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点-ten- : 宇多田ヒカル

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「自分がインタビューで何を言ったかなんて全然覚えていない。その場その場で正反対のこと言ったり、
 かっこつけたり、テンション高すぎたり、嘘ついたりしてると思う。
 でもいつでも本気。」(帯のコピーより)




・5歳くらいまでは、ゲームに負けたりピアノがうまく弾けなかったりしたとき、根っ
 からの負けず嫌いなために悔しくて悔しくてそのたびに泣いた

・15歳になった。大好きだった部活もやめて、放課後と週末は制作に費やした

・「間違ってる」と感じる他人の行動や世界のあり方を、理解しようとすることをやめた。
 「どうして?」なんて問うことは無意味に思えた。外の世界のことは、ただ「知る」だけでよかった。
 自分の内側の世界のほうが大事だった。そこには自由があった。想像と思考は無限で、最強だと思った。

・大晦日の夜は”First Love”というバラードの歌入れをしていた。1999年だ。わーい。

・あー有名人になってもうた。きつい。デビューしたことを後悔した

・仲のよい友達が記者からお金を渡されて、私にインタビューをさせるために記者を
 校内へ案内したときは、さすがに驚いた。

・己の未熟さと格闘するうちに、ひどいことを言われてもあまり気にならなくなった。
 他人も、カッコ悪い自分も、許すよう努力した。許してしまえばこっちの勝ちだ

・セカンドアルバムがファーストから大きく変化したのは、歌詞。
 このころから「歌詞を書く」という作業が自分にとってどういうものなのか、意識
 しはじめた

・行き場のないストレスや不安を、遊びまくったりして発散するのもいいけど、
 それはその場しのぎの逃避
 もやもやを振り払うたったひとつの方法は、例えば、歌を創る、文章を書く、写真を
 撮る、絵を描く、といった創作活動なんじゃないか。

・作品、は創造、の副産物に過ぎない

・自分はああだこうだと、内と外の境界線をはっきりさせる考え方には興味がわかない。
 世界を自分の「内」と「外」で分別しだすと、自然からも本能からも離れていく気が
 する

・19歳になって早々、卵巣脳腫という病気が発覚した

・自由に生きるのは、決して楽に生きることじゃあない

・「誰にも理解されなくてもいいんだ、これが俺なんだ!」なんて思ってる人は
 かっこわるい。そういう気持ちで作られた音楽は、聴くに値しない

・英語より日本語のほうがひとつの言葉にいろんな意味や思いが込められてるから
 言葉選びは難しいんだけど、日本語のおもしろさとか行間の持つ独特な雰囲気は
 気に入ってる

・1stアルバムに収められた11曲は、14歳の終わりから15歳の終わりまでの
 約1年間を書いた楽曲だった

・wait&seeについて
 今回は「リスク」っていうのを入れて「行動を起こすのは、その先にある結果を
 見るためなんだよ」っていうのをはっきり言いたくて。
 曲の最後に笑い声が入ってる。jam&lewisは「あの笑い声がなかったら、この歌の
 意味が届かない」と言った

・For youの歌詞のテーマは孤独。

・何個かハートを壊して、そして自分も大人になっていくのよ!

・Final DistanceのFinalは「いちばん重要な」という意味がしっくりくる

・必ずペンで書く。何か、消えちゃうものは嫌いなの。消しちゃうのも嫌。

・タイトルはその曲のいちばん最初の自己紹介なの!

・SakuraドロップスとLettersが書けたことで「ジャンルなんて関係なく、”あた
 し”っていうところに来れた」

・人、働いて強くなる(サラリーマン金太郎)

・経験を避けてきてるぶんだけ「知識あっても魂ないよ!」

・travelingあたりでピークった私の目標っていうのが「最高の邦楽をつくりたい」

・COLORSという言葉は「気分を変えるとか心境を変えるってことは、自分から
 少しずつやっていくこと」という彼女自身の思いから浮かんできた

・言葉のない部分にだって、言葉以上の想いは込められてると感じることができる
 と思う(Be My Last)

・Keep Tryin'。みんなの歌だった。
 みんながこういう明るい元気な曲を待ってるのをずっとわかってて出さなかった。

・Sakuraドロップスで描いた「青い空」は「自分の力じゃどうにもならない力」の
 象徴だった。COLORSでは「邪悪な青い空の下で一生懸命にもがいている人間や生
 命」を描き、またPassionでは「年老いていってしまう人間をあざ笑っている青い
 空」

・アルバムULTLA BLUEは、画家の一時期の作品を並べた画廊みたいな作品。
 「初めて見せたの、自分のこと。見せてるの」

・自分の手を離れて受け取り手のセンスにゆだねるしかないってとこで、それがさ、
 作品の最終的な過程で。で、それを許すことによってひとりよがりじゃない作品が
 できると思うの。

・今まで人に「あの歌が好き!」って言われて嬉しかったのはLetters。
 今は「ぼくはくま」

・「ありがとう」って言われるとなんかビミョー。友達とかに言われるのは
 別に気にならないんだけど付き合ってる彼とか。デートとかしてその後にメールが
 きて「今日はありがとう」とか言われると「なんか別に私は楽しかったし、
 いいんだけど?」みたいな?距離を感じちゃって、なんか寂しい

・「Kiss&Cry」とはフィギュアスケート選手が競技を終えた後に採点を待つ場所の名
 称。「この歌詞はね、非常に西洋哲学と東洋哲学の両方を融合したような哲学な
 の。西洋だと、運命は自分で切り開くもの、東洋だとすべてはもう決まっている、み
 たいな。わたしはその両方を思う」

