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アブノーマル・ラバーズ : 家田荘子

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一般的に変態とされる人々のルポ。


M男 神田川
・「宿直室の前をとおりかかったら、たまたま体操服に着替え中の担任女教師が、
 見えてしまった。それだけのこと。そのとき?私は8歳の小学2年生。女教師は
 20代後半だったと思います。子供心にきれいだと思っていました。目が合った
 次の瞬間「そこで何してるの?」と叱責を浴びせられ、中に引きずり込まれたんで
 す。」
 女教師は「誰にも言っちゃダメよ」と言って、ひもで、神田川を縛ってしまった。
 それからタオルを彼の口に突っ込み、自分のはいていたナイロンのパンティーを
 頭にかぶせてしまった。

・言葉にして何か言ってくれれば、あらかじめ人間というのは覚悟は決まるものですけ
 どね。この責めは1週間続き、私の股間は出血していました。

・未亡人は、ヤマイモを肛門に挿入した後、股間縛りをし、神田川を放置した。
 痒くて悶え苦しむ神田川を前にして、未亡人は冷静沈着だった。
 「苦しいでしょう?かわいそうに」

・人は、誰もが何らかの変態性を持っているという

・初心者には、ロープより、ネクタイのほうがいいと思うんです。縛りやすいし、
 解けなくなったときは、はさみで切っちゃえばいいんですから

・恥ずかしさを耐える。これがマゾヒズム

・恥ずかしさを堪えて、やってもらう行為ーそこに私が、幸せの絶頂を感じるわけです

・切望している私のために、恥ずかしいけれどあえて行為をしてやらなきゃいけないと
 いう気持ちにSno女性はなるのだというのですよ。Sの女性というのは、サディズム
 の行為をしていながら、心のうちは、マゾヒズムの快感も同時に味わっているんです
 ね

・「叩かれて嬉しいの?」
 「はいっ。本望です」はっきりと言った。

・パンティーによる「終日臭い責め」
 「男として、これほどの羞恥心と屈辱を味わったことって、ありませんでした。
 一週間ははいていたパンティーを被せられたときなど、気を失いましたね」

・Mというと、いじめられるばかりで苦痛と思っていたが、実は、気持ちいい思いを
 Sよりしているのではないか。Sというのは、いたぶっているようで、実はMに
 気持ちよくなってもらうため、奉仕をしていることになるのでは

・征服欲と征服される歓び。これがSとMの愛ある行為ではないでしょうか。

・なんてまじめな変態だろう。。。

・「いいえ。私は超変態です」

・人間というものは、生まれながらにしてみんな、S性とM性を持っていると
 思うんです。でも、それに気がつかない人、機会がなく開花しないって人が
 たくさんいるんですね。

・自分のアブノーマル性に気がついた人は、幸せでありラッキーと言えるかもしれない
 と私は思えるようになってきた。


女王様・夏樹れい子
・「なぜ、あんなに小さいころ、ブーツにひかれたのか、私にも分からないの。
 でもブーツとか、革のものを身につけることによって、精神的に落ち着く。すごく。
 そうして、今は、快感を覚えてるのよ」

・フェティシズム…異性の体の一部や、限られたモノなどによって、性的満足を得る
 異常性欲の一種

・友達が一冊の本を持って来たのね。それがSMの本だったの。女性が縛れている
 写真を見て私、なんて芸術的できれいなんでしょうって思ったの。

・Mを最初にマスターしなければ、とても本物のSはできないって言われたの。
 Mの気持ちがよく分かるようになる

・今、学生であろうが、何であろうが、セックスに飽きてしまったとか、興味本位とか、
 そういう感覚でSMに入る人が日本では多いのね。
 日本って、まだそんなレベルなの。

・ただM男をいたぶればいいという、凄い単純発想が日本にはあるのね。
 でもそれはMではないと思う

・感覚そのものじゃなくて、何らかのことによって、自分をいじめよう、いじめられた
 いという過程があるからこそ、快感が出て来るのよ。Mだからといって、皆一緒じゃ
 ないの。

・革の匂いと、ペチャンとする肌の感触と、ブーツが擦れるときのきしむ音、
 それと第二の肌という感覚。

・日本の「真似ごとSM」

・彼女の元には、毎日いろいろなM男が訪れる。ほとんどが、社会的地位のある人。
 上に立つ人や甘える場所のない人が多い。


女装/バイセクシャル・三咲
・人間はもともと花である。/稲垣足穂(たるほ)
 つまり花というのは雄雌同体で、男であり女である。

・三咲が女装に目覚めたのは、お化粧がきっかけ

・彼女がいないときに、化粧道具と衣装を借りて装ってみたら、はまっちゃったんです。

・雨がやんだ後に、視界がぱっと広がってきれいでしょ?
 ああいうクリアビジョンなんですね、お化粧するって

・ああ、男というものは、すごくシステマティックに、女性をアプローチするんだな。
 「今、どこ?」「どんなタイプ?」
 極端なことをいえば、セックスがやりたいがための質問項目が、ズラッと並んでいる

・女装したまま、電車にだって乗る。
 「人が見たりするときの視線が、モロ快感なんですね。嫌悪の目で見るのが男性で
  女性は結構、好意的なんですよ。女装をする人は、ナルシストの傾向がある。
 でも一人でやっちゃうと危険なので、とにかく外へ出て、人と接するということを
 しないと、自分自身がダメになっちゃうんですよ」

