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愛の倫理 : 瀬戸内寂聴

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女の幸福と、自由のための標。




・家庭的という評価は、いかにも他に能がないように思われる。
 本当に家庭的な女になることくらい易しそうで難しいことはない。

・男が思い描く、理想の家庭的女性
 1ヒステリックでないこと
 2料理がうまいこと
 3素直であり、信じる能力をもつこと
  ー信じるという能力は文明の進化につれ失われる、つまり、教育が高まるにつれ
   失われる。信じる能力は文明とは逆行する。
 4理性的であるより感情的であること
 5掃除上手であること
 6批判精神があってはならぬ
 7視野はせまくなくてはならぬ
  -家庭の妻は、観念の上にすべて「私の」ということばをつける。
   私の夫、私の子どもetc.
 8引っ込み思案でなければならぬ
 9セックスの要求の薄いこと
 10山内一豊(やまのうちかずとよ)の妻の精神を受け継いでいなければならない
   10-5=8のマカ不思議の計算で家計をきりもり
 冷静にこういう長所をすべてかねそなえた女性を描くと、なんと魅力のないことか。
 だからこそ、家庭的な女に家庭を守らせながら、男は、外で非家庭的な女と情事を
 楽しみたがるのである。

・物を識る(しる)ことは、哀しいこと。物を識る(しる)ことは、物が見えてくること。

・日本の女ほど、愛のためには自分を卑しめ、自分を犠牲にすることを何とも思わない
 女はいないのではないだろうか。

・男は、決して愛のために仕事を捨てたりはしない。

・一夫一婦制という不自然で、きゅうくつな規則が、世間のモラルとして
 通用しているかぎり

・男のほうが平均4,5歳、女より短命らしい

・ゼネレーションの違いがあると、物の考え方、感じ方、人生観、すべて違ってくる。
 4つ5つの違いでも、ずいぶん違うだろう。同じものに、同じように感動し、
 同じ時代の出来事に、共通の感銘や記憶を持つことは、生きていくうえで何より
 大切なことだと思う。それから人生とは、2人で築いていくものだと信じる。
 だから、はじめは力のない二人が、力を合わせて、無から有を築くことにこそ、
 ふたりで生きる意義も愉しさもあるのではないか。(アメリカの2世女子学生)

・はじめから、女の年上のことを気にするような男は、「年上の女」を持つ
 資格のないくだらない男である。
 年上の女を、思い切って恋人や妻にするほどの男は、あらゆる点で女に魅力的な
 要素を持っているとみなしていい。

・女の幸福は、一人でも多くの人間が自分を理解してくれたと思うこと。
 自分でも気付かない自分の「好さ(よさ)」というものに女は本能的に憧れている

・愛の場において、肉のしめる地位など、精神のそれにくらべたら、ものの数でない
 ことがわかるだろう。

・自分は、妻以外の女とさんざん寝ておきながら、妻が生涯自分ひとりで守りぬくのを
 望んでいる夫たちの勝手な願望

・人間は生まれ出た時、すでに、衝動と、衝動を阻止するものとが、
 あらかじめ形成させられて存在しているという。

・格子なき牢獄

・解剖学的には、男のセックスが画一的で、女のそれは、千差万別

・たいていの恋愛は錯覚の上に花開く

・私には愛するということは、生活するということに繋がっているとしか考えられない。
 ともにひとつ部屋に、互いのあらや、欠点を示しあわざるにはすまされない。
 楽しみより苦しみが多い、この人生の辛さを、わけあう中ではじめて愛が定着するの
 かもしれない

・理解することには、疑いがあり、闘いがおこる。そうした摩擦のない愛のもろさを
 人は忘れがち。

・紅葉の炎

・封建時代には、妻が夫と別れたいときは、死ぬしか道がなかった。
 戦後、女の得た権利はさまざまだけれど、いちばん大きなものは、
 離婚の自由ではないだろうか。

・芸術家というものは本質的に自己主義で我侭で、気まぐれで、移り気で、人並み以上
 の情熱ないしは情欲の持ち主と相場がきまっている。こういった素質を持ち合わせて
 いないものは、決して上等の芸術家にはなれないのである。