・仕事か恋愛かとるっていう感覚がわからないの。それって、睡眠とるべきか食欲
 とるべきかみたいな問題じゃない?両方必要。欲張って両方とんなきゃダメでしょー

・心の電波を飛ばす場所。HEART STATION。
 私、ラジオは好きなの。ラジオ界が好きなの。「音楽が好きなんです」みたいな
 手作り感とかアナログ感とかすごいあって。

・悪いポップはコビだけど、良いポップは思いやりだから。

・ああ、もっと人を見る目が欲しい

・たどり着いた結論は「疑いはいつまでも残り、だから信用することに意味がある」
 疑いは、人を特別に信用することを可能にさせる

・ファンクラブがないこと。なぜかというと私のファンとして固定ファンになって
 もらうことを望んでないから

・言葉は、歌詞は、無理やり書くものじゃない。
 元の曲の中にあってそこからふっとできるもので。

・どこにいるかよりも、
 誰といるかがだんだん大事になってきてる。

・あっ、そうか。
 ひとりぼっちじゃないから孤独なんだ。




読んでいて、純粋に楽しい。
たぶん宇多田ヒカルが好きじゃなくても、そう。

読書好きの彼女だから、インタビューの中にたくさん彼女らしい哲学が出てきた。
いろんな知識や思想を彼女の体に見事に溶かし込んでいるような印象。
著者が天才的なのは、そこなのかもしれない、と思った。



AutomaticからHeart Stationまでの数々の名曲が生まれる過程が非常におもしろかった。
歌詞に何ヶ月もかけたりすることを知ると、ただ聴く側の自分も「もっとしっかり聴かなきゃ」と反省。
誰の曲にかかわらずだけれど、このひとつのフレーズにこの人はこんな思いを込めてるんだ、って
どうせなら聴いていて気付きたいし、どうせなら想像してみたいから。



あと大変申し訳ないのだが、
本を読んでいて「あっ。ぼく宇多田さんとは友達になれそう。」と思った。(何様)
なんとなく「内側の世界が重要」みたいなところに共感を覚えたからだと思う。
ぼくもそうだから。
昔から外の世界にあんまり興味が沸かない。
もっと興味持ったほうがいいはずと思うのだけれど、
何より重要なのは死ぬまでのぼくの「内側の世界」がいかに素敵になるか。
あぁ、だから生きずらいんだろうな、とも思うが、そう思っちゃうのだから仕方がないかと
この本を読んで再確認した。




良書。

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くすぶれ!モテない系 : 能町みね子

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モテない女子のための笑える指南書。

・女子のみなさん、オトコにモテたいかー?
 「オー☆」と答えたあなたはさっさとこの本を閉じてさっさとうちに帰れ。

・モテるわけではないということは、・・・モテないということか。

・濃密なモテないオーラがむぉんむぉん

・女子も男子も簡単にジャンル分けすると
 「モテ系」…合コンで絶対ひとりは異性を落とせそうなタイプのこと
 「モテない系」
 「圏外」…10人中10人に「あの人だけはナシ」と言われてしまう人
      ものすごくレアモデル。絶滅危惧種。(絶滅はしないが)
 にわかれる。モテない系の下に圏外がいる。

・モテ系の子を「モテ子」、圏外の子を「圏外ちゃん」
 モテない系には愛称なんかつけねえよ。お前ら強く生きろよ。

・モテない系の特徴、その一。「モテるために何かする」ということに
 ものすごく抵抗がある。

・「非モテ」。あえて非なのだ。世の中の「モテ」に対しては毅然とした態度で
 臨みたいというプライドを感じる。

・モテない系は基本的には「見学」で終了。目の保養以上恋愛未満。

・世間はクリスマス一色ですね。クリスマス。はい、「だから何だ」ですね。

・モテない系女子が好む男子
 線の細めな文系男子、ちょいワルおやじ

・モテない系小心派と柔軟派との大きな違い。それは半タメ口(基本敬語で「そうなんだ」「そっかぁ」とさりげなく軽いタメ口をはさむ)が使いこなせるかどうか

・半タメ口は、男子のふところへ入っていく突破口

・モテない系がはまりこむエッジのきいた地獄の趣味
 ブライス(びっくりするほど男受けしない)地獄。着物地獄。

・「くるり」を出せば「私は音楽が好きですよ」という最小限の自己アピールになる
 適度におしゃれでこだわりがあり、しかし決してマニアックではない

・海外の音楽のマニアック系の話を出すと音楽好きの男子にさえ引かれる。
 音楽の話題自体避けましょう

・腐女子のビジュアルイメージが「圏外ちゃん」
 オタク。コミケ。やおい。でかくて厚いめがね。ビッグサイト。化粧っ気なし。
 乙女ロード。非おしゃれ。

・腐女子のモテない系は、まず自分の趣味を公表しない。

・モテない系は全体的に、男と男が禁断の愛をはぐくむということに
 抵抗のない人が多いと思う。現実の男子について「アレはゲイなのでは?」って
 想像することを楽しむ人は相当いるはず。

・モテ系の色。淡いピンク・モノトーン・茶・銀。
 モテない系の色。モノトーン・茶。くすみ感と全体的な弱さ。

・私が考えるに、世にあふれるファッションアイテムは
 「モテ系」「モテない系」「無難(ユニクロ、無印)」「ゆる」「圏外(キティちゃんサンダルやスーパーの衣料品売り場で買ったものすべて)」に分けられる