・普通の女性がもてないものを持てる。これは、ある意味では、女装する人々の特権
 なのかもしれない。

・女装って、やっぱり解放された感じがある。
 男であるために自分を狭めちゃうことで、いろいろはみ出してしまうという何かが
 あって、それが女装によって解放される。

・男性は一度女装してみるといい。自分に正直になって女装をしてみると、世界が
 広がり、人徳が高まる。

・彼女の話を聞いている内、私はなぜ男性が男性の服を、女性が女性の服を着なくては
 いけないのか・・・と思えてきた。場所をわきまえた上で、自分の着たい服を自由に
 着たいものである。


M男・岡林
・出会って、初めてベッドインってときに、縛ってくれなんて、男が言えませんからね
 そう考えると、M性をもつ男性は、縁遠くなってしまう

・M男は、社会的に地位があったり、人の前に立ち、見られる立場の人が、なりやすい


女王様・花園舞子
・「サービスのS,満足のM」
 苛めるのではなく、Mが感じるところを、どんどん引き出して探してってあげるとい
 う部分から

・いつも自分を見ていて欲しいとか、意識していて欲しいと思う人が、Mに多い。
 おしゃれな人に、M性がものすごく強い人が多いという

・アブ・ラバ本人たちは、至って元気で健全。余計な気を廻す周りの人間のほうが、よ
 っぽど陰湿なのだ。


S男・五木
・大切なのは、お尻をスパンキングする手ごたえと、そのとき、相手が発する言葉ね。
 若い人だと、あのときの発声が童謡なんです。
 ある程度、年齢を重ねると、演歌なんですね。

・相手を絶頂に持っていったという快感

・なんだかS男というのは、引っ張る人のいない風船のようで、どこへ飛んでいくか
 わからない、すごい浮気性に思えて来た。
 なぜなら言葉ひとつで、相手は言うことを聞いてしまう。
 ということは、言うことを聞かない女性から女性へと、S男は、求め歩くのではない
 か

・ノーマルにしようとするのが私は、むしろ変態と思う


M女・小夜
・美しすぎるほど美しく生まれた者は、孤独な人生を歩むとよく言われるが、本当
 なのだろうか

・頭の回転がよくなければ、本格的Sは難しい。


女装趣味・郷田
・中学生のころ、女の人しか持っていない恥じらいがあって、すごいきれいで、
 まろやか。そういうものにたいして、憧憬。

・普通の単純なセックスでも、男はアクターになれない。
 でも女性は、アクトレスになれる。


ロリータ・野田
・ロリータの基準は3つ。体、心、社会的認知。体は第二次性徴が完全に終わって
 いないこと。心は、自分自身の心というものを、外に対して守るという意識が
 低いこと。社会は、どう見るかということ。

・一人ひとり形態があって、その人たちにとって、それがノーマルな最高のセックスで
 ある。「快楽の得方は、それぞれ。マニュアルなんてない」


変態・久本大痴
・この人こそ、生粋の超々変態!

・AV男優としての大痴の仕事は、平均月1回。そのほとんどが、変態役か、僧侶役。

・健全で元気で、とても頭の良い変態

・高校生から20歳にかけては、痴漢をするために、毎年神田の古本市へ通った

・AV男優になってよかったと思うことは、風俗嬢への偏見が、自分の中から
 消えて行ったこと


フェチ・大田浦
・自分の変態性を認めている人は、一生懸命、自己主張して変態ぶりを理解して
 もらおうとするから、とても愛しく思えて来る

・小学3年生のとき中学2年生ぐらいの姉妹に、家の裏の壁まで呼ばれて、裸にされた。
 中学のときは、異性の同級生に、トイレに連れ込まれて、裸にされた。

・小学校高学年のときにリボンの騎士のビニール風呂敷を手に入れて、
 僕、あれを宝物にして、いつもポケットに入れて持ち歩いていたんです

・ビニール風呂敷をつけて、初めてマスターベーションをしたのは、中学生のころ。
 いつも裸で、ビニール風呂敷や、レインコートを着て、やってました。

・大田浦の場合、変態と呼ばれれば余計に喜ぶ

・性的嗜好によって、それぞれバッジとか何かがあったら便利ですよね。
 苦労して相手を探す必要がない。


佐川一政(カニバル)
・1981年、オランダ人女子学生をカービン銃で狙撃し、死亡させた後、
 太股、臀部、性器などを食肉した。

・その人の匂いを嗅ぎたいとか、肌に触れたいとか・・・その延長が、現実のキスや
 性行為になるわけ。そして、さらにその延長線上に、、食べるという行為がある。
 相手の存在をより強く感じたいという欲求。これは、僕にとって、すごくノーマル
 だと思うんです。

・相手の存在を強く感じるーそのためには、匂いよりも、味のほうがもっと強いわけ
 ですから、その存在を食べることじゃないかなと思ったんです

・いきなりお尻にかぶりついたんです。噛み切れるかと思ったのが、夢の夢たる
 ゆえんで、現実性のないことが判ったんです。青白い。乳房なんか、引っ込んじゃっ
 て膨らみがないし、もうモノになっちゃったんです。一生懸命、妄想の世界に
 引き返した

