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看護覚書 - 看護であること・看護でないこと- : フロレンス・ナイチンゲール

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看護の基礎にして、すべて。


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1.換気と保温
・日々の健康上の知識や看護の知識は、つまり病気にかからないような、
 あるいは病気にかからないような、あるいは病気から回復できるような状態に
 からだを整えるための知識は、もっと重視されてよい。こうした知識は誰もが
 身につけておくべきもの

・病気とは
 毒されたり衰えたりする過程を癒そうとする自然の努力の現われ

・自然がつくりだし、われわれが病気と呼んでいるこの回復過程

・看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、
 これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えることー
 こういったすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、
 を意味すべき

・良い看護が行われているかどうかを判定するための規準としてまず第一にあげられる
 こと、それは患者が呼吸する空気を、患者の体を冷やすことなく、屋外の空気と
 同じ清浄さに保つこと

・いかなる場合も、空気は常に屋外から、しかももっとも新鮮な空気の入る窓を通して、
 採り入れること

・使っていない部屋に関して一般の人々が考えていることは、ただひたすら埃が入らな
 いように、しっかりと閉ざしておけば大丈夫であり、ふたたび使うときには、短時間
 開けておきさえすれば害はない、というもの

・窓の開放を畏れない。ベッドの中にいて風邪は引かない。
 ベッドの中でも風邪をひくことがあると思うのは、よくある誤りのひとつ。
 適当な掛け物と必要に応じて湯たんぽを使えば、ベッドの中の患者を常に暖かく保ち
 ながら、同時に充分な換気もできる

・およそひとが風邪をひくのはたいていのばあい、長時間、おそらく数日以上も
 ベッドの中ですごしたあと、はじめて起き上がったとき、つまり防御反応がさらに
 鈍っているとき。

・起きて動きまわれる患者のばあいは、病室の窓は、患者が自分で簡単に開閉できるよ
 うであってほしい。事実、そうなっていないばあいに病室の換気が良かったためしは
 ない。それほど、病人にとって健康的な空気がどんなに大切であるかを認識している
 ひとは、ごくごく稀。(高熱のために譫妄(せんもう)状態にある患者のばあいは、窓
 から飛び降りる危険があるので、もちろん例外)

・病棟や病室の空気の採り入れ口として最も悪いのは、床の高さあるいは床に近い高さ
 のものである。この位置から採り入れた空気は、部屋の床と下層の空気とを冷やして
 しまい、ベッドから降りられるような患者の場合には、危険な冷え込みとなりかねな
 い

・換気とは
 空気を清浄に保つこと、それだけを意味する

・換気のまったくない部屋で二人が眠る危険にくらべると、同じ部屋に4人が眠る
 危険度はとても2倍などではすまず、6人となると3倍をはるかに超える危険度と
 なる。このことに気付く人はめったにいない。

・致命的な冷え込みは、24時間中でいちばん気温が低く、かつ前日の食事が与える効
 力も使いつくしてしまった、明け方に最も起こりやすい。
 一般的に言って、衰弱している患者は、夕方よりも明け方に寒さにやられると考えて
 よい。患者が夜半に発熱して手足が熱いようなときには、ほぼ確実に、明け方には
 寒気を覚えてふるえているはずである。