・モテない系の「三低」。低身長、低声、低テンション

・「温かい目で見てあげるべき人」という危険区域

・モテない系は絵文字だらけのメールを送られるのが嫌い

・モテない系はなぜか誕生日をアドレスに入れたがらない。happy,star,heartとか、
 自分に関係ないキュート、ポジティブな単語も入らない。

・「こんなヘンな物が好きな自分がすき」という気持ちもちょっとはある。

・モテない系は、カフェが大好き

・女子の大学院生は圏外ちゃんが多い。だれもかれも、個性を煮込んで完全に
 汁気を飛ばした、秘伝のたれみたいな人

・負け犬の定義は基本30を過ぎても未婚

・醸造されたモテないオーラ

・ポジティブすぎる瘴気にさらされると力が出なくなるモテない系。

・言動に統一性がなく、予測がつかない。これこそが純・不思議ちゃん
 「不思議」はモテではない。

・ただのおっさんとは、下ネタに積極的に反応、創作和食ダイニングなどではなく
 年季のはいった居酒屋に行って焼酎や日本酒を平気で飲む

・凛とした女はモテではない





著者の個性的な文体が好き。すごく楽しく読める。
モテない女子のため、という趣旨だけど、読んでみた。ゲイだからいいよね、きっと。


どんな人がモテ系なのか、モテない系なのか、圏外なのか。
著者の定義がとてもおもしろい。
著者の観察眼は凄まじいと思う。かゆいところに手が届くというかんじ。
だいたい「圏外」という存在を定義していたのに笑ってしまった。
そんなことを深く考えたことないもの。


たしかにモテない系の人って、実は隠れおしゃれで自分の世界を大事に大事に守っている人が多いのかもしれない。
誰にも理解されないけど、それでもいいや、自分がよければ、っていう感じだろうか。


ぼくも自分を客観的にみて「モテない系」だろうかと思ったが、明らかに圏外。



今度はゲイ向けに一冊書いて欲しい(笑

ていねいな暮らし : 柳沢小実

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著者の好きなもの、人が良い意味でのんびりと綴られている。



・大事なこととちょっとチカラを抜くところのメリハリをつけたら
 いちばん側にいるたいせつな人に
 思いやりをもって接することができるでしょう

・ていねいな暮らし なんだか、ちょっといいよね

・暮らしも、人づきあいも、恋愛も
 古風だっていいと思う。
 だから、赤い糸をどこかで信じていても
 笑ったりしない。

・風の向きやにおいに敏感でいたい。

・時代が変わっても、いつも新鮮に、素敵にうつる人がいます。
 芯はしっかりしているけれど、人にたいしては物腰柔らかでとても朗らか。
 そんな人たちにはちゃんと理由があります。
 ものづくりや表現への真摯な姿勢と努力を怠らないまじめな人柄。
 プロとしての、誠実な視点を持っていること。

ーinterviewーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

假屋崎省吾
・取捨選択をすればいいのです。まず触れてみて違うなと思ったらやめればいいけれど、
 食わず嫌いはもったいないから興味を持ったら眺めていないでやってみるべき。
 味見をしてみるのっていいこと。人間って変わるものですから、頑固はダメ。人の
 意見もどんどん聞いて、いいものは取り入れて合わなかったら拒絶する。

・子どもはみんな大人の背中をみて育つから、まず年長の人を教育しなおさないと
 いけないなと思う

・取り返しのつかないことなんてほとんどない


大橋歩
・浪人生のとき、色感は先天的なものだけど形は努力でいくらでも上手くなるからと
 先生に言われて、それを信じて頑張ってきたのね。イラストレーターになってからも
 一生懸命描いていれば上手くなるだろうと思っていたけれど、ある時気付いたの。
 形だって先天的なものだって。それは文章も同じことだと思うんですね。
 編集者の方にも勉強なんてしたら文が全然つまらなくなるからしなくていいのよと
 言われたので、あぁいいのかなとそこにあぐらをかいています。

・受け手のことを特に考えて作ったわけではないですが、面白く思ってもらいたい
 という気持ちでものづくりをしている。

・どうしてこれがやれないのかな?と思ったときに、周りの状況のせいにしてしまうと
 ちゃんとした答えを自分の中に出せないですから。
 できることしかできないからしょうがないやと思ってやってきた


ジョアンナ・ホー
・長いファッションの歴史の中で私自身が挑戦したいのは、いかにモダンに現代的に
 前進していくかということ。

・服作りの一貫したテーマはBe Yourself。

・幸せな気持ちでいることが服づくりにも反映されるので、人と会ったり楽しんだり
 することは私にとってとても重要です。
 バランスをとることや心を落ちついた状態にしておくこと、これが服づくりの中で
 一番大切なことです。


大原照子
・料理は民族の喜びと悲しみが詰まったもので、こういう土地だからこういう料理に
 なったとか民族の歴史が料理の中に生きているのです。

・物が少ないとものをなくすことや探すことがない

・時代に消費されることなく、軽やかに一歩先を歩んでいく

・できないことを望まないし、人を自分と比べませんから。
 自分でできる範囲以外のことは、やらない、手を出さない、望まない。
 自分の身の丈に合ったことしかしないけれど、少しの努力で手の届くことに関しては
 もちろん努力

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏。
 オーストリアの建築家であり芸術家
 建物を建てること自体がすでに環境破壊につながるという考えから、
 建築物の緑化を提唱。外観や内装のデザインもできるだけ直線を使わずに
 あたたかな線と色彩で表現する

・焼却工場と煙突は一体のもの。大きく攻撃的で冷たい表情を持つ建物は、
 人間おのおのが持っている創造性を活かすことにより、人間らしさを
 取り戻すことができます。

・手ぬぐいはハンカチやタオル代わりに便利。夏場は特に乾きが良く、お水との
 相性も抜群。水を吸ってもクタッとせず、濡れた面を内側におりこむことで、
 いつでも乾いた清潔な面を使うことができる

