考えすぎ人間へーラクに行動できないあなたのためにー : 遠藤周作
- 2012/07/30 05:51
- Category: 遠藤周作
面白く生きるための本。
・マイナスの原因をたくさん集めていくと逆にそれがプラスの方向に動き始める場合が
ある
・ひとりの人間の不幸を作り上げていたマイナスの原因も、混ざり合っていくうちにだ
んだんプラスに変じてくるということもある。
じゃあ何がそれをプラスに変えていくかというと、それは長い時間経過であったり、
あるいは目にみえない大きな力によってだったりする
・ちょっと宗教じみた言い方に聞こえるかもしれませんが、そんなことじゃなく、とに
かく大きなものに任せるという気持ちをもちはじめてからは、「私の表情はたしかに
明るくなった」とおっしゃっている
・いま悩んでいることを、これがすべてと思わないほうがいい。人生の部分なのであっ
て全体ではない。
・苦しみに直面してもがき過ぎると、苦しみに吸い込まれる。自然体でいればいい。
なるようにしかならんのです。
人生、大きな海の中にいるようなものなんだから、その大きなものに任せるという気
持ちが必要なんです。
・自然(じねん)治癒力は長距離走者。
・治す、のではなく、治る、と考えたまえ。
・桜が満開の光景には、なんともいえん虚無がある。
・じたばたするのは必要だけど、大切なのは「なんとかなる」と思うことだ。
「必ずなんとかなる」と朝、目を覚ましたら鏡を見て、じぶんに何度も言い聞かせる。
そうしたら必ずなんとかなるものです。
20代というのは、やっぱり自分の努力とか意志だけで頑張ろうとする。
・出世したかったら、ボーナスを全部はたいて、ぜいたくな洋服を1着こしらえろ。
そしてそれを着て一流のレストランへ行ってメシを喰え。
・生命の匂いというのは生臭いもんです。
・誰もが病院の中で、しかも自分の死さえ律することができない。
・「敬老」ということが本当のものになるためには、「老人たちは次の世界に近づいて
いく人」という意識がなければいけないし、そう意識するためには「次の世界」を認
めなくちゃいけない
・親愛感というのは相手のオーラに踏み込まないスレスレのところ。
相手のオーラのなかに踏み込むと「なれなれしい」ということになります。
だから賢明な部下なら、つねに相手のオーラの境界線ぎりぎりのところへ自分をおく。
・自信のない先輩・上司を持った場合には、仕事の業績を10あげたらいけません。
あくまでも7か8に止めておく。
・若いときは1番手を走ったらいかん
・自分が孤立しないためには、仲間にもアホなところを見せておかなくてはいけない。
・どういう部下が上司から可愛がられるかというと、チョットしょうがない奴
・目標意識。「なるんだ」というよりは、「なってしまう」と言い聞かせてみたまえ。
目的を牢固(ろうこ)としてもてば必ずそのとおりに事は運ぶもの
・虚礼というのは人と人との潤滑油となるべきもので、人間が長い間の経験から考え出
したもの
・年上の人は相手を固くさせないために、サービスでいろいろ親しげに話しかけたりし
ます。
・おでん屋や焼き鳥屋で上品な食い方をするやつはアホ。
・パーフェクトな人間は、先輩や上司からは「機能」としか見られない。
有能なだけの社員は「人間」としてよりも「機能」として考えられやすい。
欠点だらけの奴はむしろ人に好かれる
・いいところを3みせたら、ダメなところも3みせるようにしたらいい
・日本の社会における「正義漢ごっこ」というのがどうも不愉快なんです。
・人類の共通財産は、そうやってできるだけ多くの人に見せる義務がある。
・生きガネを使うか、死にガネを使うか
・人を批評するのに2つの方法がある。エスプリ(才知)とユーモアだ
※エスプリ・・・高みから人を見下ろして裁断すること。
※ユーモア・・・自分が下になって相手をからかうこと。
・下ねたはユーモアかもしれない。それはどこかに、「みんな人間」という
含みが込められているから
・ユーモアのはじめは笑いかけること
・日本人は何でもすぐに「道」に結びつけたがる
・嫉妬心の根底には、自尊心がある。自尊心を傷つけられると誰でも嫉妬する。
・私は普段その種の人たちに偏見は持っていない。
ところが、いざ自分となると、とたんに生理的な反応が起こってしまう。
男たちのそういう世界。ちょうど学校におけるクラブの違いみたいなものだ。
おれは演劇部だけど、彼らは絵画部という感じかな。
・趣味が一緒というのは、生理が一緒ということ
・会社のなかに生理的に好かないヤツがいたとしても、それは本質的な人間関係とは違
う。相手と仲が悪くなるというのは、それは自分の対応の仕方、つまり処世術がヘタ
だということ。
・誠実に護るのが愛情だ
・陶酔した表情。悪しき浪漫主義の名残だろうね。
・遊びというのは、まず、仕事の延長だったらやらないほうがいいと思う。それは
もう遊びじゃない。だって気分転換にならない。
・われわれは生まれて大きくなるにしたがって、「自然」をいろいろなもので隠そうと
する。それを文化という。
普段よく思うのが、「この考えすぎな脳、どうにかしたい。」ということ。
そんなとき、たまたまこの本を見つけて、今の自分にぴったりだった。
まず、「大きなもの」について印象が非常に残っている。
仕事で粗利率や売り上げをきっちり出さなきゃいけない、という不安はいつも
つきまとっていたんだけど、今は著者がいうように、
「なにか大きなもの」に任せて仕事をしている。
そしたら「なんとかなるだろう」って思えるようになった。
これってすごいことで、努力さえ続けてれば、「なんとかなる」 んです、実際。
個人的には、この表現は、ポジティブで楽観的なので、それが無意識的に良い方向に転がるように
なっているんだろうと思う。
仕事以外にも、この楽観的思考、非常に大切にしたい。
もうひとつ、印象に残ったのが、お金の使い方について。
著者はボーナスが出たら、酒飲みに使うのではなく、高級なスーツを買って、高級なレストランで食事を
しろと説いている。すると、将来、そういう人間になりやすい、といっている。
これは明らかに死んだお金の使い方ではないんだろう。生きているお金の使い方。
そういうお金の使い方を生死で分けていくのはいい考え方だと思う。
他の著者の作品と重複している部分もあったが、良書だった。
今後実践してみたい。
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