・患者にとって最も安全な空気は、温度が極端に高すぎたり低すぎたりするときは別
 として、適切に火が焚かれていてしかも窓が開けられているときの空気である。

・病人にとっての生命の源泉ーすなわち新鮮な空気

・われわれがかかる病気の半分は、窓を閉め切って寝る人たちによって引き起こされて
 いることが事実だと証明されたら、その人たちはなんというだろうか。

・大都市においては、往々にして24時間を通じて空気は夜気が最高であり最も清浄で
 ある。あらゆる条件から見て、患者の部屋を換気するのに最良なときは夜なのである。

・窓は開けるために、ドアは閉めるために作られたもの

・臭気を放つものはすべて、それら臭気を患者が吸う空気の中に発散させている。
 つまり、臭気や湿気を発散するものは何物も病室に置いてはならない。

・患者が排泄した汚物はすべて直ちに室外へ持ち出さなければならない。
 それは患者が出す発散物より以上に有害だからである。

・空気を浄化するために薫蒸剤や「消毒薬」などの類に頼るようなことはやめる


2.住居の健康
・住居の健康を守る基本
 1清浄な空気 2清浄な水 3効果的な排水 4清潔 5陽光

・清浄な空気を採り入れるには、住居の構造そのものが、外気が家のすみずみにまで
 容易に入ってくるようになっていなくてはならない。建築業者たちは、まず絶対に
 このことを考慮しない。

・陽光の入らない暗い家は、例外なく不健康な家であり、空気の汚い家であり、不潔な
 家である。光が射さないと、こどもの成長は遅れ、るいれき、くる病などがはびこる。

・部屋を閉め切ることは汚すには最適の方法

・「神の御恵みによって彼は回復するであろう」という、決まり文句がある。しかし、
 たとえ彼が回復しないとしても、それも神の御恵みであり、そもそも彼が病気になっ
 たのも神の御恵みで、死んだとしても神の御恵みである。

・思慮深く情をこめて患者を管理することこそが、感染に対する最良の防衛手段。

・今われわれは、病気というものを、犬やネコと同じように、存在していて当然な個別
 の存在とみなしているが、これは長い間続けてきた誤りではないだろうか。
 病気というものを、不潔な状態とか清潔な状態と同じように、私たち自身の手で
 コントロールできる状態と見なせないものであろうか。
 言い換えれば、病気とは、私たちが自ら招いてしまったある状態に対する、自然の思
 いやりのこもったはたらきであると考えられないであろうか。

・病気とは、状態を指す言葉であって、実態を指す言葉ではない




3.小管理

・小管理ー「あなたがそこにいるとき自分がすることを、あなたがそこにいないとき
 にも行われるように管理する方法」

・病室の責任は廊下にも及ぶ

・なるべく自分自身が勤務についているようにしようと努力する<中途半端な>やり方
 は、かえって患者の心配をつのらせる。
 もしあなたが、自分がその場にいようといまいと物事がいつも整然と運ばれるように
 手筈を整えておきさえすれば、患者はもうまったく心配する必要がなくなるのである。

・患者にとって、気がかり、半信半疑などでの心身の消耗は、有害。
 患者はいつも自分の顔と敵をつき合わせていて、内面で戦い、想像上の対話を
 続けている。

・責任者は誰も、どうしたら自分のなすべきことを自分でできるかではなく、
 どうすればなすべきことがいつも行われているようになるかを考える

・責任者は往々にして「自分がいなくなると皆が困る」ことに、つまり自分以外には
 仕事の予定や手順や帳簿や会計などがわかるひとも扱えるひともいないことに誇りを
 覚えたりするらしい。私にいわせれば、仕事の手順や備品や戸棚なども、誰もが理解
 し使いこなせるようにーすなわち、自分が病気で休んだときでも、すべてを譲り渡し
 て、それですべてが平常どおりに行われ、自分がいなくて困るようなことが絶対ない
 ようにー方式を整えまた整理しておくことにこそ、誇りを覚えるべきである。



4.物音
・故意であれ偶然であれ、眠っている患者を起こすようなことは、絶対にあってはなら
 ない。

・痛みには、痛み自体を引き伸ばし、痛み自体を強める作用があり、脳の興奮にもそれ
 と同じような作用があり、脳の興奮にも同じような作用がある。一眠りすることによ
 って、脳の興奮や痛みから、たとえ一時的でも解放されるということは、たんなる小
 休止以上の意味がある。