・髪を持って、鏡に映したんですよ。自分の顔と彼女の顔を並べて、「カニバル(人喰
 い)になったな」と・・・

・あんなに素敵な彼女が、こんな姿になっちゃって、つまんないって思いました。
 なんでこんなに醜くなるのかな。もう、こりごりだって思いました。

・僕の場合、食べたくて食べた。殺すということは、目的ではぜんぜんなかった

・ノーマルと思っている人は何をもってして、ノーマルとしているのか。
 それは他人が決めることではない。




本を読んで判った(というかなんとなく感じていたことが明確になった感じ)のが、
誰しも変態性を持っていて、
幼少期またはそれ以降に何かが引き金になって、それが表面に現れる人と、
一生その変態性に出合うことなく、死んで行く人々がいるということ。


そして、今回一つのモノの見方として僕の頭の中に根付いたのが、
「変態でもノーマルでも人間であり偏見差別なんてする必要がなかったんだ」ということ。

自分には特に本で述べられているような変態性は持ち合わせていないのだが(残念というべきか)
、これからは、別に友人のあの人が変態でも何でもいいや、となんとなく思ってしまいそうである。
各々、快楽の得方は違ってて、それがなんであれ本人が一番嬉しい方法で悦びを得るのが一番大事だと思った。

だから、僕にはカニバル(人喰い)の人を咎めることなんてできないし(現代では犯罪だが)、
ロリータの人に止めろとも言えない。自分がもしそうであれば、言えるはずもない。



ビニールフェチの大田浦さんの言葉

「性的嗜好によって、それぞれバッジとか何かがあったら便利ですよね。
 苦労して相手を探す必要がない。」

というのが、一番印象に残った。まさにそうだと思ったから。


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ダライ・ラマ LOVE? 愛ってなんだろう : ダライ・ラマ14世

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愛がわかる。



・煩悩ーー心に湧き起こってくるさまざまな妄想。日本では108の煩悩があると
     いわれるが、チベットでは人間には8万4千の煩悩があるとされる。
     煩悩は怒り、むさぼり、無知の三毒にまとめられる。煩悩は苦の原因で、
     それを断ち切るために、釈迦は8万4千の教えを説いた。

愛とはなにか?

・母親は自分の子どもに対し、驚くほど深い愛情をもっています。
 これが「愛」と呼ばれるものの基本的な定義。
 ときには、自分自身よりもわが子のほうを大切にしたいと心から思い、
 何よりも貴重な宝のような気持ちで育てているのではないでしょうか。

・「気の毒に」といった想いが愛情であり慈悲であるという思いちがいを
 されているかもしれません。けれども、それは正しい愛の定義ではない。
 心の底から湧き起こってくる想い、自分のからだよりも大切に育んでやりたいと
 思う気持ちを「愛」というのです。

・仏教には帰依の対象である三宝と呼ばれる特質がある。
 いっさいのものを知ることができる
 すべてのものに対して深い愛情が湧き起こる
 知恵と慈悲をもって命あるものすべてを救う

・5つの要素ーチベット医学では、受精、五大元素、魂の3つが集まってはじめて
 人間の身体が成り立つと考える。五大元素とは「地水火風空」を指し、同じ元素から
 できている食物を摂取することで、体内にある5つの元素を成長させていくと
 考えられている。

・人口増加は、もともと人間にそなわった愛情の現われではないか。
 愛情によって自然に人間が増えてきたのです。

・「愛」は、それがいかに大切であるか
 いかに役立つものであるかをじっくりと考え
 何回も繰り返し考えていくことによって、
 自分自身で育てていくものです。

・19世紀と20世紀、人間は過去2世紀にわたって、外的で物質的な「ものの豊饒(ほ
 うじょう)」というものに対してとても力をそそいできました。
 人々のこれまでの努力によって、現在のわたしたちが楽しんでいる条件が整えられて
 きた。
 その反面、人間の心に巣食っている苦しみ、寂しさ、孤独感というものが
 豊かな物質があるがゆえにさらに高まってしまったことも事実です。

・人間の心の中に善き性質を育んでいくという教育がなぜか置き去りにされている
 のではないかと、わたしは思っています。
 より多くの知識を得る優れた教育を受けることに加えて、わたしたち自身の心のなか
 に「愛」や「慈悲」という善い性質のものを育んでいくことがとても大切です。

・より多くの知識を得ようとするあまり知識だけが注目され、人間の中身、
 人間の心にそなわった善き性質を見つめることを忘れているような気がするのです。

・外的、物質的な向上は、かなりのレベルまで達成しています。
 わたしたちはそういうものを楽しみながら、より幸せに人生を過ごしていくわけです
 が、いちばん大切なものは自分の心のなかの安らぎ、心の中の鎮められた幸せ、
 そして愛情にほかなりません。



世界平和のためのたったひとつの方法

・兄弟姉妹である同じ人間

・戦争反対の動きを高めていくには、ひとりひとりのなかの「愛」を育て
 高めていくことしか、方法はない。一人ひとりが全世界の状況を把握して
 戦争をなくし、世界が抱えている困難や問題をなくそうと思うのであれば、
 ひとりひとりの心のなかに安らぎと平和を求める気持ちを高めていかなければ
 なりません。そうしなければ、世界の平和を達成することはできません。



