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蒼い時:山口百恵

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山口百恵の21年間。


・さようならと決して言わなかった友達。
 いつでも帰って来いと言った友達。
 それなのに遠くなってしまった街。

・あの街に、これほどのあざとさが潜んでいたのだろうか。
 これほどの哀れさが匂っていたのだろうか。

・あの人(父)は、毎日夜になれば帰って来るという人ではなかった。
 帰って来るというよりは、やって来るといったほうがふさわしい人だった。

・「私はいい。けれど子ども同士を差別したことが許せない」

・娘を娘としてでなく、自分の所有している女を見るときのような動物的な目だった。

・父の目のなかに動物的な匂いを嗅ぎ取ったあの日、私の心にしるされた黒い染みは、
 ここでしるされたもうひとつの黒い染みと合致し、生涯拭いきれそうにない汚点とな
 って、私の心にやきついた。

・金銭で血縁を切る。

・涙ながらに「骨だけは拾ってほしい」と言ったあの人を、私は憎む。

・(ミラノにて)近代化されすぎた都会の真白いビルの中では、人々が呼吸をして生きて
 いるということが信じられないのに、この街の古い壁の中での人々の息吹きは、
 厚い壁を通り抜けて、街全体に染み付いているような気がする。

・私の記憶の中のあなたは、いつも背中を向けていました。朝早くから夜遅くまで、
 座りっぱなしで内職していたあなた。そんなあなたの背中は、何かに支えられて
 ピンと張り詰めた、華奢なくせにしっかりとした暖かな背中でした。

・当時は歌謡界全体がいわゆる「かわいこちゃんブーム」と称されていた頃で、
 流行っている歌といえば「天使」や「夢」や「花」がテーマになっているものばかり

・「あなたに 女の子のいちばん大切なものをあげるわ」『ひと夏の経験』
 インタビューの人間が必ず、唇の端に薄い笑いをうかべながら上目遣いで私を見て、
 聞くのだった。
 「女の子の一番大切なものって何だと思いますか」
 「処女です」、とでも答えて欲しいのだろうか。

・女性の体の細部にわたって生理というものが影響を及ぼしていることに気付いた時、
 私はあらためて自然の創り出したしくみの素晴らしさを感じた。

・野外ステージで歌っている私のスカートが突然の風で舞い、下着が露わになった
 写真を雑誌に掲載されたことがあった。
 その頃まだ十代だった少女の気持ちなど全く考えることもなく掲載したおとなたちの
 神経を疑った。芸能人だからーこの言葉ですべてが処理されてしまう。

・何だったのか覚えていないが、おそらく自分の未来というものを強すぎるほどの
 自信を持って見つめていたのだろう。

・中絶。世の”大人”と称する人たちの無責任な、性に対する逃げの姿勢

・みんな必死に自分のために生きている。

・クール、冷静沈着、年にふさわしくない落ち着き・・・それらは”芸能人・山口百恵”
 を語るときのパターン化された修飾語

・プライバシーとは、その人間が意志力で引いた境界線内の領域のことである。
 だからある人にとっては許せることでも、同じことがある人にとっては許せない

・恋のはじまりは、意外性の発見からー

・いつの間にか、その場だけを取り繕うことをしすぎて、本当のことを言う作業をしていない自分を恥じた。

・甘えることが下手で、気が強くて、無邪気にはなれなくて、何よりひとりの女として、
 愛される自信がなかった。

・彼が私を求めているときに、応えることができないという負い目は、予想以上に
 私を弱くした

・当たり前のことだが、結婚するからには一生添いとげたい。

・私は彼のためになりたかった。愛する人が最も安らぎを感じる場所になりたかった。

・人に裏切られても、決して自分は人を裏切るまい

・まず、他人の歌は決して歌わない。自分の曲ひとつ歌いこなせずに、
 他の人の曲や外国曲を歌えるはずはないと思う

・形式的なカーテンコールは、真実味が感じられなかった。
 全力を尽くし、心をこめれば、歌わずに幕を上げて拍手に応えるだけのカーテンコー
 ルでも、よいのではないだろうか。

・嫉妬をテーマにした歌『愛の嵐』

・無駄にお金を使うことほど、馬鹿なことはない。贅沢をしようと思えば、きりがない。





僕は彼女がアイドルだった当時を生きていない。
だけど、彼女の歌は、いま聴いても、いいなぁ、と純粋に思う。

現代の音楽にはない哀愁感というか、歌詞のおもしろさも相まって、むしろ今の時代新鮮に響く。



読みながら思ったのは、アイドルでありながらも、普通の人で、非常に芯のある人だということ。
いや、むしろアイドルだからなのか。

芸能界の嫌な面もすべて真っ当から受け入れて、乗り越えているような印象を受けた。
それは、ちゃんと自分を貫ける気持ちがあったからのように思う。
そういう面が、カーテンコールをやらない、であったり、裁判を起こしたりという行為につながったんだろう。



大きく、「出生」「性」「裁判」「結婚」「引退」「随想」とテーマが分かれているが、
「随想」は若干蛇足に思えた。前半のテーマたちが、彼女の心の中をすべて物語っているかのように思えたから。


いい本だった。かっこよかった。

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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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