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チャンプルー (山之口 貘)

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飛魚は、輪切りにして、塩煮にするとうまい。豆腐といっしょにおつゆにするときも、醤油を使わずに塩味にする。ぼくは、飛魚の塩煮が好きで、特に、眼球と脳髄を食べずにはいられなかった。

へちまは、醤油で煮てもうまいし、鰹節のだしでおつゆの実にすると、あっさりしてかるい味がある。それから、シブイがある。とうがんのことである。とうがんもおつゆにしたり、醤油で煮たりして食べる。特にうまいというわけではないが、日常よく食べる。

沖縄では、赤くなったれいしは食べない。青いうちに、チャンプルーにして食べるか、あるいはうすくきざんで、砂糖をきかせた酢の物にして食べる。 なお、沖縄の豆腐はかたいので、チャンプルーにしても水気がなく、出来上りがさらっとしている。東京の豆腐でつくるときは、布巾でよくしぼって、豆腐をかたくしてからつくるとよい。

チャンプルーは、その材料が日常の手近にあるものばかりであり、作り方も非常に簡単で、その場で誰にでも出来るもので、単純素朴のあっさりとした味がよいのである
これは、豚の油を、野菜いためにする程度の量を鍋にたらし、それが焼けたころ、豆腐を適当の大きさに千切って入れ、もやしを入れていっしょにいため、塩で味つけするだけのことである。ねぎやにらの場合は寸位に切るか、あるいは、こまかくきざむ。ぼくの好みから云えば、れいしのチャンプルーの味は格別で、あのほろにがい味は忘れ難い。

普通、油いためしたものをチャンプルーと云うのである。その種類には、ゴーヤー(れいし)チャンプルーがあり、ビラ(ねぎ)小チャンプルー、マーミナ(もやし)チャンプルー、チリビラー(にら)チャンプルーなどがある。それらは野菜である。外にトーフ(豆腐)チャンプルーがある。しかし、どのチャンプルーの場合でも、大ていトーフはいっしょである。

アシティビチというのは、豚の足の料理である。云わば、足の吸物である。これは一般の家庭でも適当に食膳にのぼってくる料理である。

ミミガーは、一般家庭ではあまり食べなかった。沖縄では辻町の料理屋あたりでは、酒の肴としていつでも食べられたのである。ミミガーは、一口に云えば豚の耳の料理である。
よくゆでた耳を、うすくきざんで、大根おろしといっしょに三杯酢にしたものである。こりこりして、なかなかさっぱりしたものである。




チャンプルーの意味を知らなかったので参考になりました。単純に「油いため」なのですね。
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詩とはなにか (山之口 貘)

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北川冬彦は「なぜ詩を書くか、私にとっては、現実の与えるショックが私に詩を書かせるのだ、というより外はない」といい、高橋新吉は「自然の排泄に任すのである」といい、村野四郎は「私は詩の世界にただ魅力を感じるから詩を書きます」というのであり、深尾須磨子は「私が存在するゆえに私は詩を書く」といい、田中冬二は「私はつくりたいから、つくるまでであると答えたい」とのこと

文明のどこにも人間はばたついてゐて

詩人がどんなに詩人でも 未だに食はねば生きられないほどのそれは非文化的な文明

ぼくの経験によると、人間は生きていると、あっちもこっちもかゆい

詩人としてのぼくの仕合わせは、たとえ詩を書く資格がないにしても、詩を書かずにはいられないというそのこと

なんのために詩を書くのかと問われても、それらの答えは、灰皿やマッチみたいに、すぐに出せるものではないからなのである。つまりは、詩とはなにかといわれても、詩の定義はむずかしくたとえばある詩人によると、詩は叫びであるというのである。そうかとおもうとある詩人は、詩は怒りであるというのである。また詩は美であるというのもある。あるいは、散文であっても小説であっても、あの特定の審美的情緒を感じさせるものがあれば、それを詩といってもよいという風なのもある。また、詩は批評であるとするものもある。
またある詩人は、精神のある状態の記録であると説明する。そしてまたある詩人は、詩は経験であるというのである。またある詩人にとって、詩は美や真実をもとめる人間感情の純粋な表現であるという。ある詩人は、詩は青春であるともいうのである。数えあげると、おそらく詩人の数ほどいろいろあるに違いないのである。






本当にやりたいことって、資格がなくてもやらずにはいられないことなんだ、と。

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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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