スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

文化村を襲つた子ども (槙本 楠郎)

bunkamurawoosotakodomo.png





二人とも大人のやうにタバコでも吹かして見たいやうな気持でした。

町全体がパツとオレンヂ色の秋陽を浴びて浮び上つたやうに輝いてゐるのです。

みんな「文化村」といふお金持ばかりの村を早く見たくて堪らないのです。そこにはどんな子供が居り、またどんな木や草や花や果がなつてゐることだらう? ひよつとすると動物園や公園なんかもあるかも知れない

空には赤い靴のやうな雲が飛んでゐました。

それに、あの村はとてもキレイなんだぞ。とてもキレイなんだから!

「なんだ意気地なし! 弱虫はブルジヨアだぞツ!」

秋の陽はキンキラと照つてゐます。






貧乏な子どもたちが文化村と呼ばれるお金持ちが集まる村を見に行く物語。
自分の見たことがないものを見にいくときの気持ちのキラキラ感、忘れたくないものだなぁ、と思いました。
そういう気持ちってやっぱり子どもの頃が一番大きいような気がしないでもないのですが、
大人となった今でも、新しいものを追いかけるときの純な気持ちを大切にしたいと思うのでした。

スポンサーサイト

母子ホームの子供たち (槙本 楠郎)

bosihome.png





赤い西日

「あら、ごちそうねえ。」

「ごめん下さい。」 睦子が扉口にのぞきました。 手を洗つて来て、今おむすびをたべようとしてゐた清三は、につこりしていひました。「やあ、おはいり。いいものがあるんだよ。」


おとうさんはいつ帰つて来られるかわからないので、去年の暮に、この母子ホームへ入れてもらふことになつたのです。
この建物の中には、三十幾つの部屋があつて、大ていどの部屋にも、おとうさんが出征されるか、でなかつたら戦死されて、おかあさんが、子供をつれて働いてゐる家族たちが、それぞれ住んでゐるのでした。

壁ぎはの箪笥の上にかざつてある、戦闘帽をかぶつたおとうさんの写真






「あら、ごちそうねぇ。」なんてぼくは生きてきてたぶん一度も実際に聴いたことがないと思います。
だからか知らないけど、なんか妙に引っかかる台詞でした。
「あら、」と「○○ねぇ。」を組み合わせるとなんか心に残るのかなぁ、なんて思いました。
情緒がありますよねきっと。少なくてもぼくはそう感じました。



Pagination

Utility

Profile

Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

Category

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。