量性が乏しい色(とくにオフホワイト)であるため、哀愁、不安、孤独、
 虚無、あるいは死を表すこともある。
2.灰色
 活動性を失った老人の色。敗北と失意。高校生以上になると顕著に嫌われてくる。
 (衣服の色の場合はそうでもないが)
3.黒
 若い人には、不安や恐怖の色。年齢が高まると、即ち怒りを制圧した色、
 出口のないエネルギーが内にこもる色、沈黙の色でありながら多くを語る色。
 成熟した大人の女性のあやしい魅力を表す色
4.ピンク
 愛らしく清純、未成熟、うぶな乙女心を表す。男性では、感情を興奮させる刺激的な
 色。この色によって誘発される感情内容には大きな個人差があるので、やっかいな色
5.赤
 活動的で力の充満した色。ポジティブ、ネガティブ問わず激しい感情の動きと結びつ
 く。人を有頂天にさせたり、絶望の淵に突き落としたりして感情をかきむしる色。
6.橙
 陽気で活動的な色。人によっては(特に女性)苦悩やいらだちと結びつくこともある。
7.黄
 小・中学生ぐらいまでにとっては陽気、快活な色。力量性の乏しさから涅槃の色、
 法悦の色ともなる。成人女子にとっては不快な色、メランコリックな色。
8.緑
 安心の色、心に平安をもたらす色。高校生以上の男性に特に好かれる色。
9.青
 一般に評価性の高い色、即ち好感度の高い色。活動性が乏しいためメランコリーな色、
 傷心、孤独、虚無の色ともなる。沈思黙考、哲学知性の色ともなる。ブルーマンデー、
 マタニティ・ブルーという言葉からは知性というより不安、哀愁の色ともとれる。
10.紫
 高貴と下品、あでやかさとはしたなさ、神秘と不安、といった相反する性格が共存。

 
・赤ー黄系統の色を好む者はあたたかい開放的な感情の持ち主で、外界に対する
 興味が強く、また外界に対する順応性も基本的に高いといえるかもしれない。
 緑ー青系統を好む人は、冷たい閉鎖的な感情の持ち主で、外界に背を向け、
 自分だけの世界に閉じこもりたがる人かもしれない。

・赤みをおびた光のほうが生理的に食欲をそそる。
 白熱灯のほうが料理の色がうまそうに見える。


・色で食べる和食

・まぐろの赤に対する青緑の笹の葉は、相性が良い。
 病院の手術室の青緑と、赤は補色であるため、患者の患部の組織の色をよく見せる。

・日本の男性の場合、肌や髪の色や質、瞳の色などを見ると、その60から70%は、
 ブルー系をベースにした色が似合う。こうした人が、黄味をおびたネクタイ、
 Yシャツを着れば、顔がくすんで不健康に見える。


・顔の白さや口紅の鮮やかさを目立たせたかったら、着ているものを彩度の低いものに
 したらよい

・茶室のように同じ色相の色を、明度や彩度を上手に変えて使うとエレガントな配色に

・色使いのセンスを高めるために役立つ本
 中田満雄「服装と色彩」
 中田満雄「デザインの色彩」
 石山彰「服飾デザインと色彩」








専門学校生時代に読んだ本を今読み返してもおもしろかった。
あまり詳しくは書かれていないのだけれど、ファッション色彩については参考になります。

もっともっと色と上手に付き合いたいものです。

運命の仕事に出会う本 : 和田裕美

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人生のわくわくステージに立とう。



・会社は舞台なんです。ステージなんです。
 皆さん、どうぞ真ん中に、どうぞ、好きなだけ真ん中に。

・人が立っているステージに行くと脇役になってしまいそうなら、今のステージで真ん
 中に立てるように前向きにやっていくと、次のステージがちゃんと用意されている

・できないから、行けない世界がある。
 けれど、行ってから必要になるという人がいる。
 できるようになったら、世界が広がる。
 必要ないからやらないのでなく、必要ない世界にいるからこそやるべき

・仕事はそのやり方によっては、次に行く方法を教えてくれたり、ステップになって
 自分をもっと高いところへ持っていってくれる。そのきっかけのようなものに
 変化するはず

・運命の出会いを起こすためには、準備して待つのではなく、働きながら待つ

・いいところがないか探して、あったら、言葉にして伝えた

何らかのかたちで成功したいと思っているなら、ちょっとだけお給料を払う人の
 心理になってみて、自分にいくら払う価値があるかなぁ、と考えてみてほしい


・今すぐ自分の視野を大きくすることをやったほうがいい

・人と人の差は才能じゃない。立っている高さの位置の差が、視野の差を生む。

・人間は自己評価バランスをいつも間違ってしまう習性を持っている

・競争しないことが楽で、頑張って負けることから逃げて、最初から試合放棄して、
 棄権しているから、悔しくなくって当然

・途中入社の人でよくある失敗というのが、前の会社のキャリアがそのまんま、
 新しい会社で通用すると思ってしまう

・すごいキャリアがある人が、「転職したら新人なんだから何でもやります」

・意見があるなら結果を出せ。結果を出すことができる人の意見には、耳を傾ける。
 だからこそ、「誰にも文句を言わせない結果」を出せるようになるまで、
 頑張っておくのが大切

「楽すればするほど、しんどくなるわよ」

・楽しく続けるためには山の中腹で降りないこと

・(ホステスをしていた頃)「誰かに寄りかかってお金の心配しなくて生きていきたいな」って、本音で
 本当に思った


・特に他にやりたいことがあるわけでもないのに、特に理由もあるわけでもないのに、
 「なんとなく、飽きたから」という気持ちが、根っこにあるときは、今のところは
 続けたほうがいいなぁと思います。




ぼくも「楽がしたい、楽がしたい」と思う性質で、著者が一度おもったように「誰かに寄りかかれたら楽だろうな。」
なんてくだらないことを思ったことがある。それを認めたくないけど、そう思ったのは確かで、ちょっと情けなくなる。

それでも、本にあるように「楽をすればするほど(人生が)しんどくなる」のも真理だと思うから、頑張らなきゃなと思う。
結局のところ、楽をしても成長は待っていないので、人間的にも魅力のない人になってしまいそうで、それが今はとても怖いと思う。






人間関係がなんだかうまくいかない!ときに読む本 : 斎藤/茂太

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人間関係のhow to。




・まず相手を積極的に肯定するところからはじめる
 一番いいと思うのは、相手の心を軽くする話を提供すること

人の心をつかむには、「待たせません」は、とてもインパクトの強い売り文句である。
 商売繁盛につながる


・人とよりよい関係をつくりたいなら、「人を待たすべからず」

・遅れるときには、一言わびてからどのくらいの時間待たせることになるかを
 具体的に伝えておく

・「叱ると褒める」で、人の心をつかむリーダーシップを発揮できる人はそういない

・挨拶をしないのは、もともと人との関係を求めていない

人との付き合いは刺激になる。刺激を受けることで体も心もイキイキしてくる。
 生きていることが喜ばしいことに思えてくる。その気持ちが自然に肌をツヤツヤさせ
 瞳を輝かせる。
 素敵な人たちに囲まれながら、楽しく生きていく。これに勝る魅力増進法はない。


・平凡な人、というのが、じつはなかなかの人物なのだ。
 常識的な感覚をいつも持って生きられる人は強靭。

・相対的に長く交際する人は孤独に強く、すぐに新しい恋人をつくろうとする人は
 孤独に弱いのではないか。

自分を「見ていてくれる人がいない」というのが、生きていくのに、いちばんつらい
 ことなのかもしれない。


・他人の趣味をけなす人はいただけない。






こちらもよくある本だが、一番印象的だったのは、
「素敵な人たちに囲まれながら、楽しく生きていく。これに勝る魅力増進法はない。」という言葉。

ここ数年、ぼくは人を避けるようにして生きてきたので、グッときた。
そうした生き方にしたのはぼくで、特に後悔はないので別にいいのだけど、
それでも人と触れ合うことの大切さ、あったかさを心が渇望していたのも事実で。

この言葉はよく覚えておきたいなぁと思った。


さおだけ屋はなぜ潰れないのか? : 山田真哉

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身近な疑問からはじめる会計学。



・利益を出すためにはふたつの方法しかなく、ひとつは売り上げを増やすこと、
 もうひとつが費用を減らすこと

・費用の削減はパーセンテージで考えるべきものではなく、絶対額で考えるべきもの

なにも本業だけで儲ける必要はなく、副業など他のところでちゃんと利益をあげる
 ことができれば商売は成り立ちますよということ


・本業と副業はばらばらになってはいけない、お互いをつなげて考えろ

・藤井孝一さんが世に広めた、会社を辞めず週末を使って起業しようという
 「週末起業」も、基本的には連結経営の考え方。そうすれば、儲かれば儲かるほど
 嬉しいし、それはある意味本業や趣味でもあるから、ずっと続けていくことができる


・優秀な起業は必ず「ローリスク・ハイリターン」を狙っている。
 予算の上限を決めた上で資金を投入している。万が一失敗したとしても、
 損害は最小限で済む

・個人の投資も、はじめにちゃんと予算を立てる

・在庫をもつとさまざまな損失が発生する。これらの損失のことを「在庫コスト」と
 呼び、商売するにあたっては少ないほどよいとされている。

・在庫減らしの代表例 「福袋」「店長のオススメ」「新装開店セール」

・潰れる企業は、大量に仕入れたことで失敗している場合が多い

・家庭における在庫の考え方
 -いつか使うかも系はだいたい無駄になる
 -使わないものはさっさと捨てる
 -必要なものを必要なときに必要な分だけ、がいちばんお得

・在庫は少なければ少ないほどよい。在庫コストがかかるから。
 代表例 1賞味期限 2流行遅れ 3破損のおそれ
 4紛失・盗難のおそれ 5人件費 6場所代 7機会損失

商売の基本は、チャンスゲイン(売り上げ機会の獲得)

・機会損失を考えながら目標を設定するときは、どうせやるなら実現できそうだと思う
 ラインよりも、少し高めに設定するとよい
 目標を達成すること自体に意味はない


・「売り上げ=単価×数」という式は永久不滅の法則。
 単価を上げられないなら、数(回転率)を増やしていくしかない

・低価格というだけではリピーターは生まれにくい。
 回転率が高くなったとしても、リピーターを作ることができなければいずれ
 回転率は落ちていく。

・どの商売も回転率で稼いでいる

・クレジットカードは、お店側がカード会社に手数料を払うので、
 利用者に利息はかからない





ぼくにとって一番印象に残ったのは、副業のおはなし。
本業と関係のある副業をすることで、商売が成り立ちますよ、というお話だったのだけど、
それも面白いなぁ、と。
(本には、レストランが本業でそこで料理教室を開くという副業だった)

自分もそういうことを視野に入れてこれからも働いていたい。
そしていずれは副業もやってみたい。だって楽しそうなのだもの。





ここまで「気がきく人」: 山形琢也

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気がきく人になるための指南。



・いつも期限の決められたものは3日ぐらい前をめどにして、メモについては、
 間違いなくほかの人が読んでもわかるようにということでつくった

・大胆細心で仕事ができる人は、よく気がつく人

・「気がつく」「気がきく」ためには、状況分析を正しく行えるようにならなければ
 ならない。そこで大事なのは、「ありのままを見る」ということ。

・気がきく人に共通しているのは、四方八方に「観察眼」を休ませないで働かせている
 こと。その観察したものの中から何かに気付いてインスピレーションがひらめく。

・「一流」とはすべての面で欠けることなく「気がくばれる」ということ

・「立場を替えて考える。」気がつくために必要不可欠な教訓。

説得力を増大させる方法
 「見せて」「触らせて」「確かめさせて」「納得させる」


・行動科学の理論「クルト・レヴィンの法則」。
 人間の行動は、本人のパーソナリティと本人を取り囲む環境の二つを変数とする
 関数で表され、環境を理想的なものに改善すれば、誰でも50%は行動の変化が
 期待できるというもの。

・どんな人でも挨拶を続けていれば、必ず挨拶を返してくれるようになる。

・率先垂範といっても、リーダー自身が部下と同じレベルの仕事をしていたのでは
 意味がない。リーダーが部下と一緒に仕事をしたり、手伝うときは、
 その作業に対するエネルギーは7割程度にとどめておく必要がある。

・部下が書類を持ってきた場合、よほど緊急の仕事でない限り、それまでやっていた
 仕事を中断して目を通すべき。さらに手にペンを持ち、アンダーラインを引く。
 言葉はいらない。

ある会社の課長は、部下と話をするとき自分もメモを用意して話をする。
 部下が、課長の期待を感じるのは当然だろう。

 また、部下が大事な仕事で外に出ている場合、とくに用がないときは彼らが帰って
 くるまで待つのが上司の気配りだというもの

・どんな人間にもプライドがある

・褒めるときの「さすが。」
 叱るときの「らしくない。」

・「課長」というより、「○○課長」。これで距離が縮まる

名前はその人自身と考えてよい。だから名前をおろそかにするのは、本人を
 おろそかにしているのに等しい






よくある自己啓発本の一種である。

数年前に読んだものなので、内容を忘れていたのだけど今振り返って読んでみて「いいな」と思ったのが、
上司が部下と話しをするときにメモをとること。
通常、部下がメモをとるものだけど、上司にもそういった配慮があったら、すごく素敵だな、と思った。
もちろん嘘でもいいから、そういう姿勢があれば、ということ。


