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「死への準備」日記 : 千葉敦子

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死へのジャーナリズム。


・会話というのは、もっとも知的刺激の強い日常活動なのだ。

・声を失うことは、一つの死を死ぬことなのだ

・私の病気は非常に深刻で、涙にくれている場合ではないのだ

・肉体的な苦しさに歯をくいしばって耐えている時間以外は、どうやって残された時間
 を意味あるものに使うか、だけを考えてきた

・日本人男性の女性蔑視は、人間に対する基本的な尊敬の念が欠如していることから
 きていると私は思う

・自分の妻や母親や娘や姉妹を、人間として尊敬していない男は、すべての差別に
 ついて鈍感だ。

●宗教の一番悪いところは、信仰を持って幸せを感じる人が、他人にそれを
 押しつけようとする点ではないか。


・身だしなみを整えて友人と一緒にレストランで食事ができるということは、
 進行癌の患者にとって、精神的にどれだけ貴重なことか

●あと何度食事をとれるか分からないという状況にあるからこそ、一食一食が祝い事
 のように感じられる。


・人類の歴史を振り返れば、だれでも謙虚な気持ちになるものなのだろう。

・日本人の入院日数の長いことは有名で、世界各国から奇異の目で見られている

●癌という病気は、ゆっくり休んでいれば治るものではない。
 少しでもできる間にやりたいこと、やるべきことをやらなければ、いつ
 命が終わるか分からないというのに。


・私の友人には、何人か、このような高いエネルギーのレベルを保ち、心の容量の
 大きい人がいる。こういう人と交わっていると、毎回学ぶことばかりだ。

・「わたしの夢見ていたのは、絶えず思考を挑発し、わたしたちがあまりに安易に
 既知のものだと考えがちな多くの観念を新しい光で照らしてくれるような知識」
 -竹内信夫訳[自死の日本史]

・絹は、なんといっても肌触りがよいのが魅力だが、軽くて、夏は涼しく、冬は温かく、
 丈夫でながもちする繊維だ。

●カトリックの聖職者の間にエイズがじわじわと広がりつつあり、各地で問題を引き起
 こしている。しかし、カトリックでは神父や修道士にセックスを禁じており、また同
 性愛を神の教えに背くものとして教えているため、聖職者の間にエイズ患者が出ては
 都合が悪いことこのうえない。

●エイズ患者は、カトリックの聖職者の場合は、想像を絶する苦しみなのだろう。
 死に至る病気にかかると同時に、それまで秘密に行っていた性生活と同性愛者である
 ことが両方とも明らかになってしまう。健康を失うだけでなく教会からも破門される
 ため、職を失い、信仰上のアイデンティティを失い、プライドを失い、社会的地位を
 失い、同僚からの支援でさえ失ってしまうことも多いらしい。

・私は多くの日本人が送っているような「建前」と「本音」のあるダブル・スタンダー
 ドの生き方を拒否してきた。

●日本のエイズ・パニックの様子がアメリカにも報道されているが、私の周囲のアメリ
 カ人は、日本人の大騒ぎぶりにあきれた顔だ。日本のエイズ患者数はアメリカの100
 分の1にも満たないのに、そして、その病気の感染ルートはきわめて限られていると
 いうのに、なぜ日本人はそんなに騒ぐのか。

●「日本人はどうして婚外関係にそんなに寛大なのか」「なぜ日本人の夫たちは、
 性産業の顧客であり得るのか」「どうして日本人の妻たちは黙っているのか」

●アメリカにももちろん売春産業はあるけれど、それはあくまでも旅行者のため、
 あるいは大都市に住む社会の底辺の一部階層のためのものであって、結婚している
 ふつうの男が娼婦を買うことはまずない。

●アメリカではこれから性の世界へはいっていく子供たちにエイズをどう教えるかが
 最大の問題点とみなされているが、日本では一人の娼婦がエイズで死んだことに
 大騒ぎしている。

●ロバート・ジャーヴィック医博「幸福な状態とか、気分のよさは、脳の働きによるも
 ので、生まれつき幸福になりやすい潜在性を持って生まれた人間と、そうでない人
 間がいる。ちょうど鬱状態になりやすい潜在性を持って生まれる人や、高いエネルギ
 ーを秘めて生まれる人がいるように。これらは脳の科学的、有機的機能と深くかかわ
 っている。幸福感と関係する、ある種の化学物質を出したり、受け取ったりすること
 が、よくできる人とよくできない人がいるようだ。」

●柳沢桂子博士の実感では、気力というものも、やはり物質的な基礎に立つもので、
 持ちたいと希望して持てるものではない、という。人それぞれに生まれついた気力の
 レベルがあり、高レベルの気力を持って生まれてきた人は、幸運というしかないらし
 い。


●アメリカの性格分析学によると人間は「定着型」と「移動型」に分かれるそう。
 定着型の人は、世界を、意味のある人々や物から成る「オブジェクト」と見、それら
 が恐ろしい、空っぽな空間によって引き離されていると見る。こういうオブジェクト
 が危険な世界から自分を守ってくれると期待する。安全だけが意味を持つ。
 移動型の人は、世界を親しみ深い広がりと見、そこに意味のある人々や物という
 危険なオブジェクトが点在していると見る。空っぽな空間を愛し、それを埋める
 オブジェクトを恐れる。他人に頼らず成功する自分の能力に過剰な自信を持ち、助け
 を求めない。他人を信用せず、他人に関心を持たない。自由だけが意味を持つ。


・個人の充実した一生よりも子孫繁栄に価値を置くアジア文化圏

●「闘争的ながら称賛し合い、論争的ながら敬意に満ちている」

・寝ている時間が長い生活で、陽を浴びながら寝ていられるというのは、本当に
 すてきなことだ。

・癌はなかなかよい病気だ。別れのときのための準備ができるからだ。

・精神生活のない、ただ動物として生きている苦しさは耐え難いものです。

・死に行く人が最も恐れているのは孤独な死であり、また、死に行く人と死について
 率直に語り合わなければ、その人はますます気分を落ち込ませることになろう。

●手を握り、好意を示し、賛辞をおくるべきなのだ。心に思うだけでなく口に出して、
 さようならを言うべきである。





誇り高く、強い女性だと思った。
声を失おうと、体が弱っていこうと、本の中で強さを貫いていた。
病気と闘い、時代と闘っていたように思う。


著者と一度お話させていただきたかった。
とても優れた女性。お亡くなりになられたのは非常に惜しいけど、
こんなにも優れた本を残してくださったのは感謝。


柳沢桂子博士の気力の話が一番印象に残った。
あぁ、そうかもしれない、と。



もっと多くの人に読んでほしい本でした。




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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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