スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ハワイの食用蛙 (北大路 魯山人)

syokuyougaeru.jpg





食用ガエルの脚をオリーブ油でフライにしたのを出されたが、これはなかなか美味でした。

ハワイは、意外に食べ物のうまいところで、アロハ飛行場で出されたアイスクリーム、コーヒーの素晴らしかったこと。コクがあって、ネバリが強くって、あんなにうまいアイスクリームはついぞ口にしたことがありません。

ハワイのコーヒー、これも素晴らしくいい。風土のせい、気候のせい、コーヒーそのものがすこぶる上等なのでしょう。その上、ミルクの味のいいこと。まさに近来の掘り出し物です。

しかし、外国はどこの国の料理でも、食器と盛り付けの点で落第です。どんな一流の店でも、実につまらぬ食器を使って、盛り付けになんの注意も払っていません。鍋やフライパンから無造作に皿へザーッとあけて平気でいます。目に訴える美感について鈍感なのに驚くほかありません。この点、盛り付けを含めて日本料理の高さというものは、世界無比だと思います。

食べ物は単に舌だけで味わうものではなく、全感覚を喜ばせるものでありたいとする日本人の美食学は、実に世界の最高を行くものだと思います。いうまでもなく、店構えも立派、すべてが清潔ということも第一条件でありますが、それだけで終わっているアメリカ料理の奥行きの浅さを僕は感ぜずにはいられませんでした。





著者の本を読むと、食器をきちんとこだわりたいといつも感じさせられるのでした。
いい食器ありきの、いい料理なのですね。

スポンサーサイト

筍の美味さは第一席 (北大路 魯山人)

takenokonoazi.png







筍も産地による持ち味の等差というものの甚だしいのに驚く

京阪は本場である。関東のそれは場違いとしたい。目黒の筍など名ばかりで、なんの旨味もない。京都では、洛西の樫原が古来第一となっている。その付近に今ひとつ、向日町という上産地がある。洛東の南、伏見稲荷の孟宗藪も近来とみに上物ができて、樫原に劣らぬと自慢している。 しかし、私の経験ではなんと言っても樫原の優良種がよい。噛みしめて著しい甘味があり、香気がすこぶる高い。繊維がなくて口の中で溶けてしまう。

ゆがいた筍を永く水に浸しておくのは、味を知らない人のすること、掘って間のない本場ものなら、京都人は、ゆでないでそのまま直ぐに煮て、少しも逃げない味を賞味している。煮冷えすると白い粉が吹いているが、平気で美味さをよろこぶ風がある。

新しい筍を煮るのに、醤油、砂糖でできた汁を筍の肉深く滲み込ませるのは考えものである。日の経った筍や缶詰ものならばそれもよいが、掘りたてのものであってみれば、煮汁を滲みこませないよう中身は白く煮上げるのが秘訣である。 こうしてこそ筍のもつ本来の甘味と香気が生き生きと動いて、春の美菜のよろこびがあると言うもの。しかし、関東ものは本場並みにはいきかねる点もあるから、そこは筍次第で、人おのおのの工夫を要するものとしたい

孟宗の終るころ、はちく・やだけ・まだけが出て、孟宗の大味にひきかえ、乙な小味を楽しませてくれる。





やはり土地によってたけのこの味が違うのですね。
ぼくの生まれ故郷である岡山では真備のたけのこが一番有名なのですが、京都のたけのこ、ぜひ食べてみたいですね。

椎茸の話 (北大路 魯山人)

siitakenohanasi.jpg





大分県あたりで採れる椎茸は実に見事で、日本一と叫んでもいいだろう。大分の椎茸は本当の椎の木にできた椎茸なので、かさが黒くなめらかで、香りや味がすばらしい。関東で賞味している椎茸は、実は椎の木にできたものではなく、櫟の木にできたものだから本当にうまいとはいえない。

椎茸のかさは、そのできる木の皮に似る性質があるので、櫟の木にできた椎茸のかさは櫟の皮と同じようになっており、椎の木にできた椎茸は椎の皮に似ている。

さて、櫟椎茸だが、これは噛みごたえがあるという特徴はあるけれども、椎の木にできた椎茸のように香りがない。所詮、椎の木にできた椎茸にまさるものなしといえよう


胡瓜 (北大路 魯山人)

kyuuri0830.png





今日では温室栽培の向上によって、くだもの、野菜など季節がなくなってしまった。

しかし、促成野菜を味なきもののようにいうのは、促成野菜の価値を認識しない批評であって、促成野菜は、いわゆる旬のものにない味わいを持っている。従って、軽々に取り扱うのは考えものである。

昔は旬のきゅうりという一つのものであったが、今日では促成野菜というものができて、きゅうりもなすも二種類になっているわけである。従って促成と季節と楽しみは二つにふえているわけである。

大きくなっても種がないうちはうまいが、種ができるように成長してしまっては落第である。







促成栽培のものでも旬のきゅうりとはまた違う味わいがあるようで。
そう考えて食べたことがなかったので、面白いですね。


デンマークのビール (北大路 魯山人)

denmarknobeer.jpg

--------------------------------------------------------------------------------
この程度のものなら、なにもわざわざビールのためにドイツへ行くまでもないと目下、思案最中です。

フランスのビールはとりわけまずい。これはフランスに良水がないせいでしょう。チェコスロバキアのビールは、ちょいと中将湯のようなにおいと味とを持っています

ビールは大壜より小壜の方がうまい」と始終いっていましたが、こちらに来て、いよいよ僕のこの考え方が正しいことを確認しました。日本を一歩踏み出すと、どこの国でも全部小壜ばかりです。日本も一日も早く小壜主義にならなければ嘘だと思います。

アメリカに来ている日本のビールは、かん詰のアメリカビール程度にまずい。ここにおいて、ビールもまた新鮮を尊ぶことを知りました。

ビール好きの僕、相変わらず毎日ビールを飲んでいますが、日本を離れていちばんうまかったのは、ニューヨークのロシア料理店で出された「チュボルク」というデンマークのビールでした。

今までイギリスは食べ物のまずい国とされていましたが、聞くと見るとでは大違い。さすが古い国柄だけあって、アメリカなどとは比較にならないくらい格式があり、なにかにつけて行き届いていて、味も優れています。

--------------------------------------------------------------------------------


ぼくはビールを飲まないので、なんともいえないのですが、
食の匠の著者がフランスのビールがまずいなんていうと、絶対に口にしたくないなぁと思ってしまうのでした。
恐ろしき影響力。なんだかフランスのビールに申し訳ない気さえしてしまいますが、、。


ビールも新鮮を尊ぶ、という言葉が印象に残りました。

Pagination

Utility

Profile

Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

Category

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。