昔の上司に言われた好きな言葉があるのだけれどそれは
「気遣いはやめて、気配りをしなさい」
ということ。
未だにこの言葉はぼくの心の中に大きなカタチで残っている。


いつでも気がきく人間でありたいものだし、そういう努力をしていきたい。







「原因」と「結果」の法則 3 : ジェームズ・アレン

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やさしく、清らかで、幸せな人間は、貴重な経験と知恵の果実であり、
 ただ生きているだけで、周囲の人たちにすばらしい影響を及ぼす


・私たちが真に大切な人生の教訓を学べるのは、やさしく、清らかで、
 幸せな人間になる過程においてである

・他人からどんな敵意を向けられようとも、つねに穏やかな気持ちで親切な行動を
 とれる人間は、それにより、知恵の所持者であること、真理の理解者であることを
 明確に表明していることになる。

・あなたの周囲で発生する、あなたの優しさや心の平和を脅かす物事のすべてが、
 あなたの進歩には不可欠なものであり、それを通じてのみ、あなたは学び、成長し、
 成熟する

・生きるものすべてに善意を向けること
 不親切な思い 貪欲 怒りを死なせること
 そうすれば 人生はそよ風にようになる

・私たちがこの世界に与えることのできるもっとも価値のあるものは、活力に満ちた、
 美しい人格

・真理は決して消え去らない

高次の自我(真理の本体)
 誠意、忍耐、慎み深さ、自己犠牲、道徳心、勇気、理解、知恵、思いやり、愛


・誘惑は、暗闇、あるいは薄明かりの状況。理解は光。

・「無知」にとどまりつづけているかぎり、どんな宗教に入り、どんなに教典を読み、
 どんなに祈りをささげようと、私たちの心には、いつになっても真の平和は訪れない


・あらゆる誘惑の源は「内側の欲望」。外側の物事は、誘惑のたんなる引き金であり、
 原因ではない

・私たちが手にする誘惑の多さは、私たち自身のけがれの深さに比例する。

・十分な知恵と知識を備え、気高さのパワーとともおに穏やかな心を維持している
 人間は、たとえどんなにひどいことをされようと、怒ることもなければ興奮すること
 もない。

・もしいまだに誘惑を手にし続けているとしたら、それは、私たちが真理をまだ十分
 には理解しておらず、学ぶべきことをまだたくさん残しているからにほかなりません。

・目の前の一時的な快楽や物質的な快適さを失うことを恐れている人間は、自分の
 「真の自我」すなわち「内なる真理」を否定している人間である

・厳しい試練に直面したときにはおおいに喜ぶこと

・人間は、自分のあらゆる思い、あらゆる意見、あらゆる行いにつねに注意を払い、
 それを意欲的かつ論理的に分析、吟味することを習慣とすべき


・私は正しいのだろうか、と自分の思いを、謙虚な姿勢で、じっくりと分析・吟味
 しつづける人間は、やがて、真実と偽りをどんなときでも明確に区別できるように
 なる


・真実は吟味されるほど、その輝きを増す

・理性を働かせ、自分の思いにじっくりと思いをめぐらしつづけること

宗教的信念は、人生に影響を及ぼす要素ではありえない。たんに、宇宙、神、
 聖書などに関する、個人または組織の「知的見解」にすぎない


・あなたの生き方は、あなたの心の姿勢そのものであり、あなたの人生の中身は、 あなたがどんな心の姿勢を持っているかで決まっている。心の姿勢はあなたが真理をどれほど理解しているかの目安であり、成功のものさしでもある。

・あなたの思いは「原因」であるとともに、じつに創造的であり、あなたの人格と
 人生のなかに、やがて必ずその「結果」を出現させる

・あなたはいま、何を愛しているのでしょう。あなたの愛は、あなたの、もっとも長続きする、もっとも強い思いです。知識を愛しているのでしょうか。
 もしそうだとしたら、あなたはそれを獲得します。知恵は、清らかさはどうでしょうか。それらもまた、もしあなたが愛しているものであるならば、やがてあなたのものとなるでしょう。


・賢い人間とは、知恵を愛し、賢い思いを選び、それをめぐらしている人間

・あなたがいま手にしている人間関係のすべてが、あなたがこれまでに培ってきた
 心の姿勢の結果です


・とても多くの人たちが、平和、正義、恵み、許しなどを求めて、神に祈り続けて
 います。しかし、彼らの祈りはほとんど叶わない。彼らがそれらのことを自分で
 実践していないから。種を蒔いていないから。


・もし悪いことが発生したとしたら、それは、私たち自身が過ちを犯したから。
 自分を救済できるのは、自分自身のみである。それは、自分が自ら行う、良いものを
 進んで受け入れ、悪いものを意図的に拒絶する作業によってのみ可能になる

・感情の世界のなかにいるとき、私たちはつねに不正義を見ている

・理性には、人間の内側に存在する、気高いもの、清らかなもの、美しいものの
 すべてを表面化させる力がある

・自分自身をコントロールしていない人たちは、真の意味では生きていない人たち。
 彼らは、たんに存在しているだけで、まるで獣のように、欲望や気まぐれな感情に
 従うだけの人生をおくっている

・味覚的喜びに溺れることで肉体を堕落させては決してしない
 自己コントロールを怠ることは、生きたまま死に続けること


・決意は、人間の進歩を促進する強力なパワー
 これなしでは、達成は不可能
 狙いが定まっていない人生は、大海を漂う舵のない小船のようなもの

・真の決意は、長く続けられた真剣な思い、長期にわたった苦闘、あるいは、
 いまだ満たされていない熱い願望の上に築かれるもの

・満足とは、努力を不安から解放すること

・満足すべきこと
 1 自分の人生内で発生すること
 2 自分がいま所有しているもの
 3 自分がめぐらす清らかな思い

・満足すべきでないもの
 1 自分の知識
 2 自分の人格
 3 自分の知恵








このシリーズは、自己啓発の原則だから大好き。

読んでから半年以上経つのだけど、ずっと自分の心に引っかかっているのが、

「あなたはいま、何を愛しているのでしょう。
 あなたの愛は、あなたの、もっとも長続きする、もっとも強い思いです。
 知識を愛しているのでしょうか。 もしそうだとしたら、あなたはそれを獲得します。
 知恵は、清らかさはどうでしょうか。それらもまた、もしあなたが愛しているものであるならば、
 やがてあなたのものとなるでしょう。」

という言葉。


いつか知識も知恵も清らかさも手に入れたいものだと、
ぼくの潜在意識には多分もう刷り込まれているのだと思う。
この言葉から離れられないから。




バカの壁 : 養老孟司

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知らぬ間に自分でつくるバカの壁。



・数学くらい、わかる、わからないがはっきりする学問はない

・複数の解を認める社会が私が考える住みよい社会

・人生でぶつかる問題に、そもそも正解なんてない。とりあえずの答えがあるだけ

・自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。
 ここに壁がある


・本当は何もわかっていないのに「わかっている」と思い込んで言うあたりが、
 怖い

・日本には、何かを「わかっている」のと雑多な知識が沢山ある、というのは別もの
 だということがわからない人が多すぎる

・科学は絶対的なものではない

・EQ(感情指数)

・人間はどうしても、自分の脳をもっと高級なものだと思っている。

個性が大事だといいながら、実際には、よそのヒトの顔色を窺ってばかり、
 というのが今の日本人のやっていることでしょう。
 ひたすら個性を美化するというのはウソじゃないか、と考えることこそ「常識」


・今の若い人を見ていて、つくづく可哀想だなと思うのは、がんじがらめの
 「共通了解」を求められつつも、意味不明の「個性」を求められるという
 矛盾した境遇にある

・本来、意識というのは共通性を徹底的に追求するもの。その共通性を徹底的に
 確保するために、言語の論理と文化、伝統がある。

・「個」というものを表に出した文化は、必ず争いごとがある。
 若い人への教育現場において、おまえの個性を伸ばせなんてバカなことは
 言わないほうがいい。

・個性は脳ではなく身体に宿っている。

・知るということは、自分がガラッと変わること

・意識にとっては、共有化されるものこそが、基本的には大事なものである。
 それに対して個性を保証していくものは、身体であるし、意識に対しての無意識
 といってもいい。今の人は夢にもそう思っていない。まったく逆に、意識の世界
 こそが個性の源だと思っている。

・ある程度の大人になると、入力はもちろんだが、出力も限定される。
 仕事が専門家していくということは、入出力が限定化されていくということ。

・「旅の恥はかきすて」とは、日常の共同体から外れてみたら、いかに普段の制限が
 うるさいものだったかがわかった、ということ。

・寝ている時間というのを、今の人はおそらく人生からはずして考えている
 若者はとにかく起きていようとする。

・脳のシワと頭の良し悪しは関係がない。利口、バカを何で測るかは、結局、
 社会的適応性でしか測れない。


・学問というのは、生きているもの、万物流転するものをいかに情報という
 変わらないものに換えるかという作業。それが本当の学問。

・基盤となるものを持たない人間はいかに弱いか







2003年ぐらいの大ベストセラー。


強めの言い回しが多いので、著者の「今の若い人たち」への愚痴っぽさも強く感じてしまい、
読んでいてときおり不快にもなるのだけれど(まだ自分自身を今の若い人と思っているからだろうか笑)、
正しいことをおっしゃっていると思うのも確かか。



自分自身で知を阻害するものをつくりたくないものだと改めて思った。


人を動かす : D・カーネギー

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人の動かし方。言わずと知れた名本。



・30年前に私は人をしかりつけるのは愚の骨頂だと悟った。自分で思うようには
 ならない。神様が万人に平等な知能を与えたまわなかったことにまで腹を立てたり
 する余裕はない

・われわれは他人からの賞賛を強く望み、それと同じ強さで他人からの非難を恐れる

・人を非難することの無益さ。非難することは天に向かってつばをはくようなもの

・悪意をすてて愛をとれ
 人を非難するかわりに、相手を理解するように努めようではないか

・神様でさえ、人を裁くのは、その人の死後までお待ちになる

・人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。
 すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること

・人間のあらゆる行動は、ふたつの動機から発する。
 性の衝動と、偉くなりたいという願望。
 人間の持つ性質でもっとも強いのは、他人に認められることを渇望する気持ち。

・「わたしには、人の熱意を呼び起こす能力がある。
 これが、わたしにとって何ものにもかえがたい宝だと思う。他人の長所を
 伸ばすには、ほめることと、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られること
 ほど、向上心を害するものはない。わたしは決して人を非難しない。人を働かせる
 には奨励が必要。


・カーネギーは、公私いずれの場合も、ほめたたえた

・わたしにもっとも必要な栄養物は、自己評価を高めてくれることば

・お世辞はまさに「安価な賞賛」

・深い思いやりから出る感謝の言葉をふりまきながら日々をすごす
 これが友をつくり、人を動かす秘訣である

この道は一度しか通らない道。だから、役に立つこと、人のためになることは
 今すぐやろうー先へ延ばしたり忘れたりしないように。


どんな人間でも、何かの点で、わたしよりもすぐれている
 私の学ぶべきものを持っている


・人を動かす最善の方法は、まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせること

・人を動かすには、相手の望むことがらを考えて話すよりほかに方法はない

・成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、
 自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることのできる能力

・客というものは自分で買いたいのであって、売りつけられるのはいやなのだ

・友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せること。
 まず人のために尽くすこと。人のために自分の時間と労力をささげ、思慮のある
 没我的な努力をおこなうこと。
 他人を熱意のある態度でむかえること。

・われわれは、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる

・わたしは、人の悪口をいわないことにしました。
 そのかわりに、ほめることにしています。自分ののぞむことについては何も
 言わずもっぱら他人の立場に身をおいて物事を考えるようにつとめています。
 そうすると、生活に文字通り革命的な変化がおこりました。

・つめたい会社をあたたかくする方法は、人の名前を覚えること。

・たいていの人は、他人の名前をあまりよく覚えていないものだ。
 相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせることだということを知っていた。
 それを知っている人が、世の中に何人いる?