ひとりひとりが幸せになるために

・自分自身がより幸せになるために、そして、まわりの人たちも幸せになるために
 必要なものは、「会話」ではないでしょうか。

・わたしは、これからの21世紀は、争いに終止符をうった「会話」の時代ではないか
 と思っています。

・「心のなかの武器を捨てる」ことが大切です。

・すべての人が幸せに生きていくためには自分のまわりにあるもので
 充分に満足することが必要です。

・かぎりある物質に関しては自分の周りにある範囲内で満足し、これで自分は充分なの
 だという「満足の心」を養っていくことが必要です。
 考え方にはかぎりがない。かぎりなく高めていける考え方に関しては、満足してもう
 これでよい、と思わないほうがよいのです。
 貪欲にものを求めても満足は得られない。反対に、心はもう高まったからこれで充分
 だと満足してしまっては、それは間違いになってしまいます。

・腹が立ったときは、直接その場で言うことにしています。笑
 言ってしまえば、そういった気持ちが長く自分のなかにとどまることはありません。

・仏教には、3つの面がある。第一は、祈願や儀式をするという宗教的な面。
 第二は、哲学的な見解を深めるという面。第三は、科学と同じように心を使って
 ものを考え、分析して、調べるという面。

・会話には調和の精神が必要

・勉強は、なにより大切なものではないでしょうか?
 なぜ大切かと申しますと、新しい善い考えを育てていくことができるからです。
 心の変容というのは、なにかのルールによって外側からむりやり変えるものではなく、
 内側から自然に湧き起こってくるものでなくてはなりません。そうすれば、確信が
 湧いてくるはずです。

・ダライ・ラマ=大海の知恵を意味する

・ダライ・ラマ亡命後、チベット全域は完全に占領され、中国の植民地となったために、
 今、地図帳を開いてもチベットという国の名前をみつけることはできません。

・ダライ・ラマ14世は、たとえ武力攻撃に直面しているときでも、たえず
 非暴力による方策を提唱

・「わたしは母国をなくし、人生の大半を亡命してすごしてきました。
  わたしの人民は拷問され、殺戮され、寺院は破壊され、文明は壊滅し、
  国土は荒廃し、資源は略奪されました。喜べることはなにもありません」 





実は今まで名前しか知らなかった。
偉大な人だ。
そもそも2歳のときに13世の転生者として認定されたっていう出生話にも驚いた。
そして5歳で即位。15歳で政治・宗教両面の国家最高指導者に。
15歳の自分を思わず思い出して、情けなくなった。比べる対象を間違えているけれども。
また、中国に攻められても、一貫して平和主義を唱える姿勢には頭が本当に下がる。


関心と感心が尽きない。
どんな辛い想いをされてきたのだろうか。
自分を生まれ変わりだと疑った時期はあったのだろうか。

どうやってその人格を創ってきたのかを是非教えていただきたい。



読後、愛の定義はこれ以上のものはないように思えた。
すごくしっくりくるし、間違い一つない。



自分にとっての新しいモノの見方は「満足する」ということだった。
自分のそばにあるもので、充分に満足すればそれで幸せなんだ。

ぼくはゲイとして(なのか?)いつも満足できない環境に身を置いておきたいと思うくちだったから、
(満足したらそこで成長が終わりそうだったから)
ダライ・ラマの言葉はとても印象に残った。
モノには満足して、心は無限に求めればいいんだ、って今はそう思える。




もっと彼に関する本が読みたくなった。
シンプルでいい本だった。

inspirations MADONNA マドンナ真実の言葉 : ESSENTIAL WORKS

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マドンナの名言とモノクロの写真集。

・いつまでも悩まないで。

・勇気があるというのは、無条件で誰かを愛すること。
 見返りを求めたりしないで。

・民主主義ってまさにポップスね。
 つまり、人気者が勝つってこと。

・カトリックは人を癒す宗教なんかじゃない。
 人を痛めつける宗教よ。
 みんな誰かに罰を与えようと必死になっている。

・もっと背が高くなりたいってずっと思ってきた。
 もっと高く、もっと高く。

・いつだって、有名になりたいって言ってたわ。

・おまえには無理だって言われたことは、全部やってみたかった。

・後ろ向きになればなるほど自分で自分の首を絞める。

・お金持ちになるほど、もっと人助けができるわ。

・こんな時代遅れの価値観が存在しなかったら、それに反発して自分の殻を
 破ってやろうなんて思わなかったわ。

・誰かに認めてもらうことが人生の目的じゃない。





向上心の塊のような人だと思う。
揺ぎ無い意志で上り詰めるその姿は、女の時代の象徴。



「おまえには無理だって言われたことは、全部やってみたかった。」

これが一番印象に残った。
そんな負けず嫌いな強さが自分も欲しいと思う。

Coming OUT! : 笹野みちる

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元「東京少年」のボーカリスト。
日本メジャーシーン女性アーティスト初のカミングアウト。


・いわゆる結婚制度にとらわれてないぶん、お互いの、そのときの「好きだ」
 っていう気持ちによってしか続いていかない関係

・毎年毎年が「勝負や!」って。「今年も一年よくがんばりました。来年も
 お互いにがんばって築き上げていきましょう」ってことを確認しあって
 いかなきゃいけない。

・共同生活って。支えてもらってる代わりに、お互い妥協しあってる部分も
 当然ある。

・「ほめてもらいあい」みたいなものが、偏っちゃってる、男と女では。

・最初は、高2の修学旅行で北九州を一周して、「さんふらわあ」っていう船で
 神戸まで帰ってくるとき。ベッドが2段になってる寝室で、私が下、その子が上に
 寝てたんだけど、みんなが寝静まった頃にその子が「来て」って呼ぶの。
 抱き合った。
 女の子とからだのレベルで接触したのは、これが初めて。やっぱり「成就した!」
 っていうか、「私はこれを求めていたのかもしれない」って思った、すごく。