・敏捷(びんしょう)と軽やかさと優雅とは、まったく矛盾しない。

・不必要な音というものは、最も残酷な、配慮の欠如

・患者と話すときは常に、患者の視野のなかに座ること
 患者に話をするときは、なるべく身体も動かさず、また身振り手振りなど絶対にしな
 いこと

・病人に突然話しかけるようなことは絶対にしてはならない。

・看護婦は、どういう状況ならば患者が耐えられるかについて充分な観察をしていない
 かぎり、立ったり動いたりしている患者には声をかけない、という絶対原則に立つこ
 と。

・歩くという動作が体力のない患者にとってどれほど心臓・肺・脳の負担になるか

・あなたと一時間ほど機嫌よく会話を交わした患者のところへ、その後もう一度もどっ
 て、彼の様子を観察してみることだ。これが患者のありのままの状態を判定するのに
 最良の方法

・病人に接するには、何にもまして簡潔さと果断さとが要求される。
 あなた自身の心のなかに何らかの疑問や躊躇いのあるようなことは、たとえそれが
 些細なことであっても絶対に患者に伝えないこと。

・周囲の人間のためらいや優柔不断、これはすべての患者にとって恐怖

・ヒポコンデリー・・・心気症。健康についての病的な不安から、実体的な病気はないの
 にさまざまな病気や症状を自分で想像する神経症

・奇術師のウーダンによれば、話を相手に短く感じさせるには、ゆっくりと話せばよい。
 病人に読んで聞かせる場合も同じことがいえる。

・病人に読んで聞かせる方法を知っているひと、すなわち、ふつうに話すのとまったく
 同じ調子で心地よく朗読する人は、ごく稀である。ゆっくり目がよく、また思い切っ
 てはっきり読むべきだが、単調なほうがいい。大きい声のほうがよい。長時間にわた
 らないこと。子どもは物語を読まれるのではなく、話てもらうほうを好む。

・音楽は、<活力に充ちている>健康人に対しては巧まずして、その活力溢れる生命の
 悦びを呼び起こし、<活力のあるはずのない>病人に対しては、悦びをもたらし、ま
 た自分の無力に対する神経の苛立ちを拭い去ってくれる。




5.変化

・老練の看護婦あるいは永く病んでいる患者以外の人びとは、長期にわたってひとつ2つの部屋に閉じ込められ、毎日毎日、同じ壁と同じ天井と同じ周りの風物とを眺めて暮らすことが、どんなに病人の神経を痛めつけるかは、ほとんど想像もつかないであろう。

・私はむしろ、気分が明るい病人の大部分は、その病気の種類を問わず、ひとつ部屋に
 閉じ込められていないひとであり、反対に、気分の暗い病人の大部分は、長期にわた
 って身の回りの単調さを強いられてきたひと

・私が見てきたところでは、熱病患者のばあい最もはげしい症状を現すのは、窓から外
 がまったく見えず、見えるものは天井や壁の板の節目ばかり、といった患者たちであ
 った。色鮮やかな花一束に狂喜した熱病患者たちの姿を、私は一生忘れないであろう。
 そしてまた、病床に一束の野の花が届けられたときのこと、そしてそれ以来、回復の
 足どりがずっと速くなってきたことを、今もありありと思い出す。

・植物は混み合った部屋のなかで、室内の炭酸ガスを吸収して酸素を産出してくれる。
 切花も水を分解して酸素を出してくれる。百合などの花は、そのにおいが神経系統を
 衰弱させる働きがあるといわれる。

・私は、体が心に及ぼす影響について、もう一歩考えてほしいと思う。あなた方だって
 いろいろな心配ごとに悶々とすることもあろう。ところが健康人であるあなた方には、
 リージェント街に出たり、田舎を散歩したり、食事を楽しんだり、いろいろな気晴ら
 しがその気になればいつでもできる。それによって、悩みはどれほど軽減されている
 ことだろう。その一方、そのような変化をもてない病人の場合、心の悩みはますます
 募り、病室の壁にまで心配ごとを掲げられているように見える。変化という救いの手
 が差し伸べられないかぎり、つきまとって離れぬ想念から逃れることは不可能