・良い習慣は、わずかな犠牲を積み重ねることによってつくられる

・じっと終わりまで耳を傾ける

・聞き上手という才能は、他の才能よりもはるかに得がたいもののようである。

・相手の関心を見抜き、それを話題にするのは、双方の利益になる。

・自分は重要な存在なのだと思うように仕向けてくれる人がいたら、
 おそらく大勢の人の人生が変わるのではないかと思われる。


人と話をするときには、その人自身のことを話題にせよ。
 そうすれば、相手は何時間でもこちらの話を聞いてくれる

・議論に勝つ最善の方法は議論を避けること

・自己の向上を心がけているものは、けんかなどするひまがないはずだ

・何に腹を立てるか、それで人間の大きさが決まってくる。

そもそも、相手のまちがいを、なんのために指摘するのだ

人にものを教えることはできない。みずから気付く手助けができるだけだ

・客の意見を尊重し、客をたいせつにあつかうことだけが、激しい競争に勝つ
 道だとわたしは思っている。

・相手の意見に敬意をはらい、誤りを指摘しない

・自分が犯した誤りを認める勇気には、ある種の満足感がともなう。
 罪悪感や自己防衛の緊張がほぐれるだけでなく、その誤りから生じた問題の
 解決にも役立つ。

・どんなばかでも過ちの言い逃れぐらいはできる。事実、ばかはたいていこれをやる。
 自己の過失を認めることは、その人間の値打ちを引き上げ、自分でも何か高潔な
 感じがしてうれしくなるものだ。

・よく考えてみると、自分の間違っている場合はおどろくほど多いものだ。
 そういうときには、すみやかに自分の誤りをこころよく認めることにしよう。
 この方法は予期以上の効果があり、よほど愉快になれる。


話上手な人は、まず相手に何度もイエスといわせておく。
 相手の心理は肯定的な方向へ動き始めるから。

 つまり、はじめにイエスと多くいわせるほど、相手をこちらの思うところへ
 引っ張って行くことが容易になる。

議論をすれば損をする。相手の立場で物事を考えることは、議論をするよりも
 かえって興味があり、利益がある

相手の誤りを指摘したくなったら、相手にイエスをたくさん言わせること

・敵をつくりたければ、友に勝つがいい。
 味方をつくりたければ、友に勝たせるがいい。人間はだれでも、友よりすぐれている
 場合には重要感をもち、その逆の場合は、劣等感を持って羨望や嫉妬を起こすから。

・人に自分の意見を押し付けようとするのは、そもそもまちがい。
 暗示を与えて、結論は相手に出させるほうが、よほど利口。

・相手に相談を持ちかけ、できるだけその意見を採り入れて、それが自分の発案だと
 相手に思わせて協力させる

・非難はばかでもできる。賢明な人間は、相手を理解しようとつとめる。

「もし自分が相手だったら、はたしてどう感じ、どう反応するだろうか」と自問自答
 してみる。これをやると、腹を立てて時間を浪費するのが馬鹿馬鹿しくなる。

 原因に興味を持てば、結果にも同情がもてるようになる。

口論や悪感情を消滅させ、相手に善意を持たせて、あなたのいうことを、
 おとなしく聞かせる魔法の文句。
 「あなたがそう思うのは、もっともです。もしわたしがあなただったら、やはり、
 そう思うでしょう。」


・人間は一般に、同情をほしがる。

人間はだれでも理想主義的な傾向を持ち、自分の行為については、美しく
 潤色された理由をつけたがる。


・相手の信用状態が不明なときは、彼を立派な紳士とみなし、そのつもりで
 取引を進めると間違いがないと、わたしは経験で知っている。
 要するに、人間はだれでも正直で、義務をはたしたいと思っている

・仕事には競争心がひつよう。他人よりも優れたいという気持ちを利用すべき

まず相手を褒めておくのは、歯科医がまず局部麻酔するのに似ている

・人を批判する際、まず褒めておいて、つぎに「しかし」ということばを挟んで、
 批判する人が多いが、この「しかし」を「そして」に変えると、成功する。
 遠まわしに注意を与える方法は、神経質な人たちにはおどろくほど効果がある

人に小言をいう場合、謙虚な態度で、自分は決して完全ではなく、失敗も多いがと
 前置きして、それから間違いを注意してやると、相手はそれほど不愉快な思いを
 せずにすむもの。


・彼はいつも自主的に仕事をやらせる機会を与えた。こういうやり方をすると、
 相手は自分の過ちが直しやすくなる。
 exa.「あの車をのけてくれたら、ほかの車の出入りが楽になるんだが、どうだろう

・相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪におちいらせるようなことをいったり、
 したりする権利はわたしにはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかでは
 なくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を
 傷つけることは犯罪なのだ。


・たとえ少しでも相手が進歩を示せば、心から褒めようではないか。
 われわれは、事あるごとに批判の冷たい風を人に吹きつけるが、褒め言葉という
 あたたかい日光を人に注ごうとはなかなかしない。


・どこかいいところを見つけて、それに敬意を表してやると、たいていのものは
 こちらの思い通りになる。期待をかける。

・シェイクスピア「徳はなくても、徳あるごとくふるまえ」

・断り方。
 まず依頼されたことに対して心からの感謝の意をあらわし、残念だがどうしても
 都合がつかないと告げ、そのかわり、別な方法を推薦。相手に失望を感じる余裕を
 与えない。

新しい責任と肩書きを与えると効果が大きい。
 「今日からあなたを当店全部の正札係の主任になってもらうことにしました。
 しっかりたのみますよ。」

・男性は、自分を美しく見せようとする女性の努力を賞賛すべきだ。

・フランスの上流社会では、男性は婦人の服装について一晩に何度も褒める

・妻に対するささやかな心づくしの価値を軽く見すぎている男が多すぎる。






はじめて読んだのが20歳ぐらいのときなのだけど、今読み返しても新鮮な部分が大きかった。
最近自己啓発本を読まなくなったのは、カーネギーさんなどの優れた本があると、他の自己啓発本は
その派生に過ぎないと感じてしまうからだと思う。
原則をきちっと押さえておけば、あとは応用がいくらでもきくから、読む必要がなくなった?そんな感じ。

でも、その原則をきちっと押さえられているかといえば、正直ぜんぜんそうではないので、
もっと頑張らなくちゃ、と思うわけである。頑張れ自分。





乙女の教室 : 美輪 明宏

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さすが美輪さんと思わずにいられない。



・乙女とは、乙な女。

・奥ゆかしいはけして死語になってはならない

・他人様に物を差し上げるときに「つまらないものですが」「お口に合うかわかりませんが、よろしかったらどうぞ」と、へりくだった言い方をしたのも、奥ゆかしさの表れだった

・ニューヨークでは、見知らぬ人とエレベーターに乗り合わせたとき、
 一瞬、ニコッと微笑み合うのが礼儀

・ごきげんよう=あなたがご機嫌よくお過ごしになれますよう、お祈りしております。

挨拶は、オーバーなくらいがちょうど良い
 挨拶は自分がどんな人間かをアピールするもの。相手の反応など関係ない、と割り切ってしまいましょう。

自分の中に他人様の目を持つのは大事なこと。今の自分は第3者から
 どう見えるのか、常に意識してごらんなさい。みっともないことができなくなる。


・恥と誇りは、表裏一体。恥ずかしいことをしなくなれば、自分に誇りを持てる。自分に誇りを持てば、恥ずかしいことなど、できるはずもない

・人を大人にするのは、思いやりの心

・詩や俳句は、研ぎ澄まされた感性で言葉を厳選し、豊かなイメージを喚起させる文学でありアート。詩や俳句から頭の中にひとつの世界を作り上げるのは、想像力を豊かにする最高のトレーニング

想像力を鍛えましょう。上質な本を読み、音楽を聴き、映画や芝居を観て、さまざまな人生を追体験してください。知識や情報や記憶が、あなたの想像力の栄養になります。

・私のファッションも、日本初のシンガー&ソングライターとしての活動も、アングラ劇団での挑戦も何もかも、世間になかなか受け入れられなかった

・その人の人柄や今の状態、魂のありようがそのまま、微笑みに表れてしまう。余裕がないと、本当に美しい微笑みはできない。

・人生は、ドラマ。ドラマには、ふさわしい舞台装置が必要。
 人生を素敵なドラマにしたいのなら、それに見合う準備が必要。
 例えばあなたが、映像作家になりたいとします。さあ、どんな服を着て、どんな本を読み、どんな部屋に住んで、どんな暮らしをするのでしょう?思い浮かんだイメージひとつひとつ、書き出してごらんなさい。そしてひとつひとつ実現していけばいいのです。そうなふうに考えると、物の選び方が変わってくる。

・三島由紀夫さんは私のことを、こう呼びました。
 「この上もない花やかな虚偽」

・エロというのは、形あるもの。
 男性なら厚い胸板、広い背中、筋肉もりもりの肉体や性器などでしょうか。
 目で見て、手で触れることができるものが、エロ。
 それらを強調するエロい格好をしていれば、異性をつかまえるのは簡単なこと。フェロモンをぷんぷん振りまいている状態ですから、同様に性欲のかたまりのようなお相手が、灯りに吸い寄せられる蛾のように、あなたの胸に飛び込んできます。その代わり心は伴わない。肌を過剰に露出させているエロい女は、ティッシュペーパーと同じ。使い捨て。
 一方、色気というのは形ないもの。その正体は「上品な優しさ」。相手を包み込むような優しさが、色気の本質。

本当の優しさを持っている人は、その優しさを人に対するだけでなく、物にも発揮するので、そのしぐさや表情、たたずまいは自ずと美しいものになります。

・外見は男らしく振舞っていても、内面まで雄雄しくたくましい男など、
 見たことがありません。
 大切にすべきは人間らしさ。男とか女とか性別は関係ありません。
 つまり人間らしさとは優しさであり、色気である

・その人がふだん接しているものの雰囲気が、その人の肌からにじみ出て、
 オーラのようにその人を包み込んでいます。日常的に触れているものの波動は、そのままその人の波動になっている。

どうすれば上品な人間になれるのでしょうか。
 不可欠なのは知性。知の匂いがある人には、気品が備わる。
 もうひとつ大切なのは、衣食住、毎日の暮らし方。
 自分の身の丈に合った暮らしをしながら、よりよく生きようという心がけが、あなたを上品に導く。


・反省の省は「省く」という文字。本当の反省は、振り返って確認して、
 必要のないものを心から捨て去るというポジティブな行為

・お金とうまく付き合うキーワードは、分相応。
「一升枡には、一升のお米しか入らない」
あなたという人間の大きさにピタリとはまる分だけ、お金はあなたのところにやってくる。ですから、もしもあなたが、お給料が少ないと感じているなら、自分という人間の器の小ささを、まずは反省する必要がある。
もっと大金がほしいなら、それに応じた努力がどうしても必要になる。

・究極のナルシスト。鏡の中の自分だけを見て、自分以外のことは何もわからないナルシストと違い、究極のナルシストは一段高いところから世界を見渡し、さまざまな角度からものごとを検証します。
 自分のことを裏も表も研究しているので、自分の中にも人の不幸を嗤ったり、人の幸せを妬んだりするネガティブな感情があることを自覚している。その上で、そういう感情を恥じ、自分で自分を許さない。
大好きな自分を大切にして、自信を持って生きていきましょう。

・愛されたいのなら、まずあなたのほうから愛しなさい。

・外見はブサイクでも、すごい才能の持ち主がいる。社会的地位は高くても良識の欠如した人もいる。外見や一般的な情報などは、実はそれほど大きな意味を持たない。その人の心がキレイかどうか。これが人を見る目安になる。

・何があっても自分の落とし前は、自分でつけなくてはいけません。

・良い人間関係を築くためには、相手のプライバシーに、自分から一切口を出さないこと。そして自分のプライバシーもむやみにさらけ出さないこと。

・年齢は単なる数字。それ以上でもそれ以下でもない。
 若さとは生きていくためのエネルギー。好奇心を持ち、冒険心を秘め、
 未知の明日に向かって歩きだそうとする力。
 いつまでも若く、人生を楽しみたいと思うなら、まず数字の呪縛から
 解き放たれることです。


常識とは、一時流行のようなもの
 真理とは、時代を超越した永久不変なもの


・グルメぶって、どこそこの何がおいしい、などとしたり顔で語るのは、
 卑しいような気がする。美食家と称する連中が料理に関するウンチクを
 あれやこれやと語るのも、傲慢でいやらしい印象







括りとしては自己啓発の一種に入ってしまうのかもしれないが、
一線を成している。それもそのはず。美輪さんだもの。
こういう本が定価1400円程度で買えてしまうのだから、すばらしい世の中だな、と思う。

セックスレスキュー : 大橋希

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セックスレスに悩む女性のための性の相談所。


・いちばん親密なはずの異性と肉体的なふれあいがないことを寂しく思いながら、
 誰にも相談できず一人で傷つき、生きていても仕方がないと思いつめるほど
 悩む人は確実に存在する。

・「せい奉仕隊」。夫以外の男性とのセックスを解決法として勧めている。
 そのお相手になるのが、ボランティアとして組織されている奉仕隊だ。
 (売春婦とは違い、性行為への対価は支払われない。)

・マスターベーションをしたらどうですか、とバイブレーターのカタログを
 見せた。そうしたら「私は膣にモノを突っ込みたいんじゃないんです!」と
 怒られた。この言葉で、彼女たちに欠落している部分は人間でしか埋められない
 ことに気付かされた。

・キムいわく、夫が妻とのセックスを遠ざけるのは彼女を一人の女性ではなく、
 子供の母親としてみるようになるから。
 妻の母性を意識して性欲を覚えなくなる男性はけっこういる。

・相談所の女性たちを見ていると、夫との交わりがない生活が3,4年続いたころから
 明らかに体調を崩している。

キムは、性は人生のエッセンスであり、それが満たされなければ心身ともに
 大きな欠落感をもつことになると一貫して語りかけてきた。
 人格や魂こそ最高の性感帯であり、相手を認め、相手から認められる究極の
 方法がセックスだと考えている。