・10枚ぐらいの強力分厚いラブレター

・私の歴史に残るキスだった。

・結局、人権っていう思想は、互いに理解できない価値観だからっていうことだけ
 で反目しあってそれで殺し合いになる、そんなことを避けるために人間がつくりだ
 したものだから。

・「あくまでも人間として、自分はどう生きていくのかということを主軸に置いて
  生きていきなさい。最後には男も女もなくて、「人間」しかないんだから」(著者 
  の母)

・「少年」と「少女」は対じゃない。だから「僕」は「私」の対にはならない。
 「少女」っていうのは、男がむりやり作ったイメージ。歪んだ性的な匂い

・私にとっては、その「人間として成長したい」っていう思いがすべての原動力だった

・思春期っていうのはまさに「自分は未完成なんだ、形成途上なんだ」っていうことを
 徹底的に引き受ける時期だと思う。

・コンプレックスもたくさんあるし、私はどうしたらいいんだろう、って悩んでる人
 に対して、あなたはそれでいいんだよ、とは絶対言いたくないし、ある程度のところ
 でとどまっていたくない。

・女同士っていう関係で私の一番好きなところ。お互いに吐き出しあってお互いに
 癒しあう、みたいな部分。

・ピタっとくっついている皮膚と皮膚、その面っていうのはお互い平等

・「レズビアンだ」って言ってしまったら、聴く側にひとつの価値観を
 押し付けてしまうんじゃないか、という迷いがずっとあったのは事実。
 でも、「レズビアンだ」と言わないことで、ほんとに伝えたいことが
 伝わっていかないのも事実。

・私にとって、レズビアンだっていうことだけが乗り越えられないなんて、そんなこと、
 あるはずがない。

・今の「フツー」に合わせてただけじゃん、自分がすり減っちゃうもの。

・人はことごとく違っててあたりまえ。ただ、必要があるときにちゃんと
 手を結べればいい。




僕はレズビアンの人に会ったことがない。
だから本を読む前からどんな生活してるんだろうなんてたまに考えてたけど、
やっぱり人間だから、人間でしかなかった。

笹野さんはちょっと哲学的。
アーティストとして、同時に同性愛者としての解釈が面白かった。
でも、著者の生き方はアーティストとしてでも、同性愛者としてでもなく、「人間として」
だから、そういう面が強く印象に残る本だった。


個人的にはもっと当時の恋人との生活を垣間見たかったけど、
一人の人間の(しかも同性愛者)の過去を覗くのはやはり興味深かった。


文庫本の初版が平成9年。
これからも少しずつでもたくさんの人にこんな本が届けばいいと思う。

ケンコバ伝説 : ケンドーコバヤシ

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星になった言葉たち。




・「ジョジョの奇妙な冒険」の単行本の色を見て一言。


 三原じゅん子より紫ですよ。



俺はアナルが好きだ
 アナルは心の小宇宙(コスモ)




・大阪で起こった女性3人組の盗難事件の犯人がキャッツ・愛と呼ばれていたことに対
 して一言。

 キャッツ・アイは堅実な喫茶店経営をしていますからね



・柔らかいとんかつを食べて一言。

 敷布団に導入すべきですね



・テーブルチェアでくつろぐ安 めぐみを見て一言。

 こんな午後がいい



・矛盾がコンセプトで付けられたバンド名、Mr.Children。
 ほかに候補に挙がっていたバンド名は?

 ガンジーバトル



リヴィング オブ プレイヤー(Bon Jovi)のサビ、永遠に続け



「ありがとう、いい薬です」と、人に感謝を述べてくれる
 (太田胃酸のCM)





愛の倫理 : 瀬戸内寂聴

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女の幸福と、自由のための標。




・家庭的という評価は、いかにも他に能がないように思われる。
 本当に家庭的な女になることくらい易しそうで難しいことはない。

・男が思い描く、理想の家庭的女性
 1ヒステリックでないこと
 2料理がうまいこと
 3素直であり、信じる能力をもつこと
  ー信じるという能力は文明の進化につれ失われる、つまり、教育が高まるにつれ
   失われる。信じる能力は文明とは逆行する。
 4理性的であるより感情的であること
 5掃除上手であること
 6批判精神があってはならぬ
 7視野はせまくなくてはならぬ
  -家庭の妻は、観念の上にすべて「私の」ということばをつける。
   私の夫、私の子どもetc.
 8引っ込み思案でなければならぬ
 9セックスの要求の薄いこと
 10山内一豊(やまのうちかずとよ)の妻の精神を受け継いでいなければならない
   10-5=8のマカ不思議の計算で家計をきりもり
 冷静にこういう長所をすべてかねそなえた女性を描くと、なんと魅力のないことか。
 だからこそ、家庭的な女に家庭を守らせながら、男は、外で非家庭的な女と情事を
 楽しみたがるのである。