・病人に生命のない壁面を凝視させておくことの残酷さ

・いつも不思議でならないのであるが、自ら看護婦と称する教養豊かな人々でさえ、
 自分の生活や仕事については、一日に何度も変化をもたせておりながら、寝たきりの
 病人を看護しているというのに、病人の身の回りに変化をつけて気分転換をはかった
 りなどまるでせず、ただじっと重苦しい壁面を見つめさせておくのである。

・病人の神経は常に、あなたが徹夜したあとの神経と同じ状態にあるのである。

・読書は往々にして病人にできる唯一のことであるが、これは書き物や針仕事などの手
 仕事と比較してあまり救いにはならない。



6.食事

・病人に食物の話を聞かせたり、生の食材を見せたりも避けること。
 私の知る限り、この原則に例外はない。

・非常に些細なことであるが、患者のカップの底を濡らさないなどのささいは注意の
 あるなしが、患者の安らぎに、食事を摂ろうとする意欲に大きな相違をもたらす



7.食物の選択

・一般に女性のほうが消化が遅い

・砂糖は純度の高い炭素源として最も栄養のある食品のひとつ

・ゼリーにはあまり栄養のないこと、また下痢を起こしやすいことは、今は周知のこと。
 病気で弱った体力の回復を目的としてゼリーに頼ることは、食物を摂らせるという外
 見のもとに、病人を飢えさせることにほかならない。もっともゼラチンはかなりの量
 の窒素成分を含んでおり、この成分はきわめて有効な栄養素のひとつである。

・少量の牛肉スープをほかの栄養物に加えると、実際に加えた量に不釣合いなほど、そ
 の食品の栄養効果が増大することは、かねてから知られている。

・看護婦の任務の中でも他に比較できないほど重要な任務は、患者の呼吸する空気に注
 意を払うことに次いで、患者の食物の影響を注意深く観察して、それを医師に報告す
 ることなのである。

・ココアは脂肪と澱粉からなる木の実の一種にすぎず、元気回復の効力はぜんぜんない。
 ただ身体に脂肪をつけるだけ。




8.ベッドと寝具類


・何日も何週間も風を当てて乾かしたことのない寝具類にくるまってきた患者は、
 そこに浸み込んだ自分の身体からの発散物を、繰り返し再吸収してきたのである。

・患者の身体をきれいにしたあとで、再びもとの寝衣を着させざるをえないような
 ばあいは、必ずそれを前もって火で暖めておくこと。それは湿っているに違いなく、
 その湿気のせいで、たとえ2,3分でも脱いでいる間に寝衣は冷えてしまう。
 火で暖めることは、乾かすと同時に空気を通すことにもなる。

・鉄製でバネのついたベッド枠が最良

・優れた看護婦はけっしてベッドの上に盆を置いたりなどしない。またベッドは高す
 ぎないこと。

・子供たちの間のちょっと不思議な瘰癧症がすくなからずあって、それは掛け布団を頭
 までかぶって眠る習慣が原因で発病すると言われているが、それには信じるに足る根
 拠がある。こうした習慣の子供たちは、肺から排出されたものに加えて、さらに皮膚
 からの発散物によって汚染された空気を吸っているからである。

・これは知っておくとたいへん役に立つことであるが、じょくそうのできそうな部位に 
 は、病人の身体の下に絶対に毛布を敷きこまないよう注意。敷きこまれた毛布は湿気
 を留め、ちょうど湿布を貼るのと同じことになるから。

・看護婦が患者に枕を当てるときの目標は、身体の重量が胸のほうへかからないように
 すること。枕を当てる目的は明白。呼吸器官の下にある背中を支えて肩が後ろへ落ち
 込める余裕を作ること、そして頭が前へ突き出さないように支えること。