・このごろのように、マスコミが異常な力を持っている時代

・惚れた男のために、無我夢中になって、力の限り、かけずりまわり、狂奔せずには
 いられない畔上さんの「女らしさ」の「女そのもの」の姿に、炎を背負ったような
 美しさを感じる

・宇野さんならではの華やかさとシックさで、からだにとけこませていられる

・私は、怨んで、責めて、泣いて憎んで、その果てにようやく別れというものが訪れる
 気がしてならない。
 人に愛された思い出より、人と別れた思い出を持つ女のほうが、しっとりと魅力的
 なのは、その女が心底から人を呪い人を憎んだ苦しい経験を経て、人を許すことを
 知っているせいではないかしら

・でもやっぱり、死ぬのはどんなに美しくみえても敗北だということ、生きているもの
 が勝ちだということ。生きて闘うこと。それが人生だと思います。

・芸術家というのは、生まれながら身体にも魂にも悪魔を同居させている。

・変わりやすく移ろいやすい「愛」だということを、人間は本能的に知っているから
 こそ、さまざまな約束事で互いの愛を縛り、つなぎとめようと努力する。
 結婚という契約がそれで、人間は自分たちの愛の自信のなさに本能的に脅えていて
 神に誓ったり、盛大な披露宴をはり、自分にも相手にも世間にも、自分たちの愛の
 不変をデモンストレーションしてかかる

・世の中と闘っているために、常に刺激をうけ心身とも彼女たちは実際の年よりは若々
 しい

・彼女が何より我慢できないのは、自分の前にいる彼がこれほど自分に夢中になり、
 燃えるにもかかわらず、いざとなると、妻や子を決して捨てようとはしない厳然とし
 た事実。

・愛人は気付かない間に、すでに半分「妻」に変化

・日本は世界一の堕胎国

・友情は人格と人格の、個性と個性の結びつき

・未亡人。育ちきった肉体はすでに耕され、肥料のまかれた畠

・人間が成長していくためには、多くのことを忘れ去らねばならないし、
 忘れるべき努力もしなければならない。

・天皇という幻影のために死ににゆく子を産むために、恋し、結婚し、愛するものを
 戦場に送ることが、名誉ある女の幸福と思っていた夢を、愚かだとわらうことは易し
 い。けれども、その悪夢から覚めた私たち世代の女だけが、本当の虚無感の凄まじさ
 を知っているし、偽政者や権力者に対する根深い憎悪と怨恨をかくしもっている





基本、女性に向けて書かれているのだけど、ゲイだからまぁいいか、と読んだ。
(寂聴さん、ごめんなさい)



芸術家の定義がすごく面白く感じた。
けど、確かにそうなんだろうと思う。
悪魔を飼っているからこそ、常人とはかけ離れたモノを創り出すことができるんだろうなぁ。



あと、「物を知ることは哀しいこと。」。
この文にとてもしっくりきた。

いろんな本を読むごとに、どんどん心が哀しくなっている今があるから。
それでも自分の手を止められない理由は、物を知ることができるから。それが栄養になっている。
哀しくならないで物を知ることができたら、どんなにいいんだろうか。
でもそれは魅力のないもののようにも感じる。
人生、うまくいかないものです。





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生きることば あなたへ : 瀬戸内寂聴

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生きていくための言葉のまとめ。


・相手が今、何を求めているか、何に苦しんでいるかを想像することが思いやり。
 その思いやりが愛。

・逢う人はすべて一期一会とおもい、心をこめた別れ方をしておきたいと思っています。
 そう思いはじめてから、いっそう人がなつかしく、恋しく思われるのもありがたいこ
 とです。

・人間は生まれたときから、死という種子を体内に抱えている果実のようなもの

・わたしはただ自分の才能の限界を、生きている間にできるだけ押し開いてみようと
 努力しているだけ

・仕事に打ち込むためには恋も必要。恋は人間の情熱をつくる燃料

・愛するものとの死に真向きになったとき、はじめて人はその人への愛の深さに気付く

・わたしたちはひとつの愛を得たとき、いつでもその永遠を請い願うけれど、
 それは今夜で終わるかもしれないことを常に覚悟しておくべき。そう思えば、
 生きていた限りに愛しつくしたという思い出が残る