・日本の文化は堅苦しく思われがちですが、花や和の文化、涼しく暮らす工夫、
 暖かく見える工夫など、日本の伝統の中にも良さや暮らしの知恵が沢山ある

・手ぬぐいを染める技法「注染」は江戸時代半ばに生まれた当時の大量生産の技術。
 はじっこを縫わないで切りっぱなしにしているのも、その分手間が省けるという
 理にかなったもの。高温多湿の日本では縫いしろがない方が乾きが早く、草履や
 下駄の鼻緒が切れたら手ぬぐいの端をぴりりと裂いて補修、ケガをしたら包帯がわり
 に巻くまどの諸説もあります。注染では両面を染めることができるため、使い込む
 ほどに色落ちをして、風合いが出てきてさらに使いやすくなる。

・古来から桜は日本人にとって神聖な木とされ、江戸期には庶民の間で花見が盛んに
 行われるようにもなりました。

・ル・クルーゼ。「小さなかまど」とたとえられているお鍋。
 ヨーロッパの人は色に敏感なので、色選びにも国民性が反映。たとえばフランスだと
 赤がダントツ人気、ドイツでは色のない調理器具が主流なので黒が好まれていたり
 とかなり顕著。ちなみに、日本だとオレンジ、赤、イエローの順で直径20センチの
 丸型タイプが一番親しまれている。

・心をこめて作られたものは、作った方の気持ちが伝わるからこちらも背筋が伸びる

・がんばらず、手を抜かず

・パンを抱えて帰るのがとても好きです




イラストレーターの大橋歩さんのインタビューで出てきた言葉が一番印象に残った。
色感も文章も先天的なものなんだなぁと。
もちろん努力で変えられる部分もあるのだけれど、自分が元から持っているセンスみたいなものに
もっと目を向けてもいいんじゃないか、それを大事にするべきなんじゃないか、って考えさせられた。

ぼくが持ってる文章のセンスなんてごくわずかだろうけど、
それでも最近はいろんな本を読んできて、このブログにまとめてきて、
なんとなく自分の文体、みたいなものがわかるようになってきて。

自分の拙い文章でも愛さなきゃというより愛していいんだ、と思った。

オカマだけどOLやってます。完全版 : 能町みね子

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性同一性障害である(著者はこの表現を嫌うけど)著者のOLライフ。(まだチン子がついている間の)



・うわー。なんて女って楽なんだろう。重い荷物を運ぼうとすると、オトコの社員が
 持ってくれる

・怖いのがくしゃみとしゃっくり。

・3年たってもいまだに慣れないのが、「彼女」って呼ばれること。

・(合コンで)一度アネゴと呼ばれたら、もう終わりだ。
 モテモテ役はムリだとしても、「端のほうで目立たないけど、不思議と
 魅力を放つ人」の座をこっそりめざしていたのに。

・私が、「性同一性障害」っていう呼び名を嫌いなのは、「私たちは病気だから、
 女装してるような変態とは違うんです!」みたいな、へんな主張を感じるっていう
 理由もある。

・性同一性障害の人たちの言葉で、よく「こどものころから自分は心が女・
 男だと思っていた」というのがあるのですが、私は全然そんなことありませんでした。
 女だなんて思ったことありません。

・オトコとしてもわりと低い声。バリトンヴォイス。
 だから、服を買いに行くときは、自分としてはいのちがけ。声でバレるのはいやで

・ひげがいやんなった私はホルモンについて調べたのだけど、実はヒゲには
 ホルモンが効かず、レーザーの永久脱毛がよいみたいだということがわかった

・女性ホルモンには、錠剤だとメジャーなものとしては2種類あって、卵胞ホルモンの
 プレマリンと、黄体ホルモンのプロベラがある。卵胞と黄体、ほんとは両方やるもの
 なんです。

・ブラをネットに入れるなんて知恵だれも教えてくれなかった

・チンポジほどじゃないけど、ブラひも直すのも堂々とできない

・このパンツだって、まさか中にチン子を入れるつもりで作られたんじゃないと
 思うんです。パンツに申し訳ない。

・女性ホルモンで体はほんのちょっと女性化するし、男性化するのはある程度止められ
 るけど、副作用がひどいうえにヒゲは生え続ける

・女性ホルモンをとり続けると確実に子どもは作れなくなります。そんな怖い
 リスクだとは知りませんでした。

・「川本真琴&あえぎ声トレーニング」と「ふだんの地声を少し高くしようトレーニン
  グ」、たまに「強制電話トレーニング」というメニューをしばらく続けていると、
 なんと半年くらいで、いつの間にか地声が高くなってた

・「いま、精神科にかよってる・・・」
  いきなり核心をつく勇気がなくて、外堀から攻めてそんなふうにカミングアウト
  しました。

・改名手続きって、裁判所でやるものなんです。
 裁判所に、改名したい理由をつけて改名の申請をして、それを証明する書類を
 いろいろそろえて、「確かに改名したほうがいい」と思ってもらえたら
 オッケーが出る。
 ただ、「性同一性障害なので」というだけじゃ、審査が通らないことがあるらしい。
 新しい名前で何年間か暮らしたという実績がないとダメなんですってよ。

・「社内旅行しようか」
 いきなり部長が思いついた。思いつくなよ。

・GKBR(=ごきぶり)

・私みたいにチン子が生えている場合は、かんたんに恋愛できません。けっこう
 きついです。正直。

・私がいちばん「あぁ私、女になった!」って感じたのは、彼氏ができたときではなく、
 彼氏ができたときに、ある友達に本気で嫉妬されたときでした。

・チン子取り手術の話を人にすると、「夢に向かって頑張って!」という反応が。
 実はこれ、かなり違和感がある。チン子を取るのが夢?そこまで私の人生の目標
 低くないよ、とか思っちゃう。私としてはただジャマなものを取っ払いたいだけ。
 それにお金がかかるから仕方なく貯金をしてきたのだ。