9.陽光

・新鮮な空気に次いで病人が求める2番目のものは、陽光をおいてほかにない

・健康な人間は、病人の部屋を準備するとき、寝室と病室の違いなどろくに考えもしな
 い。健康な人間にとって、ベッドからの眺めなどは、たいした問題にはなりえない。

・太陽のあるところには思想がある



10.部屋と壁の清潔

・看護の仕事は、その大きな部分が、清潔の保持ということから成り立っている

・ほこりを追い出すための唯一の方法、それはあらゆるものを濡れ雑巾で拭くこと

・汚れた絨緞によって部屋がどんなに汚染されるか。それは、部屋に出入りする
 人間の靴によって運び込まれるおびただしい量の有機物が、そっくり絨緞に
 浸み込んでいると考えれば容易に納得できるだろう。

・室内に生じる不潔な空気はほこりから発しているのであるが、人々は、ほこりをしば
 しば移動させはするがけっして除去しようとはしない。そしてほこりのかにも居住者
 たちが呼吸とともに吐き出す動物質の発散物があり、それは家具類に浸み込んでいる。
 そこで家具類の清掃を怠っていると、部屋や病棟はまさにカビの臭いの巣窟となる。

・室内の空気は、手をかけすぎるくらいに手をかけてはじめて清潔を保てる。
 すなわち徹底的に有機物とほこりを取り除くこと。

・病人の部屋に要求される徹底した清潔ということについて、すこしでも理解している
 ひとは、その社会階級の上下に関係なく、きわめて稀である。


11.からだの清潔

・皮膚からの排泄物は、身体を洗うか衣類に吸着させるかして取り除かないかぎり、
 付着したままそこに留まるのである。看護婦は常にこの事実を念頭に置くこと。

・多量の湯水を使って身体を洗うこと。皮膚は水分を吸収して柔らかくなり、また
 発汗作用が促進される。したがって、石鹸と軟水で洗うことが望ましい。
 硬水といえば、それは手を荒らすものというぐらいの認識しかなく、硬水に酒酔いや
 消化不良などを引き起こす作用があることは、あまり考えられていない。硬水に石鹸
 を用いると、てきめんに患者の皮膚が汚れてくる。

・お茶や飲み物をつくったり、野菜を煮たり、また薬剤を溶き混ぜたりするときには、
 必ず軟水またはろ過水を用いること。これは極めて重要


12.おせっかいな励ましと忠告

・病人が直面している危険を、わざと軽く言い立てたり、回復の可能性を大げさに
 表現したりして、病人に「元気をつけよう」とする、そのような行為は厳に
 慎んでいただきたい

・素人であれ医師であれ、のこのこと病室まで出向いてきて、患者にとっての安全性に
 ついてさえ知らないことを、患者に勧めて患者を悩ます友人や知人たち。彼らのずう
 ずうしさは驚嘆に値する。

・健康な人間が、看護婦でさえも、わが身を病人の生活に置き換えて考えたりすること
 の、なんと少ないことか。

・寝たきりの病人を観察してほしい。彼らにとってその生活が、どんなに失意に満ちた
 不燃焼なものであるかを頭に刻み込んで欲しい。死以外にそこから逃れ出るすべのな
 いことが、わかるだろう。
 それなのに、あなた方は、彼らに悦びをもたらすような話題を、あるいはたった一時
 間でも気分転換をもたらすような話題を、提供することを忘れてしまうのである。

・赤ん坊と病人という組み合わせほど、お互いにとって益のある交わりはほかにない。



13.病人の観察

・病人に向けて現在一般に行われている質問では、病人に関する情報は、ほとんど
 得られないであろう。しかも、たとえ質問を受けた人が答えるべきすべての情報を
 持っていたとしても、である。
 △「患者さんはよく眠りましたか?」
 ○「何時間眠りましたか?それは夜の何時ごろでしたか?」