・亡くなった人への愛に固執せず、その人の生命まで自分で引き受け、たくましく
 生き、新しい愛にめぐり合いなさい。それは不貞でも何でもない。
 亡くなった霊は愛するものの、幸せしか祈っていない。なぜなら彼らは、人間ではな
 く、仏になっているから。

・さびしさに突き落とすだけで、人は殺せる

・犀(さい)の角のようにただ独り歩め。

・心の聡明な人、考え深い人たちは、怠けずよくはげみます。
 独りで生まれ独りで死んでいく人間は、自分を頼れるものに鍛え上げるしかない。

・愛する人があって、自分が愛されている自覚が、生きることにいちばん大切なうれし
 いこと

・孤独に甘えてはいけない

・放浪のたびに出る人間は、決して逃避する弱い人間ではなくて、強すぎて
 狂おしい人間のように思われます。

・わたしたちはいちど愛を捕らえたと思うと、謙虚さを忘れてしまいます。
 この愛を得たのは当然の運命だったかのように思い上がり、愛を独占しようとします。
 苦しみはその日からはじまる。

・万物流転の法則のなかでは、ひとりの人間の運命など、目にも入らないゴミみたいな
 もの

・愛しもしない、憎みもしない。それがいちばん冷淡なことで無関心なこと。

・同じ状態がつづかないことを仏教では無常といいます。

・悲しいとき、辛いときは思い切り泣きなさい。これはひとつの真理

・恋愛が下手、恋人ができないという人は、相手の気持ちを察する想像力に欠けている
 人です。

・大晦日に鐘を百八つ、人間の煩悩を叩くといわれるのは無限の煩悩がわたしたち
 にはあるということ

・心は変わるもの、無常という覚悟がなければ、信じて裏切られたと、
 年中くやしがっていなければなりません。

・そのつけが自分にかえってくるのを覚悟するなら、不倫をとめても仕方がないでしょ
 う。

・ゆるすとは、この現世の生々流転を、悲しみの目で見守れるようになること

・ボケるというのは、仏様になること

・自分のおろかさに気付いた人間は、人に対しても偉そうなことがいえなくなります。
 人のおろかさにも寛容になれます。

・いのちとは人のはからいの外のもの。

・エイズは驕りきった(おごりきった)人類、退廃しきった地球への神の警鐘であり、
 怒りのしるしであったかもしれません。

・すぐれた老人とつきあうことのほうが、発奮させられ、元気づけられ、若くなって、
 老いこまない秘訣では

・どこでも自分の置かれた場所で一生懸命努力すればそこに真の生きがいを見出せる

・みんな自分の身に起きた不幸が、世界一のように思い込みたがります。

・わたしは老人同士の性愛を美しいと思えるようになりました。

・どうせ何かの縁で引き受けてしまった以上、どの仕事も喜びをもって心から進んでや
 りこなす






「心の聡明な人、考え深い人たちは、怠けずよくはげみます。
 独りで生まれ独りで死んでいく人間は、自分を頼れるものに鍛え上げるしかない。」

という言葉が一番心に残った。


きっと今はまだ孤独に甘えている自分。少しずつでもいいから、自分を頼れるものにしていきたいと思う。



ボケることを仏様になる、という表現は素敵。
そう思いたい。


ひとりでも生きられる : 瀬戸内寂聴

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実は著者が作家であることすら知らなかった。



・50年を生きてしまった私の愛への確信は、人は別れるために出遭う

・衰えることわりに支えられているからこそ、刻々の愛がきらめく

・人は人を愛していると思い込み、実は自分自身だけしか愛していない場合が多い

・恋を得たことのない人は不幸

・多く傷つくことは、多く愛した証拠

・人は死ぬために生まれ、別れるために出逢い、憎みあうために愛し合う。

・彼がもし、妻や子を捨てて私の許に来るようなら・・・そんな冷酷な彼を私は愛さないだろう・・・

・もう自分の手で触れ、自分の皮膚で感じ、自分の目でたしかめたもの以外は信じまいと思った。

・彼は私の部屋では情夫や恋人ではなく、れっきとした夫の風格を持つ「影」であった