ひとつも飾りつけなくて、読む人を楽しませようとしてくれる著者の文体がぼくはとても好き。
ナチュラルな人だな、と思う。


男が女になるその過程で、気付いたことがいくつも笑い(?)のネタにされており、
思わず笑ってしまった箇所もいくつかあった。
たとえば、男の声から女の声にする方法とか、男であることをバレるのを避けるために
くしゃみとかしゃっくりをいかにして回避するか、とか。
「ほぉー!そういうことするのかッ!」と、おもしろ可笑しく読ませてもらった。



読んでいたら、性同一性障害の人に「性同一性障害」っていう言葉を使うことを今後したくないなぁと思った。
こう呼ばれた人はどんな気持ちになるのかと。
もちろん人によって、受け取り方は様々だから一概には言えないのだろうけど、病気みたいな印象がどうしても
ぼくの中では拭えないから、もしぼくが性同一性障害だったら、きっとそう呼ばれたくないんだろう。
「障害」っていう単語のせいだろうか。



勉強させていただきました。
しっかり笑わせていただきました。






花を愛した男 : 假屋崎省吾

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自叙伝。


・毎日の生活に追われる結果、優雅さや美しさが便利さに
 すりかえられていることが残念でならない。

・美というのは内面の美しさにつながるもの。

・「花からはじまるライフスタイル、花は心のビタミンです」

・創作することは、内向的でないとできない。自分の世界に浸れる幸せが、
 私にとって創作するということなのかもしれない。

・小学生のころになるとヒーローもののアニメを見るより、NHKの「趣味の園芸」
 「きょうの料理」「婦人百科」を興味深く見ているほうで、ちょっと変わっていた

・生真面目すぎる父が一時期大嫌いになったこともありました。しかし、受験に2度も
 失敗しているのに何も言わずじっと見守ってくれた寛大さには、本当に感謝の念で
 いっぱいです。

・稽古を続けながらスーパーマーケットやマクドナルドでアルバイトをするといった
 今でいうフリーターのはしりの生活が続いていたある日、家元は正式なアシスタント
 として私を雇ってくれた

・父と私をつなぐものは何かと考えたとき、土だと思った

・土、というのは自分の一生のモチーフ、ライフワークだと思っている。輪廻転生や
 「土に還る」といった意味もある。

・人間にはひとつでも自信があれば強くなれるもの。それが私の場合花だった。

・今まで誰もやっていなかったものをどんどん仕掛けていきました。植木鉢に全部
 土を塗ったサボテンを並べてみたり、フラスコにアンセリウムを一本ずつ
 並べてみたり。

・ディスプレイやインテリアデザインの仕事を通して、自由な発想で空間を花で彩る。
 それまでのいけばなは、しつらえられた状況の中に器を置いていけたものがよしと
 される世界でしたが、私は空間自体までをも作るという域にまで発展させました。
 徹底的にいい物を作りたいという思いでいっぱいでしたから、偏らないように沢山の
 本を読んで勉強し、できるだけ美しいものに触れる機会をつくって目を養い、ひとつ
 の作品を作り上げるまでに、とても多くの時間を費やしました。

・「注目されるようになると、足を引っ張る人間が必ず出てくるからお気をつけなさ
  い」

・黒い洋服を着るようになった一番の理由は、華道家は花を主役にする職業ですから、
 自分は黒子に徹するという意味合いがある。

・いけばなは、いわば引き算の美学。足しながらも、引き算を常に計算している。

・「人間には、どうしても常識の枠におさまりきれないタイプがある。
  考えがどんどん飛翔していって、いつのまにか夢の世界をさまよっている
  のである。このタイプこそ、まさに芸術の世界にはうってつけなのである」

・私にとって、花をいけるというのは夢。
 現実と夢が掛け合わされたようなガラスの器が一番好き

・人生の「かきくけこ」
 感謝、感動すること。緊張感。くつろぐこと。決断。好奇心。

・一番好きな花はパフィオ・ペディラムという蘭

・どうでもいいことを考えているなんて時間の無駄、また精神衛生上もよくない。
 すべてプラス思考で生きないと。

・土の器には、花よりもむしろ枝ものが、より映えてきます。地味で素朴だから
 自然な感じの枝ものが合う。ただ、土の器に自然のものは、あまりにぴたりと
 合ってしまうため、典型的な作品になりがち。ちょっぴりと、色の派手なもの、枝と
 かけ離れたものをプラスすると、ミスマッチによって新鮮感がでる。






読み手を元気づける言葉が多い。


「人間にはひとつでも自信があれば強くなれるもの。それが私の場合花だった。」
という言葉がとても印象に残った。



ぼくが仕事を始めたころ、よく上司(とても仕事のできる人)に
「自信を持て。」と言われた。
ぼくは知識も作業も遅くて、自信がいつもなかったのは事実だった。

それからどうにかしなきゃと思って、なんとなく仕事関連の本を読み出したことを思い出す。
「仕事をどうやったら早くこなすことができるのか」、みたいな本や
カーネギーの「人を動かす」だったり。

そういった本のおかげからか、ぼくはだんだんと自分の仕事に自信が持てるようになった。
というより、自信のあるふりをしていた。何かの本に、ふりをすることでいつの間にか自信がついているものだ、
みたいなことが書いてあったから。

それは知らない間に現実になっていた。

そして自信の源は自分自身の仕事に対する精神的な強さみたいなものだと思った。
本を読んで、ぼくのふわふわでやわらかかった自信が、研磨されて結晶化しているような感覚だった。