 大切なのは二人の気の交流である。
 (オーガズムに達することを「気を遣る」ともいう)
 セックスは体を使って互いのエネルギーを交流させる気孔みたいなもので、相互
 マスターベーションであってはならない。

・EDについては、糖尿病や脊椎損傷といった原因のないストレス性のものなら
 薬を使わなくても治ると、きっぱり。「自立神経には、リラックスと緊張の
 バランスをとる二つの神経がある。前者の副交感神経が働くと男性は勃起をして、
 後者の交感神経が働くと射精する。」

・セックスは自分の体を離れて語られ始めたとたん、なぜか居心地の悪さを感じる。

・どんなセックスがいいのか、悪いのか。キムがひとつの目安にしているのが
 行為の時間。前戯から射精まで40-50ふんというのが、最低ラインだ。

・キムいわく、男の人格と教養とペニスは、いずれも歯を磨くように毎日自分で
 磨かなければいけない。人格だけでも教養だけでも、男は磨かれない。
 「男の下半身は人格。人格のない男はちんちんもだめ。人格なきちんちんは
 ただの棒です。海綿体です。」


・2004年秋、「46」という数字がちょっとした話題になった。
 コンドームメーカーのデュレックス社が行った調査による、
 日本人の年間平均セックス回数。
 参加した41か国中最下位。世界平均は103回。一位はフランスの137回。

・2005年4月には、「男女の生活と意識に関する調査」で、既婚者の31%が
 セックスレス傾向にあるということがわかった。

・セックスレスの問題はその期間よりも、どちらかが不満だったり寂しかったり
 すること

・感情やプライベートなことを隠そうとするのは「品位」あることだが、
 必ずしもいい解決法には結びつかない

・日本性科学会が認定するセックスカウンセラーやセラピストも少しずつ
 増えているとのことだった。問い合わせると日本全国でカウンセラーが20人、
 セラピストが37人で、ほとんどが首都圏に集中しているという。

・セックスレスになってセックスのことを真面目に考えるようになった。

・自分の欲望を気持ちよく満たすには、相手も気持ちいいほうがいいことに
 気付いていない人はまだまだ多い

・週刊誌アエラのアンケート調査によると、男性の婚外セックス経験率は30%、
 女性は17%だった

(キム・ミョンガンについて)
・キム・ミョンガンは性欲や快感、セックスって何だろうと思った。
 しかし大人に聞いても笑ってはぐらかされるだけで、誰も答えてくれない。
・気になるのは彼の初体験。並々ならぬ関心のあったセックスを、実際にしてみたとき
 の気分を聞いてみると、「予行演習を何百回もやってますから。エロ本をある程度みたじゃなくて、死ぬほどみてますから。」

今でさえ、セックスについての情報が氾濫する一方で「行き過ぎた性教育」は
 批判され、必要な時期に正しい知識を手に入れられないのが現実だ。


・サルの世界には同性愛もあって人間と似ているが、例外を除いてサルの世界では
 人間界でいうところの「変態・性犯罪・性的少数者・強姦・のぞき・露出狂」などが
 いない。かつては都合の悪いことや性的変態をすべて
 「動物みたい!このけだもの!」とののしってきたのですが、基本的に間違い。
 立場が逆。

・オランウータン以外でオスがメスを強姦するのは人間の男だけです。
 多くの人が、強姦の神話に騙されています。第一に「衝動的行為」としてでなく、
 半数以上は計画的で、1対1の場合は58%、2対1の場合は83%、集団の
 場合は90%が計画的犯行だったのです。
 第2に相手の女の色気を理由としているが事実はそうではなく、多くの犯人は
 「無防備で弱い女をねらった」としています。
 第3に見ず知らずの相手同士でなく統計によると約80-90%が顔見知りの男の犯行

どうも男たちはこれまで「男は時として性欲を抑えることができない動物だ」と
 勝手な理屈を並べ、都合の悪いことはすべて動物のせいにしてきました。
 しかしこれほど「人間らしい行為」はないのです。


・距離をなくした付き合いは絶対に終わってしまう

・いつ、誰とどんなセックスをするかは、いつ、誰と何を食べるかと同じ。
 立ち食いそばとフルコース料理の違いを考えてみてください。前戯もなく、
 いきなり挿入して射精。そんな立ち食いそばのようなセックスばかりで女性が
 満足できるはずがない。たっぷりと時間をかけて味わうフルコースのような
 セックスなら、月に1、2回でも十分です

・結婚という社会的関係に組み込まれた生活を長く続けていると、
 自分の欲望を置き去りにすることに慣れてしまう

・セックス奉仕隊の存在が夫にばれたら?
 「そうした例はこれまで一度もない。セックスレスの夫は妻のことなど
 見ていませんから、ほとんどばれることはないでしょう。法律家によれば、
 一年以上セックスレスで妻が浮気しても、夫は相手の男性を訴えることは
 できないそうです。」

・たぶん、私たち世代(50代)は心の深い部分では、男女が対等だとは思っていない。
 妻がほかの男とセックスするなんて許せない。でもまあ、男の自分はいいだろう。
 と。

キムによると「男は、巨乳好き、貧乳好き、デブ好き、ブス好き、
 年齢の好み(年上、年下)の5パターンで考えればいい」のだそう。


・奉仕隊の方と接した後では、主人から自然に気をそらすことができるようになった。
 奉仕隊には本当に命を救われた。夫とのセックスとは違う感覚も味わったし、
 素敵な下着を買ったり、おしゃれして出かける楽しさを思い出した。

・妻を女としてみていない、という男たちは、セックスレスで苦しみぬいた末に、
 夫以外の男性を求めようとする彼女たちの重さを知るべきであろう。

カウンセリングの一環とはいっても、世間の言葉に従えば奉仕隊と女性たちの
 行為は「浮気」や「不倫」になる。
 「悪いことをしている気持ちはある。でも、障害者のための性のボランティアって
 ありますけど、私もその障害者となんら変わりないなって思うんです。」


・好きな人と同じ視線で美しいものを美しいと感じ、楽しいものを楽しいと語り合う。

・人生って、思い出なんですよ。経歴や地位より思い出なんですよ。

・性の面で率直になれるカップルは、どんな問題でもコミュニケーション不足には
 陥らないと、私は思う。だからお互いに「セックスしたくない」と思っていて、
 それを正直に話し合っているカップルならセックスレスだってかまわない。

真剣はいいが、深刻にならないで。自分を良く知れば、ちゃんといい相手に
 めぐりあうはずですから。

・男性のセックスはせいぜいピストンの時間が違うくらいで、いく瞬間の気持ちよさ
 はほとんど一緒とか。それに比べて、女性は百人百様、反応も感じる場所も違う。
 なんて豊かな世界だろう。

・「根本的に人間みんなスケベだと思うんですよ。
 それが押さえつけられていたら、反動は一気にくる。」

・「女性ってどこで気持ちよくなっていると思います?」
 「80%がクリトリス派と言われるが、ところが本当はみんな子宮近辺で
  感じる膣派なの。それだけ男が勉強不足。膣の中は興奮すると充血してきて、
  ものすごいヒダができる。やがて子宮がぶるぶる震え始め、
  ペニスをくわえこむ。このころの男の側の気持ちよさっていったら、ない。」

・男性のマスターベーションは「セックスとは別の楽しみ」という言い方が通用する
 のに、女性になると「自分で慰める女」というイメージをもたれてしまいがちだ。

・一般的には男性のほうが性欲が強い、奔放に振舞っても不思議ではないという通念が
 あるが、実際はまったく違う。

男だってほめられれば嬉しい。妻をほめる夫と同じくらい、夫に「素敵ね」と
 言える妻がどれくらいいるのか

相性をあらわす英語に「chemistry」がある。「化学、化学反応」という意味も
 あって、人間関係の不思議なあやを表すのにぴったりの言葉






セックスレスに悩む女性のために、性の奉仕隊という存在がいることにまず驚いたが、
たしかにセックスボランティアの本でもあったように、性の補助が必要な人たちは確実に存在しているように感じる。

セックスを提供するサービスというよりも、女性の自信を取り戻させるサービスという風に感じた。
賛否両論あるのだろうけど、ぼくは大賛成である。
社会にはそういうはけ口が必要だと思うから。


それにしても、キムさんの人柄が面白いと感じる。
顔も知らないが、素敵な人なのだろう。




肉体のファンタジア : 小池真理子

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体の部位ごとの著者の考察。


・骨
 骨というのは不思議なもので、同じ死体でも、肉がたっぷりついていると怖いが、
 白骨化していれば、さほど怖くないという感じがする。
 人の肉体が無に帰すための、骨は最後の砦
 散骨するためには、あらかじめ骨を砕き、細かくしておかねばならない、という
 規則がある。
 骨はどこか、秘密めいてエロティック
 骨っぽさとエロティシズムとは相いれない、とする男は案外多い。女たちの間で
 命がけで行われるダイエットはいったい誰のためなのだろう。
 やはり男たちは一般的に、骨よりも肉、硬さよりも柔らかさを求める。
 埋もれてしまいそうになる豊かさを求める。
 肉が成熟の証である、とするなら、骨は成熟の拒否、退行、幼児化につながる。
 骨っぽい女を愛する男には、どこか少年愛、少女愛の匂いが漂う。

・指
 指は男女の別なく、その人を印象付ける決定的な一面を見せる
 食事、排泄、セックスにいたるまで、指はあらゆる生活の風景の中にあって、
 せわしなく動き続ける。それでいて、どこか慎ましい。

・歯
 口の中は自分のものとわかっていながら、どこかしら神秘的である
 歯はときに、性的なものの象徴になったりもする。口もとと歯並びが異性の魅力を
 最終的に決定する、と考えている人が案外多い。極端な八重歯や、反っ歯気味の
 前歯といった歯に性的なものを感じる、という人は意外にも多いのである。

・顔
 人の顔というのはどこか一箇所、わずかミリ単位以下で動かしたり、大きくしたり
 小さくしたりするだけで、かくも印象が変わるものなのか、ということ
 美醜の差というものは、実は、それを見る側の価値観が生み出すのだ
 美を前にひれ伏すのは、美を美として認めた人だけなのだ。

・乳房
 女である、ということを乳房ほど露骨に証明してくれるものが他にあるだろうか
 フロイトによれば、母親の乳首を吸う、という赤ん坊の行為は、人間がこの世に
 生をうけて初めて知る快感なのだそう

・唇
 亡くなった人のやわらかな唇が板のように硬くなり、二度と動かなくなるばかりか
 その奥に漆黒の闇をたたえる、というのは不思議。
 今更言うまでもないが、唇はヒトにしか具わっていない。外部に向かって唯一露出
 した、あるいは露出することを許された粘膜状の皮膚の一部。
 かつて日本では接吻のことを口吸いといった。合わせるだけでなく吸い合うという
 のはなんとも日本人らしい表現
 一度目のキスは拙いものでなければならず、巧みなキス、甘いキスは2度目から
 でなければならない

・毛
 体毛はある意味で、その人の生命力を象徴する。赤ん坊は別にして、
 老人で毛深い人、髪の毛の多さに悩む人を見かけないのも道理だろう。
 遺伝や体質の関係で禿げていく頭は別にして、年齢や病気とともに次第に勢いを
 失くし、等しく衰えていく体毛を見ていると、生命の不思議を覚える。
 ヒトも動物も、命は一本一本の毛先にまで宿っているのだ

・目
 仲のいい夫婦は決まって鏡に映った自分自身を見るような目で、伴侶を見る。
 殆ど全てのカップルがそうである。
 それにしても、異性の、とりわけ何とはなしに意識している人の目が、
 じっと自分を見つめた瞬間というものを何故、私たちは長い間、忘れることが
 できないのだろう

・贅肉
 適度な贅肉は、健康と豊かさの象徴であった

・臀
 臀は「おいど」などとも言うらしい。風情がある。
 それにしても、男が女を見るときに、まずどこを見るか、という質問に対し、
 1顔 2胸 3臀 という順になる
のは、番狂わせが生じるにせよ、不変の事実
 言わずもがな、の話だが、臀はどうして桃の形をしているのか、というと、その
 割れ目の奥に肛門が控えているから。人は排泄時、桃を割るようにして臀部を
 広げ、肛門を露出させる必要がある。
 動物にも臀があるという事実

・背中
 女は、男が想像する以上に、男の背中に魅力を感じる生き物である。
 女はふつう、「強いものに守られている」という状態を本能的にこよなく愛する

・声
 電話を利用した性戯(テレフォンセックス)は、もはや現代人にとって珍しい遊び
 ではなくなってしまったが、カラオケもまた、声がどこかしら性的な回路を辿って
 居合せた人に伝わってく、という意味で言えば、限りなく性戯に近いところが
 あるのではないだろうか