・私はとても頭のよいある医師を知っている。
 その診察のはじめには、「どこが悪いのか、その場所を指さしてください」と言うのであった。
 この医師は、看護婦や患者から不正確な情報を得るのに無駄な時間を費やしたりは絶対にしなかった。
 誘導尋問は必ず不正確な情報をもたらす。

・患者を自分について思い煩うことから解放するために看護婦が存在すべき。
 自分自身について思い煩うことのすべてから解放されていれば、
 患者はよくなっていくに違いない。

・思慮のない看護師「何か私にできることはありますか?」
 うわべだけの親切は、怠慢にほかならない。

・もしあなたが観察の習慣を身につけられないのであれば、看護婦になるのはあきらめ
 ろ。天職ではない。

・看護婦のために。
 常にものを同じ場所に置くようにしなさい。ものをいつも決まった場所に置いて
 眼にふれさせて覚えておく習慣をつけておかなければ、突然にそれを探すように頼ま
 れて、あわてるあまりに、自分で置いた場所がわからなくなるようなことが、いつ起
 こるかもしれない

・患者とは、他人から要求されるとおりに振舞うものなのである。これは、重要なこと。




14.おわりに

・空気の汚れがとりわけ子供たちに害を与える。
 しかも夜間の空気の汚れがいちばん悪い。子供たちが寝ている部屋をぴったりと
 閉め切っておくことは、子供の健康を奪うようなものである。

・いったい何のために、「人々が何と言うのだろうか?」とか、世間の思惑だとか、
 「外からの声」だとかに、耳をそばだてていなければならないのだろうか。ある賢人
 がいみじくも言ったように、外からの声に従ったひとで、優れたこと有用なことを
 成し遂げたひとは、いまだかつて誰もいない



15.補章

・何かに対して<使命>を感じるとはどういうことであろうか?それは何が<正しく>
 何が<最善>であるかという、あなた自身が持っている高い理念を達成させるために
 自分の仕事をすること



16.付録ー赤ん坊の世話

・もう大きくなった赤ん坊ならば、小さな子守の腕にいつも抱かれているよりは、
 そのへんを這い回っているほうが、はるかに良いのである。赤ん坊にとっては
 自分で遊ぶことのほうが、絶えずかまわれているよりも、はるかに良い。

・近頃は、子供たちをかまうことが多すぎる

・明るいこと、ことに陽光をたっぷりと採り入れることが、子供を元気よく、楽しく、
 賢くするのです。けれども、戸外にいるとき赤ん坊の頭を直射日光に当てて熱くしな
 いこと。

・赤ん坊のいる部屋は<いつでも>できるだけ明るく、できるだけ陽光の入るように
 しておいてください。

・赤ん坊の眠っている部屋を、ほんの数時間でも閉め切っておいてごらんなさい。
 その児が具合が悪くなるのはわかりきったこと。

・自分で工夫することを、覚えろ。


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ナイチンゲールのことをぼくは誤解していた。
この人は最高の看護婦であり、それでいて、最高の思想家の一人だった。

ひとりの人間がひとつのことを極めに極めに極めに極めた末は、きっとナイチンゲールみたいになるんだと思う。
優れた人間の最高峰とでもいおうか。




ぼくは医者でも看護師でもないのだけど、この本を読んで参考になる部分はとても多く、
とりわけ「新鮮な空気」については読後は常に心がけて採り入れているつもりである。
そのおかげか、読後数ヶ月経った今も、体調を悪くすることがない。
それほど基本的でありながら、一般の人間が見落としがちな知るべきことがずらりと記されている印象を受けた。

きっとこの本は、看護に関する専門的知識を得ようとする人だけでなく、
一般の人にももっと伝えられるべき本であると思う。


読んだ人は、きっとその理由が分かると思う。
ぼくにとって重要な本だった。




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Hiro

Author:Hiro
読んだ本の記録。忘れたくない言葉。

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