著者の花とは違えど、何かひとつを愛する気持ちみたいなもの。負けたくない、と思う。


良い刺激になる本だった。感謝。


イエローキャブ : 家田荘子

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5ヶ月の取材で見えたNYで生きる日本女性の素顔。



・ジョイント。体をこすって、ドラッグが早く全身に回るようにするしぐさのこと。

・NYでは、クラブに行く前に、ドラッグを嗜む人々もいる。音楽や踊りをより楽しむ
 ために、ノリをよくするため、あるいはファッションの一環として

・「レイプのあとね。私、これまでにやりたかったことを、グシャグシャに、いっぱ
  いやりまくったの。ドラッグもそうだったし、洗濯機に顔を突っ込むなんてい
  う、ばかげたささいなことも、その一環だったわね。だって楽しくしなきゃ、
  やってられない」

・彼女がいうと、どんなショッキングなことでも通り雨のよう

・「自分が嫌いだったのかも。でもそれを私は、日本のせいにしてた」

・スキンヘッドは、気持ちよかった。ああ、男は、こんな気持ちで生きているんだな
 って、少し世の中の厳しさが判ったような気がした。

・日本では、皆と同じようにして群から出ないようにしないといけない。

・NYってね、ここにいたら、何が起こるかわからないの。ウォール街とか、世界の
 トップもあるし、いろんな人がいる。ここで良くなるのも悪くなるのも、自分しだい。
 何かをやれば、すべて自分に返ってくる。私は好きでNYにいるんだから、何が
 起こっても…ということを頭に入れて暮らすべきだったの。

・私は、レイプされたのは、レイプした人が悪いんだと思って、それをずっと背負って
 きたの。でも今なら、自分に隙があったからだってわかるのね。

・黒人にはね、すごく熱いものがあるの。何かひとつのことに向かって、一生懸命に
 なるのね。それが、とっても輝いていて、パワフルなの。

・私、日本の社会が嫌いだった。学歴とか世間体で生きている人を見るのが嫌

・<マジック・マッシュルーム>
 南メキシコ産でインディアンが儀式に使ったりしていたサイロシビンという種類は特
 に有名。幻覚作用はLSDに似ているが、作用は4-6時間と短い。生のままでは
 食べにくいので、乾燥させたり調理して食べる。体力消耗が少ないと人気を呼んでい
 る。

・NYで、ストレートの男性を捜すのは、とても難しいと耳にすることがある。
 NYはそれほどゲイが多いし、またゲイであることがかっこいいことという価値観も
 存在している。そのため、わざわざゲイになる男性もいるほど。

・社会のせいかなぁ。それとも友達…。日本だとね、ドラッグにしても、何か悪いこと
 をすると、すっごい後ろめたさを感じさせられるようになってるじゃない?こっちに
 はないのよね。それに日本だと、お金がなくなると、とっても惨めったらしいでしょ。
 でも、こっちでお金がなくなっても、そうじゃない。みんなで同じものを食べたり
 できるし、友達にもなれるし、そのせいかな、NYがいいのは。でも、NYは自由
 すぎて、自由でもない。

・<マスカリン>
 LSDと同じ化学構造をもつ精神異常発現剤。いわゆるサイケデリクス。メキシコ産
 のサボテンの一種が主原料で、針状の白い結晶で売られている。吐き気を催すほど
 苦く、煎じて飲んだり、煎じた液体を浣腸するなどして使用する者もいる。
 摂取してすぐは気分の悪さが1,2時間続くが、そのあとLSDと同じような恍惚
 状態、幻覚、離人体験などが現れる。ブラックマーケットではLSDより高く
 売れる。

・日本にいた時、日本人とも付き合ったことがあるのね。だけど、日本人って冷たいの
 よ。ハートはやさしいんだけど、きれいすぎてなんだかお刺身みたい。

・友達とか、組織とか、はっきりしていて、しがらみがあるということが自分に
 合わない。また、曲げて、それに流されようとも思わない

・主人は、イスラム教徒なんです。毎週金曜日は教会に行くし、一年に一度、4月の一
 ヶ月間だけ、断食もしますしね。太陽が出てる間は、食べ物も喫煙も、肉体交渉も
 持たないと決められている。食べ物は、ポークとかハム、挽肉がダメで、骨付きの
 肉をカットしたものしか食べられないし、日本食は、エビとかの火の通っている
 お寿司くらい。

・女性は奴隷と同じ。キッチンとベッドにいればいい。死んでも男の足のほうに、
 女は土葬で入れられる。

・私の父は、数に限りあるものの場合、自分はほんの少ししかとらず、大半を母に
 あげるというタイプ。そんな父を小さいときから見てきて、こういう人と
 結婚したいなって思った。

・コカインを吸っているかどうかは、鼻を見るとすぐにわかる。ひどい鼻風邪をひいた
 時のように鼻水が垂れてくる。ただし、風邪と違うのはくしゃみをせず、垂れてくる
 鼻水が透明であるということ。

・「ドラッグには、いろいろあるんだよ。たとえば映画を見るときは、コーク。
  頭の働きを早くするから、監督とかストーリーとか、登場してる俳優だけじゃな
  くって、陰にいるスタイリストとかディレクターまで見えてくる。
  エクスタシーは、ハウスミュージックによく合うよね。LSDは、美術的なもの
  が、よく見えてくるしね。マジックマッシュルームは、宇宙的なことが考えられ
  るようになるよね。」

・ドラッグでメッセージを遺したい

ーあとがきー
・ある人は「世の中、金で買えないものはないよ」と、金銭的に恵まれていることに
 最高の価値を見出す。それは、それでいい。
 また、ある人は、「金でも名誉は買えない」と、地位や名声に価値を見出す。
 それも、ある。
 けれども、この本に登場する彼女たちにとっては、何よりも、自分の好きな場所で
 自分らしく生きる、ということが最も価値のあることなのだ。