・皮膚
 皮膚の潤いというのが、とりわけ女の場合、性的な潤いとして感じられ、捉えられる
 のは面白いものだ。やはり手の湿り気というのは、女性性の隠された要であるような
 気がする
 男は普通、「素」のままで年齢を重ねていく。最近でこそ、若者が洗顔後、顔の
 手入れをするようになったようだが、ボディケアまでしている人は希少だろう。
 そんな中「加齢臭」という、人を小馬鹿にしたような言葉が生み出され、年配者
 独特の臭気を消すためのものが製品化された。ここまでくると世も末。
 そんなものを製品化して売れると信じている企業の愚鈍さに、言葉も出ない。
 臭気と受け取るのか、生き物として誇るべき匂いと受け取るのか、受け取り方に
 よって、その人間の深みがわかろうというもの。加齢臭という言葉のはらむ
 底知れぬ虚しさ。

・鼻
 性的俗説のひとつに「ペニスと鼻の相関関係」がある。男の鼻は、その人の勃起時
 のペニスの太さ、長さ、形と相似形を成している、というもの。
 人の鼻は、顔を構成するあらゆるパーツの中で、唯一隆起している。
 鼻がなければ人の顔はのっぺりとした平面体に過ぎなくなり、鼻の高さ低さによって、
 その人の顔立ち、個性が決定してしまうのも、なるほどと頷ける。
 もともとわが国の女たちの間には、必要以上に「オス」であることを誇示されるのを
 嫌う風潮が根強くあった。存在そのものがオスであるような、巨大さや強さを連想
 させる男よりも、限りなくユニセックスな、美しい、清潔感あふれる男が全般的に
 好まれるようになっていて、性的に未熟な国民だったのが、ここにきていっそう、
 その未熟さ、幼稚さの度合いを増しつつある、と言ってもいい。

・舌
 舐めたり吸ったり味わったりすることの中には、確かに原始的なエロスの感覚が
 潜んでいる。
 甘いものを食べる男には、どこか人を安心させる人間くささ、ものごとに対する
 柔軟性が感じられる。

・臍(へそ)
 それにしても、へその緒を後生大事に桐の小箱に納めて母親に手渡す習慣、
 というのは考えてみれば面白い。

・子宮
 頭では理解できても、よくもまあ、病気でもないのに毎月一回、数日間にわたって
 股の間から血を流しながら生きていけるものだ、と彼らは内心、恐れおののいている。
 私は初潮をみたときの不安と恐怖を今も忘れていない。なんてキモチの悪いことが
 女の体には起こるだろうという記憶。
 子宮が女の人生そのもの、という発想はたいそう正しく、同時に、エロティック。
 
・解説より
 写真というものは、撮った瞬間に過去のものになる。
 「美」というものは、感覚の積み重ね










内容は、柳美里さんの「男」に似ているな、と思った。
(過去の記事はこちら↓)
http://forbookbloghiro.blog.fc2.com/blog-category-23.html




一番面白く感じたのは、体毛。
確かに生命力の象徴である。
老いた人を見ても、髪に元気がある(禿げることを抜きにして)人は、やはり若々しい印象を受けるし、
髪にツヤがあると自然と顔が明るく見えるものだと、改めて思った。






解説の写真家さんの言葉が印象的だった。

「写真というものは、撮った瞬間に過去のものになる。」
「「美」というものは、感覚の積み重ね」


ごもっともである。




ウエハースの椅子 : 江國 香織

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恋愛、記憶、絶望。



・私は無口な子供だったが、それは、自分をまるで、紅茶に添えられた、使われない
 角砂糖であるかのように感じていた。
 役に立たない、でもそこにあることを望まれている角砂糖でいるのが。

・彼は私の首と左の乳房を好きだと言い、私は彼の唇が、そこにおしあてられるのが
 好きだ。

・永遠に死なないことにする

・死は、残った者たちの新しい生活をつくる。

・私たちはみんな、神様の、わがままな赤ん坊なのだ。

・帰り道、私は注意深く、来たときと別の道を選んで帰る。
 上手く一人に戻れるように。

・人はなんだって子供を小学校に通わせたがるのだろう。
 何をするにも2列に並ばされ、隣の子供と手をつながされた。
 とびたくもない跳び箱をとぶために、「勇気」をだすよう求められた。

私は仕事で人に会うのが好きだ。恋人がいなくてもちゃんと一人でやっている、
 という気になる。


・幸福な体温

・肌は深い森の匂いがする

・ウエハースの椅子は、私にとって幸福のイメージそのものだ。目の前にあるのに、
 そして、椅子のくせに、決して腰をおろせない。

・世の中はどこもかしこもメッセージで溢れているので、なんだかうんざりしてしまう

子どもの頃、果物屋になりたいと思っていた。果物の、色や匂いや形に惹かれた。
 味ではなく。私にとって大切なのは、フォルムや重みや質感。


・「あなたって、悪い夢みたい」
 私は、自分が恋人の人生の離れに間借りしている居候のように感じる。
 彼のオプションのように。

・「お前は渾身の力を込めて泣くな」
 「まるでこの世の終わりみたいだな」

・誰かをどこかに閉じ込めるなら、そこが世界のすべてだと思わせてやらなければ
 ならない。

いつまでだろう。私はこのひとを、いつまでそんなふうに錯覚させておけるのだろう。

・「過不足はないわ」
 「あなたといると、何の過不足もない」
 何の過不足もない、ということは、それ自体何かが欠落しているのだ。

・みちたりた絶望

・恋をした人間を助けることは、誰にもできない。

・信じ切っていなければ、愛に意味などないことを知っていた。

・いきどまりだ、

・おいで、

子どものころ、なにが苦痛だったかといえば、時間が無限で途方もないことだ。

・見馴れぬ男の身体は、単純に不思議だった。私はそれをしげしげと見て、
 こわごわ触った。知らない街を歩くのに似ていた。
 ゆうべの出来事を性交と呼ぶのなら、普段私が恋人としていることは、性交では
 ないのだろう。すべてのあと、私はふいに空々しいキモチになった。
 男が、はやく帰ってくれればいいと思った。
 とりたてて後悔はしていなかった。ただ、自分がまぬけになったような気がした。




絵國さんの描く登場人物は、実際に存在していそうで、存在し得ないような人たち。
ぼくにとってそこが彼女の小説の中で一番魅力的なところ。
現実を見ているようで、夢を彷徨っているみたいな感覚になれるから。気持ちがいい。


この本は不倫における幸福と行き止まり感がよく描かれていると思う。
正直、著者の本はたくさん読んできたけど、これはトップ3に入るすばらしさだった。(あくまでぼくの中だけど)

特に子どもの頃の回想が印象に残った。
ぼくも子どもの頃、時間がありすぎてうんざりしていたから。
もっと一日が早く終わればいいのに、って思うくらいに。
なんでだったんだろうと今考えると、子どもの頃って目標が何もなかったからだと気付く。
あの頃ぼくは、ただ、生きているだけだった。

そう思うと、今はすごく幸せである。
やりたいことがあるし、未来のことを考えると楽しくなるし、頑張らなくちゃと思うから。

でも、そういう自分になれたのも、子どもの頃の怠惰な自分がいたからだというのは明白。
だって、すごく時間を無駄にしていたんだ、と思ってしまうから。取り返さなくちゃ、って。



なんであれ、素敵な小説でした。



健全なる美食 : 玉村豊男

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農園を営む著者の料理のつくりかた。



・パスタは乾と生ではまったく別の食べ物といっていいほどに違うもので、
 いわゆるアルデンテの硬度を求めるなら乾麺に限るし、手作りしてフレッシュな
 うちに食べるのなら、フェトチーネかそれ以上の幅広麺のほうがおいしい。
 なかでも、粉にジャガイモを混ぜてつくるニョッキは、あの田舎風のモチャッと
 した舌触りがなんともいえず懐かしいようなうれしいような。

・春先の古いジャガイモは、水気が抜けている分だけ糖度が高く、
 旨みも凝縮している。

・アスパラガスの太いのは湯がき、細いのはそのまま油で炒め・・・あるいはブツ切り
 にして味噌汁に放り込むのも最高

・市販のアスパラを料理する場合、揃った下端の硬いところを2,3センチくらい
 切り落とすのがふつうで、そうすれば上のグリーンの部分はほとんど皮を剥く必要も
 ない。筋張った茎の場合は、やはり表皮は剥いたほうがいいだろう。
 湯を沸かす。そして均一の細めに切って皮もなかば削ったアスパラを、ひとつまみ
 ずつさっと熱湯にくぐらせる。茹でるのではなく、熱湯を通過させる。

・サラダという言葉の語源は「(野菜に)塩をつけたもの」
 ドレッシングは、ドレスを着せるという意味だから、素材に衣裳をまとわせてやる、
 という感覚が大切

・いったいに、脂肪を多く含んだ食材は、直火焼きにしてそのアブラを落として
 やると味のバランスがよくなることが多い。

・日本ではおふくろの味
 フランスではおばあちゃんの味

・キャベツはそのまま生で食べたり、手でちぎって炒めたり、大量の油でフワッと
 揚げ炒めしたタマゴと合わせてカキ油をかけて食べたり・・・余ったら大鍋に
 放り込んで水煮しておけばスープのもとになる。鶏や牛のスープの固形キューブなど
 があればそれを加えるもよし、なければベーコンだけでも十分においしいスープが
 できる。ベーコンまたは塩漬けの豚肉の小間切れを少し鍋で炒めて油を溶かしてから
 水を注ぎ、千切りのキャベツを大量に加える、というのがフランス田舎風
 キャベツ・スープの基本レシピ。これにタマネギやニンニク、ジャガイモなどを
 加えれば無限のヴァリエーションが生まれる。

・ロールキャベツはルーマニアの名物
 私はナマの葉を、鶏のスープに冷たいうちから入れて味をしみこませながら煮て
 柔らかくする。その間に、タマネギのみじん切りと、挽肉、続いて米粒を、少量の
 オリーブ油を引いたフライパンで炒める。分量は、タマネギ1、挽肉5、コメ2。

・キャベツを丸く結球してから収穫せずにそのまま畑に放っておくと、内側の葉の
 逃げ場がなくなってキャベツは爆裂する

・ズッキーニは、焼いても煮ても炒めてもおいしい。
 実際、ナスに使われる調理法はすべてズッキーニに応用することができる。

・リゾットというのは本当に簡単な料理で、電気釜でごはんを炊くより早くできるから、
 畑から疲れて上がってきたときなど、私はついラクを求めてリゾットにすがってしまう。はじめにピーマンやズッキーニをグリルで焼く。それからレタスやトマトでサラダをつくる。その大量の野菜に、コメ70gをリゾットしたものがあればそれが一回の食事。

・リゾットの作り方
 リゾットはナマコメからつくる。洗わずにフライパンに放り込み、オリーブオイルで
 炒める。油で半透明になった米粒の一部が再び白く変色するくらいまで。
 そうなったら水なりスープなりを上から注ぐ。火はずっと中強火。沸騰したら
 火を少し弱め、底につかないように木杓子かなにかでときどきかきまわしながら、
 水分をどんどん蒸発させていく。15分経過したあたりから、一粒2粒つまんで
 噛んでみる。しっかりアルデンテだが芯はない、という食べごろの状態になったとき
 に水分のあらかたが蒸発している、というのが理想だが、少なめの水(スープ)で
 スタートして減りすぎたら足していくことにすれば間違いないだろう。はじめから
 多すぎて蒸発し切る前に過熱が進みすぎ、アルデンテを通り越してぐずぐずに
 なったら失敗作。ただナマ米を炒めてからやれば加熱が多少延長されても歯ごたえは
 残る。日本米を洗ってから使ったら、どうやってもおじやか雑炊のようになって
 しまうが。
 スープはストックがあれば文句ないが、ものぐさな私は冷水を注いで途中粒の鶏ガラ
 スープをパラパラと加えるのが普通。これが基本のホワイト・リゾット。
 あるいは少量の豚肉とタマネギなどを最初からナマ米とともに炒め、単なる水を
 加えて煮ても結果はダシの効いた作品になる。スープの種類、加える具のヴァラエティーは自由自在。

・夏はさまざまの野菜をさまざまに調理して食べるが、我が家の定番といえば焼き野菜。
 たとえばズッキーニ。厚さを7-8ミリの輪切りにして、両面をグリルで、
 あちこちに黒く焦げ目がつくまで焼く。焼いたらすぐに、オリーブ油と醤油を
 混ぜたものをかけ、塩、こしょうをしてざっくりと和える。
 ピーマンも焼く。丸のままゴロリと網の上にのせて焼く。
 全体がフニャリと柔らかくなったらできあがり。熱いうちに切ってヘタとタネを
 取り除き、オリーブ油と醤油、塩、胡椒。

・ラタトゥイユは、間単にいえば夏野菜のゴッタ煮のこと。
 つくりかたはいたって単純で、まずはタマネギとニンニクをたっぷりのオリーブオイ
 ルで炒め、次いでブツ切りのズッキーニを加え、好みでピーマンやナスなども加え、
 最後にトマトを放り込んで潰しながらさらに炒めていると自然に野菜たちから水分が
 出て、炒めていたつもりが煮ているような状態になってくるから、少し火を弱め、
 全体がグズグズに絡み合うまで煮ればいい。トマトは面倒ならヘタだけとって
 4つに切ってそのまま入れ、皮がめくれてきたら、ハシでつまんで捨てたっていい。
 後半の段階では塩と黒胡椒、それに少量の唐辛子と、乾燥ハーブの葉を
 思い切ってたくさん入れることにしよう。私はそのときに粒の鶏がらスープを
 ひそかに投入して味にニュアンスを付け加える。失敗するのが難しいくらいの料理。