・物を識る(しる)ことは、哀しいこと。物を識る(しる)ことは、物が見えてくること。

・日本の女ほど、愛のためには自分を卑しめ、自分を犠牲にすることを何とも思わない
 女はいないのではないだろうか。

・男は、決して愛のために仕事を捨てたりはしない。

・一夫一婦制という不自然で、きゅうくつな規則が、世間のモラルとして
 通用しているかぎり

・男のほうが平均4,5歳、女より短命らしい

・ゼネレーションの違いがあると、物の考え方、感じ方、人生観、すべて違ってくる。
 4つ5つの違いでも、ずいぶん違うだろう。同じものに、同じように感動し、
 同じ時代の出来事に、共通の感銘や記憶を持つことは、生きていくうえで何より
 大切なことだと思う。それから人生とは、2人で築いていくものだと信じる。
 だから、はじめは力のない二人が、力を合わせて、無から有を築くことにこそ、
 ふたりで生きる意義も愉しさもあるのではないか。(アメリカの2世女子学生)

・はじめから、女の年上のことを気にするような男は、「年上の女」を持つ
 資格のないくだらない男である。
 年上の女を、思い切って恋人や妻にするほどの男は、あらゆる点で女に魅力的な
 要素を持っているとみなしていい。

・女の幸福は、一人でも多くの人間が自分を理解してくれたと思うこと。
 自分でも気付かない自分の「好さ(よさ)」というものに女は本能的に憧れている

・愛の場において、肉のしめる地位など、精神のそれにくらべたら、ものの数でない
 ことがわかるだろう。

・自分は、妻以外の女とさんざん寝ておきながら、妻が生涯自分ひとりで守りぬくのを
 望んでいる夫たちの勝手な願望

・人間は生まれ出た時、すでに、衝動と、衝動を阻止するものとが、
 あらかじめ形成させられて存在しているという。

・格子なき牢獄

・解剖学的には、男のセックスが画一的で、女のそれは、千差万別

・たいていの恋愛は錯覚の上に花開く

・私には愛するということは、生活するということに繋がっているとしか考えられない。
 ともにひとつ部屋に、互いのあらや、欠点を示しあわざるにはすまされない。
 楽しみより苦しみが多い、この人生の辛さを、わけあう中ではじめて愛が定着するの
 かもしれない

・理解することには、疑いがあり、闘いがおこる。そうした摩擦のない愛のもろさを
 人は忘れがち。

・紅葉の炎

・封建時代には、妻が夫と別れたいときは、死ぬしか道がなかった。
 戦後、女の得た権利はさまざまだけれど、いちばん大きなものは、
 離婚の自由ではないだろうか。

・芸術家というものは本質的に自己主義で我侭で、気まぐれで、移り気で、人並み以上
 の情熱ないしは情欲の持ち主と相場がきまっている。こういった素質を持ち合わせて
 いないものは、決して上等の芸術家にはなれないのである。

・このごろのように、マスコミが異常な力を持っている時代

・惚れた男のために、無我夢中になって、力の限り、かけずりまわり、狂奔せずには
 いられない畔上さんの「女らしさ」の「女そのもの」の姿に、炎を背負ったような
 美しさを感じる

・宇野さんならではの華やかさとシックさで、からだにとけこませていられる

・私は、怨んで、責めて、泣いて憎んで、その果てにようやく別れというものが訪れる
 気がしてならない。
 人に愛された思い出より、人と別れた思い出を持つ女のほうが、しっとりと魅力的
 なのは、その女が心底から人を呪い人を憎んだ苦しい経験を経て、人を許すことを
 知っているせいではないかしら

・でもやっぱり、死ぬのはどんなに美しくみえても敗北だということ、生きているもの
 が勝ちだということ。生きて闘うこと。それが人生だと思います。

・芸術家というのは、生まれながら身体にも魂にも悪魔を同居させている。

・変わりやすく移ろいやすい「愛」だということを、人間は本能的に知っているから
 こそ、さまざまな約束事で互いの愛を縛り、つなぎとめようと努力する。
 結婚という契約がそれで、人間は自分たちの愛の自信のなさに本能的に脅えていて
 神に誓ったり、盛大な披露宴をはり、自分にも相手にも世間にも、自分たちの愛の
 不変をデモンストレーションしてかかる

・世の中と闘っているために、常に刺激をうけ心身とも彼女たちは実際の年よりは若々
 しい

・彼女が何より我慢できないのは、自分の前にいる彼がこれほど自分に夢中になり、
 燃えるにもかかわらず、いざとなると、妻や子を決して捨てようとはしない厳然とし
 た事実。

・愛人は気付かない間に、すでに半分「妻」に変化

・日本は世界一の堕胎国

・友情は人格と人格の、個性と個性の結びつき

・未亡人。育ちきった肉体はすでに耕され、肥料のまかれた畠

・人間が成長していくためには、多くのことを忘れ去らねばならないし、
 忘れるべき努力もしなければならない。

・天皇という幻影のために死ににゆく子を産むために、恋し、結婚し、愛するものを
 戦場に送ることが、名誉ある女の幸福と思っていた夢を、愚かだとわらうことは易し
 い。けれども、その悪夢から覚めた私たち世代の女だけが、本当の虚無感の凄まじさ
 を知っているし、偽政者や権力者に対する根深い憎悪と怨恨をかくしもっている





基本、女性に向けて書かれているのだけど、ゲイだからまぁいいか、と読んだ。
(寂聴さん、ごめんなさい)



芸術家の定義がすごく面白く感じた。
けど、確かにそうなんだろうと思う。
悪魔を飼っているからこそ、常人とはかけ離れたモノを創り出すことができるんだろうなぁ。



あと、「物を知ることは哀しいこと。」。
この文にとてもしっくりきた。

いろんな本を読むごとに、どんどん心が哀しくなっている今があるから。
それでも自分の手を止められない理由は、物を知ることができるから。それが栄養になっている。
哀しくならないで物を知ることができたら、どんなにいいんだろうか。
でもそれは魅力のないもののようにも感じる。
人生、うまくいかないものです。





