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蹴りたい背中 : 綿矢りさ

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言わずとしれたベストセラー。清々しい。



・さびしさは鳴る。

・女性ファッション誌を授業中に一人で開くことのできる男子に比べたら、
 私のプリント千切りなんか無難すぎる

・ちょっと死相出てた。ちょっと死相出てた。

・どうしてそんなに薄まりたがるんだろう。同じ溶液に浸かってぐったり安心して、
 他人と飽和することは、そんなに心地よいもんなんだろうか。

・ここは完全なる独り用のお部屋だ。空気が部屋の持ち主一人分しかなくて息苦しい。

・ファン、さらりとした言葉。

・ごめんね、こんなことさせて。
 まるで悪意のない言い方、なのに。恥ずかしい、の弾がぶちこまれた。

・老いは染み込まない

・洗濯物のなる木 = 物干し

・幼い人、上手に幼い人

・学校にいる間は、頭の中でずっと一人でしゃべっているから、
 外の世界が遠いんだ。

・高校生にもなって三角座りをさせられるなんて。

・彼の丸まった背中、きっと靴跡が似合う。

・話のねたのために毎日を生きているみたいだった。

・自分が消えてしまいそうになるくらい、オリチャンを見つめている。

・十分休憩が一番の苦痛で、喧騒の教室の中、肺の半分くらいしか空気を吸い込めない、
 肩から固まっていくような圧迫感。





おそらく自分は著者の共感できる比喩が一番好きなんだと思う。
あぁ、この気持ち、懐かしい、みたいな。


自分も上手に幼い人、幼い大人になれるのだろうか。なっているのだろうか。
今はきっと下手な大人で子どもでもあるんだろうな。
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文藝賞受賞作。

芥川賞を最年少でとったとき、話題になりましたよね。



物語は、学校を休み、自分を失ったと感じる主人公の女の子が、同じマンションに住む
小学生の男の子にパソコンをあげ、そこからエッチなチャットのアルバイトを始める、というもの。



・死んだ学生はこの本能の怯えを我慢できるくらいに現実に怯えていたのだと思う

・本当の不器用は、愛嬌がなく、みじめに泥臭く、見ている方の人間をぎゅっと真面目にさせるから。

・もう全部無価値だ、時間も若さも金も。





解説を書いていた人が、著者の文が、完璧、と評していたけど、
そんな風に自分も感じた。直しようのない文。



ホームページ会員の男性と、雅という女性になりすました主人公のチャットがおもしろい。
どんどんとコツをつかんでいき、どうすれば男たちを満足させることができるのか知っていく。
コミカルな印象を受けるやり取りで、エッチな感じがしないのが清清しかった。



あと、キーマンの小学生。ませ過ぎて、おもしろい。
最近、こんな子も増えているのかと思うと、不思議な気持ちになる。



良作。

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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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