・フェンネルは、いわゆるウイキョウのことで、独特の、ちょっとクスリ臭いような、
 なんともいえない香りを持っている。その細い緑の葉はハーブとして魚料理によく
 用いられているが、茎の下方の白く太ったところが野菜として利用される部分である。
 日本ではあまりお目にかかることがないが、イタリアではそこのところをただ
 スライスしたものをサラダで食べさせる。
 甘く、切ない、その芳香。

・根セロリは、細切りにして豚肉とさっと炒めたり。美味。

・タイ米はよく水に浸してから炊けというが間違いである。
 長粒米はなるべく水分を少なくして粘り気なく炊いてこそ美質が生きる。
 水加減はタイ米1に対して水0.85なし0.9.研いだらすぐに炊く、
 長く水に漬けておいてはいけない。
 チャーハンにしたらサラサラの最高品ができあがる。

・昨年の秋、200個のニンニクの皮を剥いて鱗片をばらし、畑の土に埋めた。
 しばらくして青い芽が出て、葉を伸ばし、そのまま冬を越した。
 そして6月も半ばを過ぎる頃になると葉の先端が少し枯れ始める。
 7月のはじめ、土の中から茎根を一挙に引き抜く。
 真夏が来て乾いた日が続くと強烈な臭いはやわらぎ、ときたま風が吹くとほのかに
 甘いような良い香りがあたりに漂い、秋を迎える。水分も適当に抜け、
 味も香りもいちばん良い季節。

・パスタは細い順に カッペリーニ > スパゲッティーニ > スパゲッティ
          > ヴェルミテッリ

・パスタの味の違いは、ひたすら茹で方にかかわる。余熱まで計算する想像力を。

・熱湯にはあらかじめ塩をたっぷり入れておき、パスタの塩味はこのときの塩だけで
 つくる。

・元の鍋に少し湯を残しておいてザルからパスタをそこに戻し、すぐにオリーブ油を
 かける(火は止めたまま)とよいだろう。こうするとパサつかず、ソースともよく
 馴染む。ソースを元の鍋に入れてパスタと和えるか、パスタを別鍋のソースに入れて
 和えるかには場合に夜が、いずれも一刻一秒を争う。

・カルボナーラは、細い麺がとりわけ美味。
 鍋に湯を沸かし、沸騰するまでの間にベーコン(サイの目に切る)を別鍋で
 熱しておき、タマゴもボウルに溶いてよくかき混ぜておく。
 3分ほどで茹ったら熱湯ごとザルにあげ、カラになった熱々の大鍋にベーコンと
 オリーブオイルをいれ、ただちにざるの中の麺をその中に戻し、間髪入れずに溶き卵
 を上からかけて、木ベラで勢いよくかきまわす。火は止めておくが余熱でタマゴは
 すぐ固まるから、フルスピード、全力でかき回す。

・新ジャガは、水っぽいのが特徴。若い味が生きるのはポテトサラダ。
 新ジャガの場合、茹で上がった熱々のところへ、半熟タマゴをザックリと割って
 混ぜ合わせる温かいサラダが私たちのお気に入り。塩、黒胡椒、オリーブ油で
 味をつけ、好みの量だけヴィネガーを加える。

・春先の古いジャガイモの味をひきたてるのは煮物かローストだと思う。




とても美味しそうなカラーの料理が並ぶこの本。
著者の人柄がよく出ており、著者がどういう人間なのか本を通して想像することができました。
農園を営むだけにどうすれば美味しく野菜(もちろん魚もお肉も)を食べられるかを知り尽くしているような、
それでいてより良いものを追い求めているような印象を受けました。素敵な人です。



勉強になりました!


AIDSのための138章 : 河瀬正晴

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中学・高校・大学生版/一般家庭版、エイズの正しい知識を知ることができる本


・1981年6月、アメリカ国立防疫センターは、ロサンゼルスで若い人の中に
 原因不明の疾患が発生したと発表し、翌82年、この疾患をAIDSと命名した

日本のマスコミの今。社会がエイズと共存するための有効な情報を提供している
 とは言えないのではないだろうか。


・エイズを含めて、人間の性を肯定的にとらえる視点がわれわれ日本人の中に
 どれだけ育ってきたかを問えば、その結果はネガティブな反応と性に対する偏見差別
 に満ちた答えがかえってくるに違いない。

テレビでキャンペーンをしたり、学校にパンフレットを配ることを否定するものでは
 ない。しかし、このようなことだけで、HIVやエイズに対する態度変容や意識改革が
 可能なのだろうかと、強く危惧を抱いている。

 事実、知識だけでは態度は変わりようもなく、理解だけでは意識も変わりようがない。
 では何が大切なのか。そこでは最も根元的な問題、われわれ日本人がもっている性に
 対する価値観の変革が望まれていることを知るべきであろう。

 性差別に鈍感な男性優位社会の中で育てられてきた性の価値観の変化、
 家制度に支えられてきた性モラルのダブルスタンダードに対するアンチテーゼ、
 家族や社会が変化しているのにそれに追いつけず崩壊したと決め付けている大人たち、
 一見、エイズとはかかわりのないことのひとつひとつが、実は今日のエイズ問題と
 大きく関わっているのだ。

・まさにエイズは21世紀の黒死病だ

・日和見(ひよりみ)感染症とは、人が健康なときにはなんら悪さをしない
 いろいろの細菌、原虫、真菌、ウィルスなどが病気に対する抵抗力が落ちた身体で悪さを始めて病気を引き起こすこと

・何の症状もない状態にある人を「無症候性キャリア」と呼ぶ。
 (世界に1~2000万人いるといわれている)
 この時期はエイズウイルスの感染症状はいっさいありませんが、エイズ抗体は常に
 陽性で人に感染させる危険性は非常に高い状態です。

・エイズウイルスが多く含まれる場所
 1位 血液、精液、母乳
 2位 膣分泌液
 3位 唾液、涙、尿、糞便

1991年9月、歯科医師からエイズに感染させられ、
 死期の迫ったキンバリー・バーガリス(23歳で死亡)が息も絶え絶えに、
 アメリカ連邦議会の公聴会で証言するショッキングなテレビ映像を思い出される方も
 多いと思います。
 その医師は意図的に自分の治療を受けた患者にエイズを感染させたと考えられている。


・なぜ性行為によってエイズに感染するのか?
 ペニスの先端は薄い粘膜でできており、女性性器は入り口から内部まですべてが
 粘膜でできていることから、性行為によって両性器は摩擦されて傷がついた状態に。
 この傷は普通痛みを伴わないので自覚症状はなく、
 この傷にエイズ患者の精液が送り込まれると、血液中に入り全身に運ばれる。
 女性がエイズ感染者の場合、膣分泌液に含まれるエイズウイルスが
 ペニスの傷口から侵入することになる。

・一般的に100~200回の性行為で感染するといわれている。あくまで参考数字。

・肛門性交はなぜ危険か?
 肛門に続く直腸は膣のように潤滑油になる分泌液が分泌されていないので、
 ペニスを挿入すると非常に傷つきやすい。しかも粘膜は薄く血管は破れやすく
 傷つきやすいので、エイズウイルスが直接血流に入ってしまい感染の危険性は
 非常に高くなります。
肛門性交の是非はそれぞれの人格が決めることですが、
 ことエイズに関しては十分な注意が必要です。

・膣分泌液にエイズウイルスが含まれるために、唇や舌を使って性器を愛撫すると、
 口の中に傷口があれば感染する危険性があります。
 口の中は簡単に傷つきやすい粘膜に覆われているために、フェラチオも簡単に
 エイズウイルスが侵入する。男性が興奮し、射精に至るまでにペニスから分泌する
 無色透明のカウパー腺液にもエイズウイルスが含まれるため、射精に至らなくても
 感染する危険性はあります。

・エイズ予防にはコンドームが有効とされていますが、91年に厚生省とWHOの
 エイズ対策事業に基づくアンケート調査においても、日本人は不特定の相手と
 性行為を行うときも4人に1人がコンドームを使用しているだけという
結果に

昔から性行為による感染症は何一つとして撲滅されていない。梅毒がよい例。
 ペニシリンなどの抗生物質が開発された現在もいまだ撲滅されていません。

・セックスはお互いのよりよい関係を築き愛情を確かめ深め合う手段であり、
 快楽を追求する手段ではない

・エイズウイルスに感染しますと、平均6-8週間経過後に、血液中にエイズウイルス
 に対する感染抗体ができる。
必ず6-8週間ではないので、その機会から3ヶ月以上
 たった時点で検査を受けるべき。アバンチュールの次の日に受けても無意味。

・タイの売春婦の60%がエイズ感染者であるとの報告がある。
 フィリピン、韓国では異性間性的接触、マレーシア、中国では薬物常習、香港、
 シンガポールでは男性同性愛によるエイズ感染が主流。

日本人特有の熱しやすく冷めやすい国民性からして、一時的な知識普及活動では
 日が経つと忘れてしまうので、そのとき限りではなく息の長い普及活動を続ける。







1993年に出版された本だと思うのですが、すでにエイズ撲滅につながる鮮明な解決策を見受けることができました。

われわれ日本人がもっている性に対する価値観の変革が望まれていることを知るべきであろう。

という一文です。

日本人にいつまで経ってもエイズの正しい知識が根付かないのは、結局根本的なものを解決しようとしていないから
ではないからではないかとぼくも思います。
悪いものを絶つには枝を切るのではなく、根から引っこぬかないとだめだと思うのです。

欧米などと比べても、性について公にすることに常にどこか後ろめたい気持ちがあったり、
性についての学校での授業もとても限られており、こんな状況では性知識など浸透するはずもなく、
そのせいで毎年多くの方々が性病にかかりエイズが広がる一方なのですから、不安は募るばかりです。

あまりにも保守的というか、人間にとってとても大事な知識を子どものうちから与えようとしない日本の学校が、
本当に学校といえるのかいささか腹立たしさもあったりします。いつまでこんなことが続くのでしょうか。

そもそもエイズ撲滅を訴える方はたくさんいて、国もエイズについての知識があるのに、
それをしようとしないのだから、正直呆れています。
なぜ欧米のような良い例があるにも関わらず、真似をしようとしないのか疑問なのです。
良いところは真似すればいいし、悪いところはそこから学べばいいのに、と。




愚痴はこの辺で終わりにして、結局のところ国に頼りすぎたくはないので、
こういった親切で丁寧な本がもっともっと多くの人に読まれてくれればな、と思います。



布・ひと・出逢い : 植田いつ子

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服づくりを通して、人生のきらめきを心豊かにつづる。



・布に逆らわず、生きていくことにも優しくありたい

・服装は人そのものではありませんが、やはり着手を表現するものであり、
 着手の美意識や生活感覚を問われるもの

・服はあくまでも輸入文化ですが、その造形フォルムのなかに、私は私なりの
 日本人の心情、美意識を取り入れて生きたい

・外国の方からよく注目されるもののひとつに、ぼかし染めがあります。
 着物の絵羽の感覚でデザインをし、染めております。
 振袖や留袖の絵羽の感覚技術は、日本のすぐれた美意識が生み出したもの

・ケープは、女性の衣裳として、とても優雅でクラシックなロマンがあり、美しい

・人は生まれた土地の風景から離れることが出来ない

・子供の頃の思い出は、嬉しかったことより、怖かったことや、哀しかったことが
 より強く脳裏に刻み込まれるのでしょうか。

・あのにぎやかな祭りの華やぎのあとに来る哀感

・遊び道具ひとつ自分で作らなければ、何もない環境と、充たされない思いが、
 ひょっとしたら、私をものづくりの人間にしたのではないだろうか

・美しかった森の都は、無残な姿をさらし、そのなかで、火傷した半死の赤ん坊を
 抱きしめ、放心状態で立ち尽くす母親の姿


・ただその日一日、空襲がなく終わってくれればいい。
 8月15日、終戦を告げるラジオ放送を聴いた父の目と、あまりに暑く、正常な
 思考を停止させるような太陽の烈しさだけを記憶しています。
 でも、夜がきて、空襲のたびごとに家中の電気をおおっていた目隠しがはずされて、
 一斉に電球に灯が点ったときのうれしさ。今の時代とは比べようもない、貧弱な
 光だったはずなのに、電気の明るさ、ありがたさにただ感謝したものでした。
 「これからは誰にも気兼ねせず、電気をつけてよいのだ・・・」

・日本人のすべてが、つらい地獄絵のなかで、黙々と、ひたむきに生きていた

・空襲の後で、ついさきほどまで隣にいたはずの人が死んでいたような現実
 いつも死と隣り合わせの日常の生活のなかでは、小さな胸を痛めるばかりで
 何も出てこないのでした。