拝啓十五の君へ : NHK全国学校音楽コンクール製作班

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アンジェラ・アキと中学生たちの歌の繋がり。



・中学生は大人でも子供でもない、そのハザマの中途半端なところで
 さまよっている。その分いろんなことに繊細で、ちょっとした言葉で
 傷ついたり、絶望したりしてしまう。

・音楽業界では大ヒットが生まれることを「何かが起こる」と表現すること
 がある。歌の持つ世界が聴く人の心にしっかりと伝わったとき、音楽は
 作曲した人の手を離れてすべての人のものになり、大きく大きく飛翔する。

・夢を投げ出したくなったときは、投げ出していいと思うの。
 ほうっておいても、本当にやりたいことだったら、またその夢に帰っていくもの

・(アンジェラアキの妹の話で)
 学校で友達に「アンタん家のお母さんが作るお弁当、見せてみ」って言われたって言
 うの。
 お弁当の時間にそうやって同級生に机の周りを囲まれて。
 「それに耐えられなくて、ずっとうつ伏せてて、お弁当食べられんかった」って。
 一緒にね、川にお弁当流したの。

・「片思いでもいいのよ。誰かを一生懸命好きになって、もっともっと輝いてほしいな 
  ぁと思います。」

・みんなと同じじゃないということがすごく大きなコンプレックスで。
 いつも「こんなことあったんよ」って、おばあちゃんにワンワン泣きついたんだけど、
 おばあちゃんは「アンタ、なに泣いてんの?」って言うの。
 「アンタ、涙なんてふきなさい。そんなんアカン。負けたらアカンのよ。
  負けんと強くなりなさい」って

・「お前は音楽で食べていける。オレはそう信じてる!」

・歌う心がないなら帰れ
 恥を捨てろ
 「自分」を持って生きろ

・歌っているとき、会場の人たちが手拍子をしてくれたとき、何かが光っていました。

・「ごめんね、本当に。
  でも、みんながこうやって命をかけて、時間をかけてやってきたこの瞬間を
  忘れないでください。みんなで一緒にひとつのことを追いかければ、
  こんなことができるんだって気持ちば、忘れんで・・・」

・子供の成長する力って、本当にすごい。

・いちばんすばらしい結果は「もてる力はすべて出し切って、納得のいく歌が歌えた」
 と胸を張って思えること。

・悩みはむしろ増えたかもしれないけど、悩みに出合えてよかったと思えるようになっ
 た

・きっかけさえあれば、短時間でも人はこれほど変わることができる。

・アンジェラさんは、よく「音楽を通して何がしたいですか?」という問いに対して、
 「伝えるよりもつながりたい」と答えます。

ーーーーーーーーーーーーーー未来への手紙------------------
・匿名 20代 男性
 僕は女性の体で産まれてきました。でも僕は男です。幼稚園や小学生のときは
 自分らしく自然な姿で生きることが許されました。でも、中学生からが生き地獄
 でした。
 たくさん調べて勉強して、男になることだけを考えて生きてきました。
 生理を薬で止め続け、胸をガムテープで潰し、塩水を飲んで声を潰し、顔を汚して
 肌をボロボロにし、華奢な手には刺青をいれました。
 そして法律改正だけを待ち、生きてきました。待ちに待った改正の日は人生で一番
 幸せを感じた瞬間でした。しかし世の中は冷たく、とても大変です。

・今を生きる 30代 男性
 35歳の今やっていることは、学生のときと何か違うのかどうか。
 今35歳として恥ずかしくない人生が送れているだろうか。
 45歳のとき、恥ずかしくない人生が送れているのだろうか。




アンジェラ・アキの妹さんがいじめられていた過去を見て、
同僚のフィリピーナのお母さんとその息子さんを想った。

日本ではどこまでいっても外国人というラベルが貼り付けられたままで、
人間として触れ合いたいだけなのに、別の人扱いされる。

類似性の法則ではないけれど、人間は自分に似ている人に好意を持つものだから、
日本人の多くは外国の人がいると途端に一歩退く。
これは悪い癖。現にその息子さんが子どものとき、ほかの子どもにいじめられている。
同じ人間で、みんな違ってみんないいなのに、といつも思う。
子どもの無邪気さ、に、残酷さ。どうすればいいんだろう。



歌が好きな女の子2人が合唱コンクールに出て、
観客が手拍子で応援する光景を脳に描くと、なんだか泣いてしまったこの本。

歌の力っていうのを再確認させられた。
人を感動させるのもそうだけど、人を繋げるんだっていうことも、歌のすごいいいところだな、と思った。



自分にとって、合唱コンクールの思い出はひとつだけ。
カーペンターズ「Sing」を歌った記憶がある。中学生の頃だろうか。
本に出てくる中学生の皆さんには大変失礼なのだけど、当時そんなに真剣にやらなかった記憶がある。
なんだか、この本を読んでそれがすごく悔やまれた。



巻末には、NHKでこのドキュメンタリーを見て、自らについて視聴者が自らに手紙を書くスタイルで
メールを書いている。
その中でも、性同一性障害の方のものが一際目を引いた。
ひどく現実的だった。