・一人一人、人生が違うのであり、自分の価値観を当てはめるのはやめて欲しい。





ドラッグ、レイプ、恋愛詐欺。
そんなことがあっても、この本に出てくる女の人たちはNYを離れない。
強い、と思った。(ドラッグは別だが)むしろ、離れられないんだろう。
それだけ、自分が欲しいものを手に入れようっていう意志みたいなものを感じ取れた。



著者のあとがきの価値観については、正論。
自分と違う人間がいて当たり前なのに、それをすんなり認めることができないのは、なんだか自分がたまに情けなくなる。
自分にとっては間違いでも、他人にとっては正解なことが、この世の中には溢れている。


自分の価値観を知らないうちに人に押し付けていないだろうかと少し反省もした。

アタシと私 : 中山美穂

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ジャズノスタンダード「スターダスト」から生まれた中山美穂の宝物。




・全速力で走ることなんて二度とないと思っていたが、とても生きている心地がしてた

・訳もわからず笑いあってる二人は、死に損なった男と、夢の中でプレゼントになって
 しまった女。

・生まれたての太陽

・楽器は正直だ

・愛しさが初めて深呼吸した

・泣いたあとは上手に呼吸ができて気持ちがよかった

・男の浮気は一生なおらないってことは、唯一ママに教えられたこと。
 
・「蜂蜜ってさ、ほら紅茶に入れると黒くなるじゃない?アタシあれが嫌。
  でもレモンを入れると前よりも透き通るの」

・ダイナ・ワシントンのスターダスト。
 ジャズに名曲なし名演奏あるのみ。
 彼女はメロディと会話しているように自由に歌う。

・男と女というより人間同士というほうが相応しい。
 そんな人と恋がしてみたかった。

ーあとがきー
・裸になるより恥ずかしいという思い出発表した詩が、曲にならなかったのは当然
 「ヘタクソ」だったから。「やっぱり」というものでした。でも、そこには中山美穂
 がちゃんといた。
 人が読めば意味不明。だけど私には宝物…。




不思議な内容。ファンタジーなのか、恋愛小説なのか、正直よく分からない。
というか、どっちでもよかった。これが中山美穂なのだろうと思った。


あとがきがとても好印象で、
「人が読めば意味不明。だけど私には宝物…。」
というのが印象に残った。
創造することで自分の宝物が増えていくことは、とても意味のあることのように感じる。
たとえ誰からに批判されようと、卑下されようと、そんなことはどうでもよくて、
大事なのは、自分の中に宝石をどんどん増やしていくことなんだと思う。


外の世界より内側の世界を大事にしたらいいんだよ、と言われているような気がした。





ちなみにスターダスト。
文中にあったダイナ・ワシントン版がyouTUBEになかったので、ナット・キング・コール版で。



ザ・麻薬 : 家田荘子

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ハワイで麻薬に関わる日本人のレポ。



・<エクスタシー>
 LSDと同じ幻覚系の麻薬のひとつだが、幻覚作用は少なく、催淫効果に優れている。
 俗にいう「ラブ・ドラッグ」。80年代に急速に広まる。正式名はMDMA。
 長時間性的興奮を持続させることができると言われている反面、体に及ぼす悪影響は
 甚大。多幸感、時間の観念がなくなり、体が軽くなった感じが続くという。

・<マリワナ>=大麻、葉っぱ、ウィード
 大麻草を乾燥させたもの。とくにインド大麻は作用が強いと言われる。作用は個人差
 が大きいと言われるが、知覚が冴え、体が楽になり、浮き上がる感じがある。空腹感
 を覚える人も多い。また性欲が高まることもある。人によっては次から次へと考えが
 浮かんで、止まらなくなることもある

・<コカイン>
 濫用が問題になっている興奮剤(アップ)系のドラッグ。作用は覚せい剤(シャブ)と
 ほぼ同じ。中枢神経が刺激され、気分が高揚する。同時に頭脳が冴え、おしゃべり
 になる。シャブとは違い持続時間が短い。15-20分で終わる。そのあと、急激にダ
 ウン。それに耐えられず再び手を出す人間が多い。
 
・<シャブ(覚せい剤)>
 アンフェタミン及びメタアンフェタミンのこと。白い半透明の粉末になっており、
 日本では麻薬の王様。日本で本格的に使用されだしたのは1941年。
 元気が出て、2-3日睡眠をとらなくても元気が持続するので、軍や軍需工場で大い
 に使用された。
 戦後、有力製薬会社が「ヒロポン」の商品名で販売し、濫用者が急増。1951年麻薬
 に指定され、製造禁止に。
 強力な興奮剤。とくに静脈に注射すると手足の先がサッと冷たくなり、たちまち体が
 スカッとする。疲労感が吹き飛び、異様なぐらいセカセカ動き回る。
 中枢神経の興奮に伴い動悸が激しくなり、汗が出てくることが多い。持続時間は
 2-5時間。

・<アシッド(=LSD)>
 LSDはごく微量でも極めて作用が強いため、通常、紙に浸み込ませた形で販売される。
 作用として多くの場合、色彩が鮮やかになり、物がひときわ大きく見えたり、曲がっ
 て見えたりする。気持ちが爽快になり、もうひとりの自分が現れて自分を観察してい
 るような錯覚にとらわれる。
 LSDのもうひとつの特徴は、薬の作用が切れると周囲のことは気にならなくなり、
 眠れないままボーッとしていること。
 シャブやコカインに比べると作用は個人差が大きく、幸福感に浸っている人間がいる
 かと思えば、支離滅裂な言動をしながら攻撃的になるものもいる。
 濫用すると目まい、悪寒、頻脈など生じ、自殺にいたることも。
 身体的依存度はほとんどない。幻覚の持続時間は4-12時間。身体的ダメージは
 あまり強くないといわれる。