・「何か、美しいものを創る仕事をしたい」

・先生が口癖のようにおっしゃったことは、服のフォルムの大切さでした。
 「人間の体は、本来丸いものです。服はその体の上に立体的な型をつくり、
 人体を基にした造型性と、着て動くという機能性を大切にし、人体、そして
 精神までも一致したものでなければいけない・
・・。」と。

・昭和20年代も終わりに近づくと、終戦直後の混乱期は脱し、それなりの落ち着きを
 取り戻しつつありました。でも、それは、うわべだけで、あらゆるものが雑居した
 まま、世の流れは不気味に胎動していました。

・日本人のものさしは、一見、なにげないように視えてきちんと計算され、
 最後に少しだけくずすという感覚。全体のバランスを微妙にくずすという日本人の
 美意識に、より人間らしさを感じる。

・西洋の文化の表すことと、日本の隠すこと。
 西洋の生命の謳歌と、日本の抑制の美意識。

・「私は日本人なのだ」「日本人でしかありえないんだから、日本人であることから
 出発すればよいのだ」という、あたりまえのことに気付いた。

・世界中が西欧人の創りだした洋服を国際服として着るのが現代ならば、
 その合理性、機能性などの良さ、服の定型は、完璧なまでに借りるけれど、
 内にこもる目に見えない精神は、日本の心で盛り上げる。そういうデザイナーで
 ありたい。

・服を縫うのも、布を裁つのも、すべて人間性のあらわれであり、こわいくらい厳しく
 正直にその人を見せるものです。
 すべての仕事に共通することですが、少しの弁解もせず、柔らかななかにも厳しく、
 絶えず磨きをかけつづける努力と精進をしてこそと思います。


・「私はね、思い切り泣くだけ泣いたら、綺麗にお化粧して、一番いい着物を着て、
 裏から外の通りへ出て行けばいいんです。いい男はいくらでもいますよ」

現在の自分の生活と遊離せず、自分を失わず、社会の流れも無視せず、
 夢を忘れず、あたりまえでありながら、なお個性的でありたい、生きる喜びを
 分かち合いたい・・・。
 そして装うことが、よりよく生きること、美しいことにつながる
のでしょうか。
 面白おかしく誇張された空しい外側の流行に惑わされず、内なる自分の声に
 素直でありたいと思います。

・欧米の立っている土壌と文化から生まれた、欧米のありかたや表現とは微妙に違う
 微妙に違うことから出発することが、より自然な姿ではないでしょうか?
 そして、そのことが真のインターナショナルに通じるのでは

・人間の目に見えるものと、見えないものとがっ混然と融和し、人柄とか雰囲気までを、
 布という素材で形にあらわす作業が「服を創る」ということ

・世界中、どの国にもすばらしい美の遺産があります。その奥深さ、重さに敬意を
 持ちつつも、日本の美意識を誇りに重い、大切にしていきたい

・過剰なデザイン、饒舌な色は、出来るだけ避けて着ないこと。
 精一杯の服には、あまりにも言葉が多すぎて、語りすぎ、着る人の人間性は
 かき消されてしまいます。


・柔らかい布だけではつくりおおせぬ、人と世との橋渡しの役が服飾にはある。

感受性の動脈硬化こそ、もっともこわいもの。
 美に対して敏感であれば、醜に対しても敏感に反応すべきです。




1976年以来、著者は皇后さまのデザイナーも務めておられるそうで、
やはり一流のなかの一流の人であると、本を読んで思いました。

文体からもその上品さというか気質が顕著に出ており、それでいて情熱がある。
最上の女性の一人であると感じました。


向田邦子さんとの交流の話もとても面白かったのですが、
やはり一番は著者と服との対話というか、服に対する想いを知ることでした。

「すべての仕事に共通することですが、少しの弁解もせず、柔らかななかにも厳しく、
 絶えず磨きをかけつづける努力と精進をしてこそと思います。」

そうおっしゃる著者は、生粋の仕事人だと思わずにはいられませんでした。

こんな方に少しでも近づけるように生きてみたいと思いました。





恋する日本語 : 小山薫堂

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日本語の美しさを堪能できる35のショートストーリー。


・あえか・・・はかなげなさま

涵養(かんよう)・・・水がしみこむように、少しずつ養い育てること

・紐帯(ちゅうたい)・・・人と人を結びつける重要な役割を果たすもの

気宇(きう)・・・心のひろさ

・転た(うたた)・・・ますます、非常に。転じてなんとなく。

・相生(あいおい)・・・夫婦が一緒に長生きすること

・如意(にょい)・・・物事が思うようになること

・赤心(せきしん)・・・偽りのない心。人を心から信用して、全く疑わない心。

玉響(たまゆら)・・・ほんの少しの間

・泥む(なずむ)・・・なかなか進まない様子。行き悩む

僥倖(ぎょうこう)・・・思いがけない幸福。

・偶さか(たまさか)・・・偶然。たまたま。

・那由他(なゆた)・・・極めて大きい数。古代インドの数の単位。
 exa.「私のことどのくらい好き?」「なゆたさ。」

夕轟(ゆうとどろき)・・・恋心などのための夕暮れ方、胸がさわぐこと

・終夜(よすがら)・・・一晩中。

・一曲(ひとくねり)・・・ちょっとすねること

・時雨心地(しぐれごこち)・・・時雨の降ろうとする空模様。
               転じて涙が出そうになる気持ち。

恋水(こいみず)・・・恋のために流す涙

・焔(ほむら)・・・心中に燃え立つ激情を炎にたとえていう。

・恋風(こいかぜ)・・・せつない恋心を、風が身にしみわたるのにたとえていう

・客愁(かくしゅう)・・・旅行中のもの思い

・酒酒落落(しゃしゃらくらく)・・・性格がさっぱりしていて物事にこだわらないさま

・忘れ種(わすれぐさ)・・・心配や心の憂さを吹き払うもの

・滝枕(たきまくら)・・・涙が枕にそそぐことを滝にたとえていう

・喃喃(なんなん)・・・ぺちゃくちゃしゃべる様子。転じて、
           男女がうちとけ小声で楽しそうに語り合うさま

・心掟(こころおきて)・・・心に思い定めていること

番い(つがい)・・・2つそろって1つになったもの

・邂逅(かいこう)・・・思いがけなく出会うこと

・阿伽陀(あかだ)・・・あらゆる病気を治す薬
exa.病気の私にとって、彼の声はわたしの阿伽陀

・たゆたう・・・心があれこれと迷う

垂ずり雪(しずりゆき)・・・屋根や木の枝から落ちる雪

・帰趨(きすう)・・・最終的に落ち着くところ。

・遠近(おちこち)・・・未来と現在

・僕は咀嚼という言葉が好きです。子供のころ、よく母親に言われました。
 「ご飯はよく噛んで食べなさい。噛めば噛むほど甘くなるのよ」
 以来、何事においても、おいしい想いをするためには、咀嚼が必要だと考えてきました。







上質な日本語って、日常会話ではなかなか聞くことができないですよね。
むしろ使ってしまうと相手が知らなかったりすることが多いし、
気取った奴・変な奴だと思われてしまう。

でももっとこういう日本語たちを日本人は愛するべきなんじゃないかとぼくは思うわけです。
せっかく日本人に生まれたんだもの。
(といいつつ、本に出てくる言葉ほとんど知りませんでしたが笑)

なんにせよ、見るだけでは忘れるので使うことが大事ですよね。
自分の脳を涵養したいものです。(合ってる?笑)



また、著者の方がおっしゃっていた咀嚼について、ぼくは違う場面で同じような言葉に出会っていました。
それは子どもの頃好きだったカードゲームのあるキャラクターと一緒に書かれていた言葉。

「知識はよく噛んで味わいなさい。知識ほどのご馳走はないのだから。」

妙にその言葉が印象に残っていて、現在のぼくの心の中に深く根付いており、
著者の方がおっしゃることと似ているなぁと思ったわけなのでした。


性なる人びと : 家田荘子

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見開き1ページのそれぞれの性事情レポート。



・高齢者のための高齢者によるストリップだって夢じゃないかも。

・ストリップ劇場で、お客さんを上から眺めていて、ひとつの大きな特徴を発見した。
 ダンサーが、衣装を着て踊っているうちは、みんなからだを正面に向けたまま、
 少しも変化がない。横目で見ながら、誰もがすましているのだ。
 ところが、ダンサーが衣装を脱いで、回転するステージの上で開帳を始めたとたん、
 みんな一斉に、首を突き出し、顔を丸々そっちに向けて、一転を一心に見続けるのだ。
 穴が開くほど真剣に、瞬きさえ惜しむかのように視線集中をしている。

・バンコクのソープでは、マジックミラーがあり、そこからメークや編み物をする女の
 子たちを見ることができる。誰が選ばれるか、妙な競争心が生まれたのをよく覚えて
 いる。こうやって、露骨に競わせるから、女はますます美しくなろうとするのだ。
 風俗で働く女の子たちの多くが入店後、どんどんかわいくなっていく理由が、改めて
 分かった

・多くのラブホテルでは3人1組で、3分から7分でルームメーキングをやり終えると
 いう。一人が浴室、一人がベッド、もう一人が洗面所や雑用をやりながら、シーツ替
 えのときのベッドメーキングを手伝う。余分な歩きを一歩もせず、あっという間に
 直後の部屋でなく「使用前の部屋」然に変えてしまう。

・でも大体、「出会い系」をやっている中から、お遊びでなく、本気の相手を
 見つけること自体、至難の業なのだ。


・やっぱり探偵依頼の80%は依然夫の浮気関係の調査とか。
 ネクタイを結ぶときに、紙切れを入れておき、ネクタイを取ったとき、落ちる仕掛け
 にするというのは有名な浮気発見法だが、他にも、シャワーなど体を濡らすと、
 ダンナの体にこっそりつけておいた液部分の色が変わる3万円のスプレーや、
 下着に精液がつくと、色の変わるスプレーなど、新兵器もある。
 
・妻があやしいと感じたら、夫は、99%浮気をしていると、美人ベテラン探偵は言う

・合コンをしたがるわけ
 あの(誰にしようかしら)、(誰が選んでくれるかしら)とあれこれ考える、緊張の時間
 がたまらない。だからマッチングしなくっても、懲りずにみんな、期待して合コンを
 繰り返す。

有名人のクスリ報道が多いけど、逮捕された子供や人の家族を責めることよりも、これを機に、より「ダメ、ゼッタイ」の啓蒙活動にマスコミが参加することが大切ではないのだろうか。

・アブノーマル系の人は、趣味嗜好がうるさい上に、美的意識も高いので、なかなか
 カップルが成立しない。

・どうせこの人もノーマルと思うと、なんか最近は、恋する元気もなくなっちゃって。
 明るくSMできる世の中になったらいいのにね

ノーマルってなんでもないことのようだけど、やっぱりすごいことなのだ

・本当に魅力のある人というのは、少人数グループに存在すると、私は思っている。
 彼らは何が楽しいか、自分はどうしたいのか、そして今、自分はどういう地点に
 いて、何をしているのかをよく知った上で、ムリをせず、素直に生きている。

私が作家になって以来アピールし続けている
 「自分のものさしを人に当てはめてはいけない」






著者がラブホテルの清掃を体験した話が特に面白かったです。
テキパキと忙しいんだなぁ、と笑


この本に出てくるのは援助交際をする学生やドラッグに手を出す人など
社会からはみ出した存在の人たち。いわば一般世間から嫌われている存在。

でも、著者が最後に言っていた「自分のものさしを人に当てはめてはいけない」ということを考えると、
一概に否定できないな、と思いました。いや、むしろ否定するほうがおかしいのかも、と思うようになりました。



普段では聞けないことを間接的に聞くことができるのが家田さんの本の魅力。
もっと読みたいものです。

ももこの話 : さくらももこ

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まる子だったあのころの思い出と爆笑エピソードエッセイ。



・今考えてみれば、母は八百屋の店番をしながら、そのあいまをぬってけっこういろん
 な料理を作ってくれていた。コロッケやてんぷら、オムライスなど、子供の好きそう
 なものを毎日考えてくれていたにちがいない。

・私たちが何回も何回も「コレ、おいしいよね」と言うので、母は非常に嬉しそうだっ
 た。


・私はそのままあまり食欲のない子供として母に文句を言われながら育ったのだが、
 途中母の文句のナイジェリアがアルジェリアに変わった

・ヒロシは、この歌(喝采)の出だしから間違えていた。
 ♪いつものようにまくら空き 恋の歌をうたう私は 遠のいた知らせに
  黒い不死鳥(ふしどり)がおりました
  われら三年前 飛べるあなた えきりのごし くどきはじめた汽車へ 
  ひとり呼び乗った

・さっき一瞬母の顔が気の毒に思えたが、もうただのブタまんじゅうにしか見えない

・普通の習字と違ってかきぞめ用紙はふんどしみたいにやたら長い

・新聞紙にくるまれたやきいもを家に持って帰るまでの、紙とイモの匂いが
 まじった香りも期待の高まる喜びに満ち溢れている。イモの熱が、新聞紙を介して
 掌に心地よく伝わってくる感じもオツなのだ

たとえ買えるお金を持っていたとしても、自腹を切ってまでやきいもを買おうとは
 思わなかった。でも誰かが買ってくれるのなら欲しいのである。やきいもとは
 そういうものだ。