・私の見過ごしてきたつもりの小さな痛みや傷あとが、心の深みで決して消えてしまわず、毒々しく
 芽を吹いているのを次々発見もしていくのであった。

・性欲は灰になるまで

・人間は他の動物とちがっている点のひとつに、自分が社会に、あるいは誰かに必要とされ、
 需められているという自覚なしには淋しくて生きていけないのではないか

・官能の快楽だけでなく、その実感をたしかめあうことができるからこそ、
 人はあれほどセックスに固執したがるのかもしれない。

・単調な日常のトーンが崩れる。

・どの愛にも必ず、灼熱のときがすぎると、空しい死灰が残され、終わりがあった。
 次の愛はその死灰からよみがえるのではなく、別の土からまた芽をふいた。

・身を捨てて愛する能力のあるものには、愛される能力も自然にさずかるのでは

・人間は所詮ひとりだからこそ、他人とのコミュニケーションを欲するのであり、
 愛する相手をほしいと希うのであり、その愛を独占したいと思うのだろう

・未来の別れには目をつぶって、人は出逢いの神秘を喜び、出逢いの甘さに酔えばいいのだ

・愛する人の手の中で死にたいと願い、愛する人を自分の手の中で逝かせたいと思うのは、
 愛の究極のエゴイズム

・人はひとつの愛に馴れると必ず、他の愛を思い描く。
 もうひとつの出逢いがまだどこかにかくれて、自分を待ち伏せているのではないかという
 期待を捨て去ることはできない。

・人はいたるところで出逢う。重要なのはこの日常茶飯の出逢いをどのように自分の人生に
 繰り込み、深い有縁のものと消化し、血と肉として、自分と同時に他者の人生を肥えふとらせていく
 かという心構えと、生活技術

・死はすべてを清め、あらゆる想い出を浄化して、美しい想い出だけを輝かせる。

・自分の愛の本当の姿を凝視したことがあるのだろうか。

・恋をすることは、待つことでなく、歩いていって捕らえるべきだという若い日の経験を想いだした。
 私は花になるより、蝶になりたかった。

・愛されるのを待っていた辛さより、自分から愛する積極性をとってから、
 世の中が前より広く空がうんと高く見えてきましたわ

・人間が生きるということの意味を、私はいつごろからか、自分の中に眠っている才能の
 可能性をひきだし、極限に押し広げることだと解釈している。

・ほろぼしてしまうまで、情熱を燃やし尽くす恋をするほうが、
 人間らしくていいのでないか

・人は女に生まれない。女になるのだ。

・浜の真砂ほどもある無数の男の中から、ただひとりを一度で選ぶなんて全知全能の
 人間でもないかぎり、宝くじを引き当てるより可能性の少ないこと

・予期しなかった不都合に逢えば、勇敢に何度でもやり直せばいい。

・中身が空疎になればなるほど容れ物を豪華に飾り立てたがる家庭という名の砂城。

・永遠の愛など決して存在しないことを知っているからこそ、今日、この瞬間の愛の大切さを
 一滴もこぼさず味わい尽くそうとする。

・仏教でいう「空」とは、執着せぬ、こだわらぬ、自由さ、といったものの表現
 「色」は形象のあるもの、「物質」というような意味をもつ

・人間の男女の間に起こるすべてのラブアフェアなど、どんなに特異にみえても、必ず、
 どこかの誰かもやっている、類型的なものにすぎない
 大切なのは、その事件をとおして、当事者たちが、どう生きたかが問題




昭和48年に刊行されたエッセイ。

著者のことは、正直ほとんど知らなかったので、駆け落ちのようなことや、不倫など
一連の「悪い」とされる「愛」を経験していることに驚いた。

やはり一人の普通の人間であり、女性だったのだと思った。



タイトルこそ、ひとりでも生きられる、だが、
内容は、ひとりでは生きたらダメだと訴えているような気がした。

ただ、恋愛というのは、素晴らしいと説いている印象。


勉強になった。

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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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