・ドラッグをやる人は弱い、と、ドラッグをやっている人も、いない人も言いがちだが、
 精神的に弱くても、ドラッグに手を伸ばさない人は、たくさんいる。

・今はリゾ・ラバよりもみんな、ドラッグを求めてハワイに来るわけ。

・平均14-16歳で、異性とドラッグを初体験した都会の少年少女たちが、
 さらに上等の快楽を求めて行く先がアメリカだという。

・「エックスを摂って、セックスをすると、どう違うの?」
 「愛が見える」

・「日本でやってたころは麻薬をしているってことで、なんとなく優越感にひたるよう
  な気持ちもあったけれど、アメリカで本物を知ってからは、そういう気持ちは消え
  たわ」

・ドラッグの大家(マスター・オブ・ドラッグ)

・「ドカーンと来て、パラドっちゃって、顎はカチカチ鳴り出すし、言葉もでない
  くらい来ちゃったの。あまりに速すぎて吐きそうだった。」

・「私たちはいつも、他人がどう自分のことを思ってるかを気にしながら生きてる
  けど、エックスを使うと、そんなの気にならなくなるのよ。クスリは息抜きでもあ
  るし、快楽でもあるし、なんていうのか、見栄とか張らないで、本当の自分になれ  
  る。」

・マスミはエックスを摂り、「この世でいちばんスケベな女」になるという。

・ハワイにやってくる日本人で、ドラッグに手を出しているコは、とても多いという。
 特に女性のほうが目立つそう。

・「マリワナは、ドラッグの最初の入り口ってとこかな?タバコを吸うような感覚で
  やってると思うんだ、みんな。」

・お酒より簡単に手に入るもん。ドラッグだと、店に行かなくても買える。

・レトルトパーティー。ハウスパーティーのこと。レトルト食品といえば、ハウスが有
 名。だから人に判らないように「レトルトやるよ。」と教える。

・エックスを摂ると、愛が見えるって言うけど、愛なんて、なかなか見えない。たとえ
 見えたって、本当の愛とは思えない。でも、一緒にいる女性が、すごく愛おしく見え
 ちゃうし、言いようのない幸福感に浸ることができる

・「シンナーって私の場合、凄いピュアになれる」

・シンナーには、幻覚作用がある。しかし続けていくと、身体的不快感、精神障害など
 を起こしやすく、頭が働かなくなっていく

・「アイスを打つとね、セックスが変わるの。なんでも、どこでも過敏になっちゃっ
  う。」

・「アイスはねぇ、ある程度もつけど、コカは、もうピャーッとなくなっちゃう。」

・「AVの仕事ってニューフェイスのときがピークなのね。」

・「落ちるときってすごいのよ。力も何もない。食べられないし、体じゅう参ってい
  るから、ただ水だけ飲んで寝るしかない。ハイに戻りたいから、もっと
  ほしくなるの。」

・「コークは鼻とか喉とか痛めたうえに、そこを通らなければ、ハイになれないの。
 だから飽きるのね。でもシャブならパイプに入れて燃やして、タバコみたいに
 吸うだけ」

・ドラッグがなくなると、絨毯の糸一本一本をかきわけて、隙間にドラッグが落ちて
 いないか何時間も探し続けるの。

・「日本人だけが、お金を持っているんだ。最初、声をかけても「ノー、ノー」なんて
  言っているんだけど、追いかけてって、声をかけると匂いをかいで「早く早く」っ
  て、急に小さな声になって買おうとする。」

・気をつけなくてはいけないのは、売春婦のシステムが日本とは違う。
 ハワイは売春婦の上にピンプ(ヒモ)がいて、彼女たちをコントロールしている。
 そして仕事の中に、盗みまで入れている。

・「はじめ、笑いが止まんないだけだった。自分で笑いたくて笑うっていうんじゃなく
  て、なんていうのかな。。。もう、何してても笑えちゃうみたいなカンジ」

・よく、日本人にはコカインは合わないと経験者たちから聞かされる。

・ドラッグによって得たものは?と尋ねると、
 「まぁ、別の世界が見えたことだけですね」
 「よくアシッドは、遺伝子に影響が行っちゃうっていうんですよ。」

・「クスリは飽きない。でも女の子は飽きる」

・「あればあるだけ、私も吸っちゃうの。寝る前に「もうしない」って、いつも誓うの
  に」

・百メートルをダッシュした後みたいな興奮作用を起こすコカイン
 作用後はダウン(疲労、だるさ)をもたらすため、反復使用したくなり、早く中毒
 症状を起こしやすい

・「マリワナでも、長い間には中毒になります。精神的に強く魅かれてしまうため、
 コークとか、エックスとか、もっと強いほかのものにも手を出したくなる」

・「カラカウア大通りを、ビーチ・サンダルを履いて、2,3人でベラベラと歩いて
  いるようなおじさん。こんなおっさん、こんなまじめそうなお父さんみたいな人
  が、するはずないじゃないのって思うような、とんでもない普通の観光客が
  買っていくのね。」





無知すぎるんだけど、ぼくは麻薬=覚せい剤だと思っていた。
コカイン、マリワナもひとまとめにして、覚せい剤だと。ぜんぜん間違っていた。


現地に住む日本人の麻薬のディーラーだったり、
留学して麻薬にはまっていく女性だったり、本人の声を聞くことができるのが非常に興味深い。

1997年にこの文庫が出ているので、本になったのはけっこう前のこと思う。
その頃からすでに麻薬が蔓延していたんだと思うとなんだか怖い。
平気でそれを買ってしまえる日本人も。


ぼくの身近には全く麻薬なんて見えないけど、
もしかしたら周りの陰ではもう広がっているのかもしれないなぁと思った。
麻薬ってそんなものなんだろう。




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