・子供のヘソが曲がるまでにはそれなりに理由があるのだ。

・みんな、もっともっと植物や花に興味を持ち、外国のようにどこの家の庭やベランダ
 からも花が咲き乱れる風景になればいいのにな

・バレンタインの当日は、絶対に何ももらえそうもない風貌の男子までがやけに色めき
 たち、絶対にふられそうな風貌の女子までがチョコを胸にやはり色めきたっていた。
 休み時間になるたびに、廊下では多数の女子がウロウロ、男子たちは教室でソワソワ

将来なりたいものが漫画家なのだから、どんなに体育ができなくても関係あるまい。
 漫画家になるためには、常に漫画の絵の練習をし、じっくりたくさんの漫画を読み、
 あとは余計なことをせずにおとなしく気楽に過ごしていけばよい。


・参観会のときに手を挙げて発表するなんてそんなめっそうもないこと

漫画を読むということは、体の運動ではなく心の運動なのだ。
 楽しい絵やキャラクターたちのしゃべるセリフにより、心がどんどん広がっていく。
 冒険をしたり、すてきな恋愛をしたり、なんか知らんけどやたら感動したり、ビジュ
 アルとともに自分のペースで無理なく心を運動させることができるすばらしいもの、
 それが漫画。


もしも自分の描いた漫画を、たくさんの人が読んでくれるなんていうことになったら、どんなにうれしいものだろう、とそんなことを授業中や風呂に入っているときなど所かまわず夢みていた

・パンツとシミーズだけ着てすごすことにした。子供か婆さんだけに許される行為

・私は小川が大好きだ。小さい川を見ると、何かいるんじゃないかとわくわくする。

・高校3年の夏、私は漫画家になりたいという夢をたまちゃんに告げた。たまちゃんは
 「ももちゃんならなれるよ」と言った。そして、自分は外国に留学したいという夢を
 私に告げた。私たちは、もう一緒の春を過ごすことはなくなる。
 たまちゃんがポツリと「大人になっても隣同士の家に住めればいいのにね」と言った。
 その言葉の中に全ての悲しみが含まれていた。私は顔を上げずに「うん」とだけ言っ
 た。目の中にたまった涙が乾くまでまばたきもしないで下の方を見ていた。
 翌年の夏、私は漫画のデビューが決まった。同じ頃、たまちゃんは成田からアメリカ
 に旅立った。

努力とかやる気とか、そういうものより肝心なものが「調子」







ちあきなおみの喝采を父に教えるエピソードがオモシロすぎて、5分ぐらい笑い続けて疲れました。
でも久しぶりに心から笑えた気がしました。感謝。


漫画家になりたいっていう純粋な気持ちを描き続けたからこそ今の著者があるんだなぁと妙に納得してしまい、
夢を見続けることの大切さを爆笑エッセイから教えていただきました笑

それに伴っての著者のフットワークの軽さというか、安定したヌケ感はやはり魅力的。
大事なのは「調子」っていうのが、心に残りました。



十年不倫 : 衿野未矢

10years love affair

不倫の本音を聞けるノンフィクション。


浮気と不倫のちがい
 浮気・・・一時の気の迷いやその場限りのお楽しみで終わる一過性の関係
      本人たちも恋人同士という自覚は薄い
 不倫・・・精神的な結びつきがあり、それを持続する意志を共有している関係


・「相手を100%信じることができないのが、とても辛かった」
 「妊娠したと伝えたら即答でおろしてくださいと言われた」

・考えてみれば現代社会を語るのに欠かせない「初婚年齢の上昇」「少子化」
 「離婚件数の増加」は、同時に「不倫の起こりやすい社会」であることを示す
 キーワードでもある

・いちど不倫を経験すると、既婚者が恋愛対象に入ってしまう

・知られないようにすべきだと考えています。無理をしていないから、怪しまれる
 ようなこともないと思う

友達と恋人の真ん中みたいな、楽しい関係

不倫ではない恋人や友人との関係でも、旅行は間柄を一歩深める。
 さらに不倫カップルにとっては、不倫につきもののモヤモヤをリセットし、
 長続きさせる効果をもたらす
のだ。不倫カップルにとって、旅行とは、ひとつの「橋」を渡り、次のステージにうつったことを意味するのだ。

・人を部屋に入れるということは、自分の生活ぶりや、受けてきたしつけ、価値観など
 素顔を見せるのと同じだ。

・手の内をさらけだした側は、どうしても弱い立場になる。

・旅行する、部屋に入れるというのは、彼を生活の一部に繰り入れるということ。
・いったんできあがった日々の暮らしをくつがえすのには、大きなエネルギーがいる。

・既婚男性と恋人関係になるとは、彼の嘘を認め、受け入れ、共犯者になるという橋を
 渡ることに他ならない。

・不倫という関係は、社会のひずみが生んだ心のほころびを縫い合わせている

・「不倫といわないで」という発言のパターン
 これに類する発言をする女性は、恋人のことを本気で好き、あるいは本気で好きだと
 思い込んでおり、「不倫したかったわけじゃないの。好きになった人に、
 たまたま奥さんがいただけ」と考えている。つらい恋をしている自分に酔うタイプ。
 男性たちが口にしがちな「妻とは冷え切っている、好きなのは君だけだ」という、
 陳腐とも受け取れる言葉を素直に受け止める。会社の経費で愛人と遊びまわるせこさ
 を「彼にはそれだけの力がある」と理解する。

・「結婚する前に出会いたかった」既婚男性がシングル女性を口説くときの常套句。
 すでに生活の一部になっている彼女を手放したくないが、責任はとりたくないし、
 夫婦の仲も良好だから、離婚に踏み切る理由もない。

・結婚願望と頑固なヨロイというズレに、不倫はぴたりと貼りつく

・「純粋な気持ちで不倫する男なんて見たことないから、不倫したことがある女は、
 遊ばれた女に見える」「女性は不倫も恋愛の一種だと思っているかもしれないが、
 大半の男は浮気だと思っているはず」

・長年、浮気調査を手がけてきての実感。「不倫する男は好奇心、向上心、バイタリティーがあり、女性にとっても魅力的なのではないか。英雄、色を好むは本当だと。」

夫は最後は妻に戻る。不倫は、生活、お金、考え方の違いも関係ない、都合のいい
 間柄だからつづく


・ばれずに不倫を長く続けるコツ
 まずは会う回数を絞ること。うまくいっているケースでは、月に1-2回というのが
 多い。それから現地集合・現地解散。回数や会う場所について、はじめにルールを
 決めておくのも有効。

・夫が10年も不倫しているのに、まったく気付かない妻がはたして存在するだろうか。
 答えはイエス。

・意外なことに、妻を裏切って不倫する男性は「奥さんに従おうとするのが基調」
 「妻に従おうと我慢し、緊張している人が多い。ではなぜ従うのか?
 それは見捨てられ不安が根底にあることが多い。いい夫、男、父ができなくなった
 ときの不安も抱えている。それを続けようと我慢や緊張や不安で消耗し、
 きつい自分を棚上げして不倫をする」

親密とは、自分をひらき、わかちあうこと。自己評価が低い人は、それがこわい。
 奥さんと向き合うのを避けるために、仕事、酒に逃げるように、不倫に逃げる。
 不倫関係にケアを求める

見捨てられ不安が強い男性は「自分が相手を見捨てる」ことに強い罪悪感を
 おぼえるために、妻も愛人も切りきれず長期化します。


・印象ですが、不倫している親の子は不倫し、離婚している親の子は離婚するという
 傾向が明らかに存在する

・なんといっても「一人の家庭」は快適だ。

・十年不倫の女たちには、不倫という関係を許容する中で、清濁あわせのむすべを
 心得、達観したようなところがある。自己抑制もきいている。いざ別れるとなれば
 スパッと決断する強さもある。

・どれほど尽くしても、どんなに同情すべき点があっても、家族から見れば彼女は敵
 であり、社会や法律の保護は得られない。十年不倫を続けることは、「困難に
 ぶつかっても自助努力で解決していきます」と宣言するのと同じこと
なのだ。









浮気と不倫の違いについて考えたことがなかったので、定義が面白いなぁと思いました。
不倫をする男性というのはぼくから見ればたしかに人間としての魅力を持っていながら、重大な部分が欠陥しているように見えます。
腐りかけた道徳心というか、頭のねじを間違えた場所に埋め込んでいるというか、精神的な部分が。


別に不倫を肯定されている方は見る必要がないと思うのですが、
もし不倫で苦しんでいる女性がいたら、この本を読むことを願っています。
けっこう助けになるのではないかと思います。







運命の力 : フジ子・ヘミング

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読むと勇気が沸くエッセイ。



・部屋に強盗が入ってくるのと同じ。運命もいつやってくるかわからない。

・若いときは音に深みがでない 最近わかってきた

・どろぼうをしても、人殺しをしても、最初から悪い人間だって決め付けたくないわ。

・16歳のときに中耳炎をこじらせて、右耳の聴力をすでに失ってしまっていた。
 この風邪がもとで、左の耳もまったく聴こえなくなってしまった。
 私の耳は特別、音に敏感だったから、壊れやすくできていたんじゃないかな。
 美しい花ほどちょっと水が多すぎると枯れちゃうでしょ。私はどこか特別上等に
 できているところがあるから仕方がない、と自分に言い聞かせたわ。

・なにかにつけて私は目立ったけど、だけど、それが芸術家にとって最高に大事な
 ことだと思っていた。

・どこかに人を惹きつけるおもしろさがあるっていうのは、芸術家にとってすごい
 大切なこと

・クラシックの世界はつまらないことが多すぎる。

・リストは、貧しい人たちに心があった。
 葬送曲は好きな曲。ショパンの死を悲しんでリストがつくった曲。
 兵隊の足踏みや大砲が鳴り響く様子など、この曲にはドラマがいろいろある。

ピアノは一日弾かないと腕が落ちるので、常に練習している。

・音のひとつひとつに色をつけるように弾く。

・私は自分の弾くリストの「ラ・カンパネラ」がいちばん好き。鳴り響く鐘の音を模し
 た曲。

・ちょっと嫌なことがあると、ほかにいいところがあるんじゃないかと、すぐに
 荷物をまとめて動いていた。でもね、今思うと、どこにもパラダイスなんてない。
 ひとつの場所で辛抱していたほうが早く実る。

わたしのピアノは昔から最高だと思っていた。

ようやく自分でお金を稼げるようになったのは、40歳を過ぎてから。
 外国で誰にも頼らず一人で生きていくには、お金だけが頼りだった。

・有名になって変わったことは、経済的に余裕ができたこと。猫や犬を救うことができ
 るようになったのが、いちばんうれしい。

・ピアニストは、ほとんどがお金持ちの家から出ている。毎日8時間くらいレッスン
 しないといけない。だからよっぽどのお金持ちじゃないと、そんなことはできない。
 掃除も家事も誰かほかの人にやらせて、そういう人のピアノが認められる。
 そういう人の弾くピアノは二度と聴きたくないようなものばかり。

・人生の艱難不落から逃れる道はふたつある。音楽と猫だ。ーアルベルト・シュバイツ
 ァー

・「あの人はああだから」と噂されても、人の言っていることなんかわかったもん
 じゃない。肉眼でちゃんと見て判断しなさい。

・いい人にも悪いところはいっぱいあるし、悪い人にもいいところはいっぱいある
 それを分けて考えないほうがいい。

・愛っていうのは、その人のあるがままを受け入れるのが愛であって、その人が
 どうあるべきかは別。

国籍なんてただの一枚の紙きれにすぎない。生きていくうえで、そんなことは
 どうでもいい


・ドイツでは動物も人間と一緒に、バスや電車に乗ったり、レストランで食事を
 楽しむことができる。また、大家への断りなしに、猫を自由に飼うことができる
 という法律もある。

・その人がどんなに魅力的かっていうのは、その人の教養からくるものだと思う。
 歩き方やおしゃべりの内容、そいうものが必ずピアノでも音楽にでも、その人の
 人間性が表れてしまう。

・演奏会の前は、必ずじゃがいも一個入れたおみおつけを食べる。
 ゴッホは、毎日じゃがいもを食べていたって。オランダのじゃがいもは一番美味しい
 と思う。

・ドビュッシーの「海」はものすごく好き。この曲は彼の奥さんが亡くなってから
 作られた曲。

・ドイツでは、代々続く自分の家を壊して新しく建てようと思っても、絶対だめ。
 文化財として保護されているから。
 建築家は新しい家を建てるよりも、古い家をどうやって保っていけばいいかをもっと
 考えるべきだと私は思う






すごいなぁと思うのは、フジ子さんが自分の才能を疑わず信じて生き続けていること。
これって、多くの日本人にとってけっこう難しいことなんじゃないでしょうか。
40歳まで自分の可能性を信じて貧しい生活をしながら生きられる人ってなかなかいないと思うのです。

そんな経験からくる彼女の言葉っていうのは、やっぱりピアノの音と同じように重みがあって納得できるもの。
愛の定義と国籍が紙切れに過ぎない、っていうのが素敵だな、と思いました。



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