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花のレクイエム : 辻邦生・山本容子

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12ヶ月の花の物語。そして銅版画。
目と脳で、感じる、小説。



・私は胸に甘く温かく触れるものがそこにあるのを感じる年齢になっていた。

・アネモネは色が鮮やかで、濡れたようで、野性味があって、そのくせ慎ましく恥しそう、
 まるで君のよう。

・静かな情熱を生きたのね

・彼女の美しい清らかな体からすみれが咲きますように

・ライラックが花の群れを、枝の先に咲かせているのを見ると、希望を忘れそうなとき、
 勇気を出して、と呼びかけているような気がする

・絡まった蔓の枝から、白い夢のような花びらが空中に浮かび漂って咲いている。(クレマチスより)

・植物は生えている場所が好きなのよ

・恋とは、もっと火のようなものだと思っていたが、百合のようにひっそり高貴に匂う恋だってあるのだ

・真ん中に茶褐色の針山のように蕊(しべ)が盛り上がり、それを囲んで、輝くような黄の花弁が、
 無数の炎のように、八方に燃え立っている。

・向日葵が黄の炎のように咲き乱れる家

・お日様に憧れて、夏中、お日様に顔を向けながら、結局、恋焦がれて、
 しおれてしまう

・萩(はぎ)が大ぶりな枝を拡げ、秋になると白く清楚な花をいっぱいにつける

・父は体を四角にした

・淡い紅藤色の五弁の花に目を惹かれた。清楚で、華やかなくせに、素朴な野性味(クリスマス・ローズ)

・クリスマス・ローズでは、この貧弱な茎のようなものが花なんです。
 けばけばしく自己顕示したがらない人のようで、いかにもクリスマスらしい慎ましい花


あとがきに、「文学と絵画の交響する空間の創造」と書いてあったが、そのとおりの出来。

この本で、花を見る目、特にクリスマス・ローズを見る目がとても変わったように思う。
あぁ、慎ましさなんだ、と。
見た目だけで、とても華やかで、クリスマスの明るさにぴったりだと思っていたので。



著者の辻邦生(つじくにお)さんはもう亡人であった。(1999年没)。

改めて、自分でも死ぬ前に何か現世、未来に著者のようにモノを残したいと思った。


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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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