この方の人生をもう一冊に本にしてほしいくらいだった。
同性愛者として何を世に発信していくべきなのか思わず考えさせられた。

あなたに届けば : フジ子・ヘミング

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ピアニスト、フジ子・ヘミングの愛の言葉。



・恋の楽しさは、ドキドキすること。

・いろんな恋が、人生を色濃くしてくれたわ。

・一人でショパンの「雨だれ」を弾いていると、
 彼と、女流作家、ジョルジュ・サンドとの恋を考えてしまう。
 「雨だれ」は、外出中のサンドが降ってきた雨に濡れていないかを
 心配して、この時の雨音をもとに作った曲。
 サンドとの別れによって、ショパンは健康を害し、
 気力を失い、38歳で生涯を終えた。

・また恋に酔っ払いたくて、恋のグラスを手にしている。

・恋をして、どんなに嫌な思いをして別れたとしても、
 時が経つと、いい想い出だけが心に残るから不思議。

・繊細でノーブルな人が好きだった。
 好きになった人は、皮肉なことに、みんな同性愛者だった。

・「もう、男はいらない」
 なんて言う人がいるけど、つまらない人生ね。

・意地悪になったりすることはいいことだから。

・ほんとうに長く続く愛は、互いの尊敬がなければだめね。

・「若い時の恋は軽く、年をとってからの恋は重い」
 って言うから、気をつけて。
 そして、いろんな恋にめぐり合い、美しい年を重ねるといいわ。

・トルストイの言葉に、「恋は悪魔の仕事、愛は神の仕事」

・スペインの諺 「失恋は多くのしわを心に残す。恋を失っても
 男は忘れず、女は、恋さえも忘れてしまう」

・どうせなら、生きている証に、いっぱい恋をしたほうがいい。
 そして、幕が降りたら、いい想い出だけを重石に、恋は涙に漬けて保存する。





既に80歳を超えているフジ子の言葉(本が出版されたときは70代かな)には、
普通のことを言っていても、言葉にちゃんと重みがある。
辛いこと、苦しかったことを、普通の人よりとても多く経験されているからじゃないかと勝手に思う。




ショパンの「雨だれ」についての物語がおもしろい。
クラシックに詳しくないので、よくわからないけど、
you-tubeでそのメロディをショパンの想いを想像しながら聴いてみると、とっても素敵な時間になった。




「恋の楽しさは、ドキドキすること」っていう言葉が一番印象に残った。
きっとそうなんだと思う。


恋からずっと逃げている自分。
この本を読んで、もう一度ちゃんと向き合ってみたくなった。
ぼくもフジ子みたいに恋をして輝けるだろうか。


あと、ちょっと嬉しかったのが、フジ子が好きになるのはいつも同性愛者だったっていうこと。
なんでだろう。でも、素直に嬉しかった。


パンプルムース! : 江國香織

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江國さんの子どもに贈る無駄の詩。


「かけっこはきらい」
 あたしはきょうそうばじゃなくて
 メリーゴーランドのうまなんだと
 おもうの

・「あめのひ」
 あめのひは
 ひるまからでんきをつけるでしょ
 ぼくはそれが
 きらいなんだ

・「パンプルムース!」
 グレープフルーツのことを
 フランスごでは
 パンプルムースっていうのよ
 きのうまでのわたしはしらなかったけど
 きょうのわたしはもうそれをしってる

・「おとな」
 あさごはんっていうものは
 みているだけのほうがきれいね

・「へいき」
 すすめ すすめ
 じゃんじゃん すすめ
 どんがら どんがら すすめ

・「コップがひとつあります」
 コップにいれると
 のむものはみんな
 コップのかたちに なる

・「すみれ」
 よのなかには たくさんおばあちゃんがいるものね
 わたしにもおばあちゃんがいて
 かのじょはすみれのはなににていたわ
 よのなかのおばあちゃんは みんなすみれのはなににているのかしら

・「おさけのみになるほうほう」
 すてきなよっぱらいをみること
 ゆかいはすてきとしること
 からだをおんがくでみたすこと
 せかいはすてきとしること

・「これだけはおぼえておこう」
 つつじのみつをすうときは すいっ と
 ちょうちょをつかまえるときは ぱっ と

・「おはか」
 ここにねむっているのは ごせんぞ
 いっぱいいるから
 つちのなかはにぎやかかもしれない

・「あかるいからだのなか」
 からだがちいさくやぶれている
 ちがでたらすてきね
 ひふのしたで
 おがわのように
 ざあざあながれている ち

・「よのなか」
 それらぜんぶを たしかめよ わたし

・実物に出合う前に言葉に出合うこと、永遠にのめない「ぶどう酒」のある人生は、
 ない人生よりずっと愉しいということ。
 





最後の江國さんの解説にもあった


永遠にのめない「ぶどう酒」のある人生は、ない人生よりずっと愉しいということ。


これ。すごい素敵だ。




25歳の自分が読んでも、やっぱり著者の本。子どもに向けて書いているのに、うっとりしてしまうのだった。


いつだって どんがら どんがら 進みたいし、
ぼくのおばあちゃんも すみれいろ。
きのうまでのぼくはしらないことがおおかったけど
いまはきのうよりおおくのことをかくじつにしっている。



無駄が美しいこと。無駄なものが人生にとって大切なことを教えてくれる本。

いわさきちひろさんの暖かみのある独特の世界観を持つ絵も素敵だった。



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Hiro

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